皮膚科 皮膚科専門医試験対策

HPV(ヒトパピローマウイルス) 型と関連疾患 まとめ

2023年1月8日

ヒトパピローマウイルス(HPV)は複数の型があり、それぞれ起こす疾患が異なるためまとめました

皮膚科専門医試験の過去問(10問)も後半で紹介します

HPV 型と関連疾患 皮膚科専門医試験 過去問

ヒトパピローマウイルス(HPV)と皮膚疾患

複数あるが、基本的には一番左側のものの重要度が高い

HPVの型臨床症状
1ミルメシア
2, 4, 7, 27, 57尋常性疣贅
3, 10, 28, 29, 94扁平疣贅
16Bowen様丘疹症, 爪Bowen病
5, 8疣贅状表皮発育異常症
57, 60足底類表皮嚢腫
63点状疣贅
6, 11尖圭コンジローマ

なお皮膚科疾患ではないが、HPV-16/18は子宮頚癌と関連することも重要(2価・4価・9価とあるHPVワクチンはいずれもこの型を含む)

HPVワクチンの種類名称標的とするHPV型
2価サーバリックス16, 18
4価ガーダシル6, 11, 16, 18
9価シルガード96, 11, 16, 18, 31, 33, 45, 52, 58
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皮膚科専門医認定試験 関連過去問 (2022〜2009年度)

問題出典:試験問題(過去問題) |公益社団法人日本皮膚科学会

2024年 選択問題36

解答:1, 5

ボーエン様丘疹症ではHPV-16が検出され、尖圭コンジローマではHPV-6/11などの発癌低リスクHPVが検出される

解説詳細はリンク先:2024 選択36

2024年 選択問題65

解答:2, 3, 4

疣贅状表皮発育異常症は幼少期に発症し、HPV-5が関連する高発癌性皮膚疾患

解説詳細はリンク先:2024 選択65

2024年 記述問題19

解答:ミルメシア

足底の疣贅で、HPV-1が検出されていることからミルメシアの診断となる

解説詳細はリンク先:2024 記述19

2023年 選択問題81

解答:5

手掌や足底の粉瘤(類表皮嚢腫)はHPV-57やHPV-60が原因となる

解説詳細はリンク先:2023 選択81

2022年 選択問題49

解答:1

組織での空胞細胞(コイロサイトーシス)およびHPV-3が検出されていることから、扁平疣贅と診断する

  • 尋常性疣贅:HPV-2
  • ボーエン様丘疹症:HPV-16、組織学的にBowen病に類似するためこのような名称
  • 疣贅状表皮発育異常症:HPV-5、先天的なHPVに対する免疫不全が原因

解説詳細はリンク先:2022 選択49

2020年 選択問題28

解答:3

HPV5は疣贅状表皮発育異常症と関連する

解説詳細はリンク先:2020 選択28

2019年 選択問題20

解答:1

露光部の紅斑〜褐色斑と、組織での空胞細胞(コイロサイトーシス)から    の診断

HPVに対する先天的な免疫不全が原因(常染色体劣性遺伝疾患)

解説詳細はリンク先:2019 選択20

2016年 記述問題5

解答:HPV-16

陰茎部で尖圭コンジローマ類似の褐色丘疹が、組織学的にBowen病類似の異常角化細胞や核分裂像がみられることからBowen様丘疹症の診断

HPV-16が原因となる

解説詳細はリンク先:2016年 記述5

2015年 選択問題20

解答:1, 4

扁平疣贅は顔面や腕に好発し、HPV3が原因。顔面は色素沈着を残しやすいため液体窒素は通常行わない

解説詳細はリンク先:2015年 選択20

2013年 選択問題24

解答:1

HPV5が疣贅状表皮発育異常症の原因、HPV3は扁平疣贅の原因

解説詳細はリンク先:2013 選択24

2012年 選択問題18

解答:1, 3, 5

ボーエン様丘疹症はHPV-16、HPV-5は疣贅状表皮発育異常

蚊刺過敏症はEBウイルスの慢性感染(CAEBV)と関連する

2010年 選択問題66

解答:2

顔面褐色斑と組織でのコイロサイトーシスから、扁平疣贅と診断する。関連するのはHPV-3

2009年 選択問題20

解答:b, d

HPV-16と関連するのは爪部Bowen病およびボーエン様丘疹症(bowenoid papulosis)

2009年 選択問題21

解答:d, e

皮膚症状は癜風様の白斑や紅斑であり、露光部位に悪性腫瘍が好発する

HPV5型が原因で、遺伝形式は常染色体劣性(潜性)

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