それでも生きていかざるをえない

それいきノート:皮膚科編

レポート

初期研修医レポート 動悸

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研修医レポートがそろそろ全部終わりそうなので、過去のものを記録に残してみようと思い引っ張り出してきた企画第6弾。提出時にA4 1枚という制限があるので短めです。
※個人情報配慮のため一部事実と異なる記載があります

171212-Report

症候学レポート 動悸

病歴

現病歴

動悸発作既往のある73歳男性。
来院当日の23時頃から胸部絞扼感と動悸が出現し、1.5時間ほど続いたため救急要請した。同症状は来院前に消失した。

なお2014年11月にも同症状で近医受診後、当院紹介受診しておりその際は発作性心房細動/無症候性非持続性心室頻拍と診断されている。その後処方されている内服薬は指示通りに内服している。

既往歴

C型肝炎(インターフェロン治療後再燃), 発作性心房細動, 慢性腎不全, 高血圧 ※糖尿病、脂質異常症なし

内服薬

ワルファリン錠1mg 3錠, ランソプラゾール15mg 1錠, カルベジロール10mg 1錠, ウルソデオキシコール酸100mg 6錠, フェブキソスタット20mg 1錠, オルメサルタン メドキソミル/アゼルニジピン 1錠,

生活歴

ADL:full, 飲酒:今はほぼなし, 喫煙 30年前まで40本x23年, アレルギーなし ■家族歴:心疾患の家族歴なし

身体所見・検査

身体所見

JCS 0, 血圧 197/106mmHg(いつもは収縮期で130mmHg程度), 心拍数 60回/分 整, SpO2 99%(O2 2L), 呼吸数 14回/分, 体温 36.2℃
冷汗あり, 嘔気なし

検査
  • 心電図:洞調律, 心拍数64回/分, 平均QRS幅:0.088秒, V1でのT波陰転化以外明らかなST変化なし。2009年時の心電図と著変なし。
  • 採血:BNP 73pg/ml (2ヶ月前の採血で119pg/ml), トロポニンI 0.03ng/ml, CK-MB 19IU/L

経過

来院時動悸は消失しており、心電図でも異常を認めなかった。その後1時間半ほど経過観察し、心不全徴候や採血検査での心筋逸脱酵素の上昇も見られなかったため帰宅となった。

考察

動悸を訴える患者の30%は心因性とされ、また徐脈で動悸を訴える患者も居るとされる。よって動悸においてはまず、自覚症状としての”動悸”が「心拍数の増加」を意味しているかどうかが重要となる。この鑑別のためには心電図検査を行うことが最も簡便である。

心拍数の増加が現在も持続していることが確かめられた場合、次に緊急性を考える。この際に用いられるものとしてACLS頻脈プロトコールがある。このプロトコールではバイタルや失神・胸部症状・呼吸困難等から緊急性を判断する。緊急性が高い場合、心肺蘇生や電気ショックが必要となる。緊急性の高くない頻脈、とくにnarrow QRS(QRS<0.12秒)の場合は迷走神経刺激やATP急速静注により洞調律に復帰させ、予防と治療を行う。ただし心房細動は発症48時間以上経過している場合血栓塞栓症の危険があり、抗凝固療法を行った後リズムコントロールを行う。

非心臓性動悸の原因に貧血・代謝亢進疾患・電解質異常・精神的興奮があり、これらの検索を行う。抗不整脈薬のアドヒアランスも聴取する。予防/治療としては抗不整脈薬やカテーテルアブレーションがある。また心房細動の場合は血栓塞栓症予防として抗凝固療法も重要である。

今回の症例では来院時頻脈は停止しており、緊急対応は必要なかった。今回生じた不整脈の詳細は不明だが、今後発作の予防として内服調整が必要と考えられる1例である。

参考文献

救急診療指針 改訂第4版, 問題解決型 救急初期診療 第2版, 循環器診療 レジデント・ザ・ベーシック


1年時の8月頃に書いたものです。要約すると「動悸と言ってたけど救急車に乗る前に止まったため、実際に頻脈だったかどうかよく解らない人」なので、なぜこの人でレポートを書こうと思ったのか我ながら謎である…一応頻脈発作の既往があるだけマシとも言えますが

今の自分ならPSVT発作→ATP静注で改善した症例とかで書くと思います。

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