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金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」を読んだ

2019年7月5日

「老後の生活には公的年金に加えて2000万円が必要」で何かと話題の文書です
ネットで普通に読めることを知ったので読んでみました

金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書の公表について:金融庁

報告書は日本の人口動態や収入・支出の話から始まり、老後の資金問題を解決するためにどうするべきかが順序立てて説明されています。

この報告書で一番話題の2000万円という数字

これは日本の平均的収入・支出から計算すると高齢夫婦無職世帯では月額赤字額が5万円前後で、"人生100年時代"で退職してからが30年(≒95歳まで)とすると5 x 12(ヶ月) x 30(年)で1800万円、つまり約2000万円が必要というものみたいです。

ただこれはあくまでも平均値であって、個人毎に事情が異なるので、"自分の場合"をよく考えましょうというのが繰り返しかかれています。総論と各論は違うということ

まあいずれにせよ老後の資金として多くのお金が必要となるので、若いうちから将来を見据えてしっかり資産形成をしていきましょう。そのためには長期・積立・分散投資がよいですよ…という話につながっていきます。
この辺の流れはちょっと恣意的な感じもします(ワーキンググループに投信株式会社の社長が入っていることに留意)

以下は読んで面白いなと思った部分のみ紹介

それぞれの人生ステージでのアドバイス

現役期・リタイヤ前後期・高齢期の3つに分けて、それぞれのアドバイスが記載されています
これはとてもわかり易かった

現役期

人生100年時代で先が長いので、早め早めから先を見越してお金を貯めておきましょう

投資期間が長期で、タイミングや対象を分散するほどばらつきが減ります

手数料は長い目で見ると重荷になるので、手数料が安いものを選びましょう

リタイヤ期前後

退職金がある場合はいくらくらいか早めに把握して、それをどのように使うかを考えましょう

就労延長を検討しましょう

老後の支出は現役時の収入が高かったときに引きずられがちです

高齢期

資産の取崩しが必要

認知能力や判断能力の低下や喪失は誰にでも起こり得るので、その対策を立てておきましょう

まだまだ現役期なので、なかなかリタイヤ期前後のことまで考えたことはありませんでした。とくに良かった部分は以下

"認知能力・判断能力の低下は誰にでも起こりうるという認識の下、これに備え、対応することは、本人にとってこれまでと同じ形で金融サービスを受けるという意味で必要であり、家族など周囲の者を混乱させないという意味でも非常に重要である。"(p35)

金融面に限らず、肝に銘じておきたい内容だと思います。ここ最近高齢者車運転問題も取り上げられることが多いですし…世の中何事も自分が大丈夫と思っている人が一番大丈夫ではない

退職金

"退職給付額を見ると平均で1700万円〜2000万円程度となっており" (p13)

なにぶん自分のやっている医者という仕事は転勤が多く、すぐに勤める病院が変わる仕事なので、退職金もあまり期待できない気がします。最後の積み増しが期待出来ないぶん、今のうちからしっかり貯めておかないとだめだなと思いました。

逆に開業医なら定年退職の年齢になっても給与面で大きく下がらない、というメリットもあるわけですが…勤務医の場合、定年退職後の出口戦略をしっかり考えておかないと大変だなあと思ったのでした。

これは上のリタイヤ期前後の話とも通ずるところがありますね


というわけで今回は、何かと話題の金融審議会 市場ワーキング・グループ報告書を読んだという話でした。

ここで書いたのはほんの一部ですが、同文書は無料で読めるPDFなのに中身がすごいしっかりしているので、時間のある方は一度読んでみると良いのではないでしょうか
(一部個人向けというより金融サービス提供者側に向けた提言になっており、そこはあまり参考にできないのですが)

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