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「図解版 天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある」

2015年1月10日

山口 真由 著「図解版 天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある」というラノベのように長いタイトルの本を読んだので、内容の紹介や感想など書こうと思います。

図解版 天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある
山口 真由
扶桑社
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内容の紹介

目次としては以下の通り。

  • 第1章:7回読みを極める!
  • 第2章:新聞を効率的に読む
  • 第3章:努力する前に知っておきたいこと
  • 第4章:努力に役立つメソッド

第1章:7回読み

第1章では「7回読み」という読み方について解説。この読み方によって文章の理解が深まる上に、誰にでも出来るハードルの低い読み方であり、試験勉強など知識を身につけたいときに役立つ方法であると筆者は主張します。
もともと”図解版”じゃない本でこの7回読みについて触れられていたようですが、そちらは読んでないので詳細は不明。

7回読みの流れとしては、簡単に書くと以下のように紹介されています。

  1. キーワードを拾い出す
  2. キーワードの周辺に大事なことが書かれているのでそこに着目する
  3. 段落同士の関係を捉えることで、全体像を把握する
  4. 段落ごとに要約する

※2章はあんまり興味なかったので省略します。

第3章:努力する前に知っておきたいこと

努力をするためには当然エネルギーが必要ですが、そのエネルギーをどこに注ぐべきなのかについて書かれています。

  • 得意分野に注力して尖った存在になろう
  • 上1/3をめざすべし
  • 努力する対象の優先順位を決めておく

第4章:努力に役立つメソッド

最終章である第4章では対象を決めた後に、実際に努力して結果を出す上でモチベーションを保つのに有効な方法について書かれています。

  • 厳密なスケジュール管理はやめて「外圧」を利用せよ
  • ライバルの存在は大事
  • 努力した自分にごほうびをあたえることも必要

感想

第1章:7回読み

「キーワードに着目する」「副詞や接続詞に注目して段落同士の関係を捉える」という読み方について。これに類似した方法を現代文や英語長文の授業で聞いたことがあるので、やはり文章を理解するためには有効なのだと思います。

そして読んだ文章を要約するというのは、情報をinputしてから自分の中で整理してoutputする作業なので、内容を十分に理解していないと行えない(=自然と理解が深まる)方法だと思います。「下の人間に教えることが一番の勉強になる」というようなことはどの世界でもいわれているものと思います。

ただこの7回読み、流れとしては理解出来るのですが、肝心のキーワードの拾い方が漢字の集合体やカタカナはキーワードなことが多いとずいぶん雑な説明。そのため筆者の書いている方法通りに実践出来るかという点については疑問が残ります。

ということで、”3回読み”くらいで普通に読む→要約と簡略化する方が自分にとっては現実的なラインかなと思います。

少し話は変わりますが、7回読みで読む本の選び方について、という項目の一文でちょっとショックを受けました。

反復をするには、同じものを読み続ける必要があります。
「同じ内容でも、違うものを読んだほうが別の角度からの情報も入れられるのではないか」
こういう反論もあると思いますが、別の角度からの情報があるとかえって基本がわからなくなってしまいます

-p.29- (強調は引用者が行いました)

国試の勉強をするときに「イヤーノート」「病気がみえる」「朝倉内科学」の該当疾患ページを読んで勉強してる私はもしかしてダメな典型例なのか…

第3章:努力する対象の決め方

集団の上位1/3になら努力すれば入ることができるので、この点を目標とすべきと筆者は言います。また自分の立ち位置を解りやすくするため、ゴルフのような客観的評価基準がある対象を選ぶべきとも。

これは確かに目標を明確化するという意味では有効な方法と思いますが、「得意分野を伸ばして尖った人材を目指そう」と「上位1/3を目指そう」はなんだか矛盾している気もします。上位1/3程度で満足しているようでは、尖った人材になるのは無理だと思うのですが…

まあいずれにせよ、努力をどこに向けるかが大事というのはポケモンみたいな話だなと思います。現実世界ではポケモンと違って、努力値限界が緩いのが一番の救いでしょうか。

第4章:努力に役立つメソッド

第4章に書かれていたスケジュール管理より「外圧」を利用せよ、という話は非常に説得力がありました。

スケジュールは達成できれば満点ですが、それ以上のことはありません。点数に変化があるのはスケジュールが達成できない場合のみ。つまり、どうしても減点方式になってしまうのです。

-p.70-

これはもう仰るとおりです、としか。本書を読んでて一番納得してしまった点です。

そこで筆者は目標達成に役立つ(嫌でもやらざるを得なくなる)外圧として、自分しか見ない手帳ではなく、模擬試験やSNSなど他者からの目に晒されるものを上げています。自分もこのブログで今年の目標を書いているので、ある意味これに当てはまっていますね。

また努力を継続する方法として、「目標となるハードルを設定し、それを5%ずつ上回るようにする」という方法が本書では紹介されています。プラスを目指すという意味では、減点方式のスケジュールをなんとか加点方式に変える方法とも言えるでしょう。

150110-1from -p.79-
※下の+5%は+20%の誤植だと思います

確かに図書館で勉強している時など、帰りたいと思ったときにそこから15〜20分がんばるかどうかで、だいぶ結果が変わってくるように思います。こうした”あと少し”の積み重ねは大事ですね。

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