勉強日記

頭部MRIの解剖が学べるiPadアプリ

2015年10月14日

151014-Raadiology-Head-01

神経内科の勉強をしていて、頭部の解剖(神経解剖)を学ぶのに便利なiPad用アプリがあったので紹介します。3D4Medicalの「Radiology - Head」というアプリ。

App Store:Radiology - Headを App Store で

アプリの画面は以下の様になっています。

151014-Raadiology-Head-01

 

このアプリではCT/MRI(T1WI/T2WI/FLAIR)の頭部スライスを見ることが出来ます。断面は水平断・冠状断・矢状断に対応(CTとMRI FLAIRは水平断のみ)。

画面右の"Arteries"や"Lobes"をタップすると、対応する部分の色が変化します。上の画面ではBasal ganglia(大脳基底核)を選択しているため、レンズ核や線条体が紫色に変化しているところです。

この状態でさらに構造物をタップすることで、構造物の名前が表示され、さらにその部位に関する説明を読むことが出来ます。

151014-Raadiology-Head-02

 

例としてCaudate Nucleus(尾状核)の説明を表示してみたところ(縮小してるのでやや読みづらいかも)。発音もしてくれます

教科書に載っているCT/MRI画像だと限られた断面しかないので連続性が解りづらいのですが、このアプリでは構造物を連続して追っていくことが出来るので立体的に理解しやすいと思います。また脳の構造だけを示した解剖アプリ(3D Brainなど)もありますが、私としては解剖よりもMRIでの読影の方が勉強したかったのでこのアプリを選びました。

欠点は言語が英語しかないことでしょうか。まあ需要が少なそうなので仕方がない気もします…これはこれで医学英語の勉強になって良い、と前向きに考えましょう。

今日の勉強内容

151014-Study

151014の勉強時間:8時間45分

アプリの紹介もしたくらいなので、今日からMEC 神経の復習をスタート。

神経は他の内科と比べても、解剖・機能が複雑な分野。各論的な疾患よりも総論をしっかり抑える方が重要です。解剖が苦手な自分としてはこの総論セクションが一番辛いわけですが、やっているうちに何とか思い出してきた気がします。

以下は今日の勉強ノート


§1 神経の基本

大脳皮質は6層構造
グリア細胞の一つであるアストロサイトは血液脳関門の形成を行う

大まかな分類

  • 大脳辺縁系:扁桃体・海馬・乳頭体→情動や記憶の中心
  • 大脳基底核:被殻・淡蒼球・尾状核→錐体外路と関係
  • 間脳:視床(内外側膝状体を含む)/視床下部・松果体・下垂体→感覚・内分泌系の中心

※視床下核は別名ルイ体(DRPLAのルイ体)

小脳

  • 小脳半球(大脳小脳):大脳からの入力を受け取り、四肢の協調運動を行う。障害されると指鼻試験や回内/回外試験が出来なくなる
  • 小脳虫部(脊髄小脳):脊髄小脳路(意識できない深部感覚)からの入力を受け取り、体幹の動きの調節を行う。障害されると歩行障害(体幹の運動失調)をきたす。
  • 片葉小節葉(前庭小脳):前庭神経からの入力を受け取り、眼球運動を行う。障害されると眼振や平衡障害をきたす。

四肢の協調運動と体幹の動きの違いがわかりにくいが、つまり「停止しているときに倒れないように働いているのが脊髄小脳」という認識で良いと思う。だからここの障害ではうまく立てずにふらついてしまう(Romberg試験をする前から立てない)。

脳脊髄液

脈絡叢にて1日500mlが産生される。循環している量は150ml程度。
脈絡叢→側脳室→Monro孔→第3脳室→中脳水道→第4脳室→Magendie孔/Luschka孔→くも膜顆粒→静脈洞へ

151014-CSF

source:イヤーノート2016 J-13

神経伝導路

  • 運動神経:側索後方→前角でシナプス形成→末梢へ。交叉は延髄レベル
  • 温痛覚:後根神経節を通り後角→脊髄レベルで交叉して側索前方を上行(外側脊髄視床路)
  • 深部感覚(位置覚・振動覚):後根神経節を通り後索を上行し、延髄レベルで交叉。橋では内側毛帯を通る。
  • 触圧覚:粗大なものは温痛覚と近い経路をたどり、微細なものは深部覚に近い経路をたどる
  • 意識できない深部感覚:筋紡錘からの入力を脊髄小脳へ伝える経路。同側の側索や後索を通る

大雑把に分けると前角-運動神経・側角-自律神経・後角-感覚神経となる。

片麻痺は左右いずれか上下肢の麻痺を、対麻痺は両側下肢の麻痺を示す。対麻痺は両側前大脳動脈閉塞でみられる

錐体路(上位運動ニューロン)障害

錐体路障害では腱反射(脊髄における単シナプス反射)や病的反射は亢進するが、表在反射(脳を介する多シナプス反射)は消失する。

腱反射では脊髄前角におけるシナプス部にて上位運動ニューロンからの抑制を受けており、錐体路障害で抑制が外れることになる。表在反射(精巣挙筋反射や肛門反射)は末梢神経→脊髄後索→大脳→錐体路→筋というルートを通り、錐体路を下行する必要があるため、錐体路障害では反射が消失する。
なお表在反射は下位運動ニューロン/感覚ニューロンの障害でも消失する。

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