月の初めということで、2015年9月の予定を立てました。月表示でカレンダーアプリをみると卒試の日程が入っていると、いよいよ夏休みもおわりな感じがひしひしと伝わってきて少し悲しい
見出し
今日の勉強内容
150901の勉強時間：8時間12分
今日はずっとQB T(整形)をやっていましたが、その割に進行状況は微妙なところ。
整形外科に限らず、全般に言えることですが昔の国家試験の問題は難しく、特にその疾患自体があまり出題されないものの場合調べるのに時間がかかります。その後同様の出題がないマニアックな問題だからこそ、今でも古い問題が収録されているというバイアス(収録バイアス？)もありますが、それにしても難しい。昔(87回以前)の国家試験はマイナー科を全科目選択する必要がなかったらしいので、その影響もあるのだと思います。
しかしそんな難しい、最近の国家試験には出ないだろうというレベルの疾患(de Quervain病とかキーンベック病とか)でも卒業試験には普通に出たりします。
なので卒試の勉強も兼ねてると思えば多少は気持ちもラクかな？と思いながら、そんな疾患もちゃんと載ってる標準整形外科学のページをパラパラと読んでいました。さすが分厚いだけあってとても詳しいです。
標準整形外科学 第12版 (STANDARD TEXTBOOK)
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ただ少し考えてみると学生にとってはマニアックな疾患であっても、大学で教員をやっているような先生にとっては普通の疾患なんでしょうね。それで先生は卒業試験で出題し、学生は過去問と同じ問題しか解けない、という流れになっているのだと思います。
かように試験問題を作るのは難しく、無知だった自分を思い出すのも難しいものと推察されます。もういっそのこと卒試も国試の過去問から出してくれれば良いのでは…？とも思いますけどね(そういう大学も多いと聞きます)
以下は今日の勉強ノート
膝関節の関節・靱帯損傷
- 半月板(線維軟骨)損傷：運動中に膝をひねり受傷。「30°屈曲位で伸展不能」のようなロッキング症状(膝の引っかかり感)やクリック音が出現する。McMurray testやApley testで陽性
- 後十字靱帯損傷：ダッシュボードインジャリー、つまり交通外傷で受傷。
- 前十字靱帯損傷：スポーツで着地した際に生じる事が多い。症状は膝崩れ(giving way)が有名
- 関節内の靱帯や半月板の損傷により関節血腫が生じると、膝蓋跳動を呈する
関節血腫を見た時は脂肪滴の有無を確認すると、関節内骨折の有無が判定できる
source：標準整形外科学 第12版 p666
脊椎・脊髄疾患
Spinal shock(脊髄ショック)
脊髄損傷の受傷直後の急性期には脊髄機能が全て消失し、損傷部位以下の完全感覚脱失・反射消失・交感神経機能低下(発汗停止や血圧&脈拍低下)をきたす。ショックだが脈拍も低下する点が他のショックとは異なる
つまり脊髄損傷自体は上位運動ニューロン障害だが、急性期には反射が消失することになる。Spinal shockの時期が終われば反射は亢進する
※Spinal shockの際には膀胱も弛緩麻痺となり、収縮しないため尿閉をきたす
頚髄とその支配筋
- C5：三角筋・上腕二頭筋
- C6：手根伸筋(反射は腕橈骨筋反射)
- C7：手首の屈曲・指の伸展(反射は上腕三頭筋)
- C8〜Th1：指屈曲
頚椎椎間板ヘルニア
症状
- 頚椎症状：後頚部痛・頚肩こり・頚部運動制限
- 神経根症状(障害部位のみ)：放散痛や知覚障害・運動障害
- 脊髄症状(障害部位以下)：膀胱直腸障害・腱反射亢進・手指の巧緻運動障害(書字・ボタンかけ・箸を使う動作など)
高齢者では頚部の放散痛が狭心症と間違われることがあるので注意！
診断・治療
- 誘発テスト：Spurlingテスト(患側に傾けて圧迫)・Jacksonテスト(背屈して圧迫),テストによりいずれもしびれや疼痛が出現する
- 手術：脊髄の前方からアプローチして減圧する(前方固定法)。内視鏡手術も行われる
※頚部脊椎症：加齢に伴う頚部椎間板の退行変性によって弾性力が低下し、骨増殖を生じる。その結果神経根や脊髄が圧迫されると椎間板ヘルニアと類似の症状が出現する
腰椎椎間板ヘルニア
- 上位(L1〜L4レベル)ヘルニアでは大腿神経伸展テストが陽性となる。腹臥位で膝屈曲位で保持したまま股関節を伸展させると、大腿神経に沿った疼痛が誘発されるテスト
- 圧迫症状は前傾姿勢で悪化↔腰部脊柱管狭窄症と逆
- 基本的には椎間板より下の神経根症状(L4/5ヘルニアならL5神経根症状)を呈するが、最外側型ヘルニアの場合1つ上の神経根症状(同L4神経根症状)が出現することがある
後縦靱帯骨化症(OPLL)・黄色靱帯骨化症(OYL)
病態・症状
後縦靱帯は脊髄の前方に存在し、黄色靱帯は脊髄の後方に存在する。これらの靱帯が骨化することにより脊柱管が狭窄し、脊髄圧迫症状が出現する。このため軽微な転倒で脊髄麻痺が発生することがある。
骨化をきたす原因は不明だが、糖尿病や高度肥満で発生しやすいとされアジア人に多い。一般にOPLLは頚椎に、OYLは胸椎に好発するが両者の合併もある。
source：後縦靭帯骨化症を改善・軽減ができる漢方薬相談店
余談：ソフトバンクホークスの大隣憲司投手や元楽天監督の星野仙一氏がなったのがOYL
治療
安静や頚椎カラーによる治療が基本で、重症例では脊柱管の減圧術を行う
腰部脊柱管狭窄症
- 馬尾型：下肢や会陰部の異常感覚・膀胱直腸障害・性機能障害
- 神経根型：下肢の疼痛
- 混合型：両者の混合
馬尾症状は自然寛解傾向がないが、神経根症状は自然寛解傾向を有する。手術は後方からの椎弓切除術による除圧を行う
※腰痛症：腰痛はあるが神経症状をみとめず、X線やMRIで明らかな画像的変化を認めないもの。要するにゴミ箱的疾患
上肢の疾患
離断性骨軟骨炎
病態
軟骨下骨が部分的に壊死して分離が発生し、関節軟骨の一部が剥離脱落して関節内で遊離体を形成する。初期にはX線で透亮像を示し、その後軟骨が分離→遊離する。肘関節や膝関節に多く、肘のものはいわゆる野球肘
症状
- 遊離体が嵌頓することで関節のロッキング、可動域制限をきたす。
- 肘関節では尺骨神経麻痺(肘部管症候群)を伴いやすい