今日の勉強内容
昨日でやっと血液内科の勉強が終わったので、今日からは循環器の勉強をスタート。循環器の勉強をするのは昨年市中病院で2週間実習したとき以来なので、実に10ヶ月ぶり。循環器は理論を考えることが多く、あまり暗記しなくても良い所が利点ではあります。まあそれでも解剖とか生理は覚えるしかないんですが
循環器もMECのテキストの復習を中心にやっていく予定ですが、問題数が多くハードではあります。来週は楽天ジャパンオープンをはじめ色々と用事があるので、再来週の内科卒試に向けて
今週末が正念場となりそうです。
以下は今日の勉強ノート
§1 循環器の基本
解剖
僧帽弁以外は三尖弁
奇静脈
右半分からの血を集めるのが奇静脈、左下からが半奇静脈、左上からが副半奇静脈。全て上大静脈へ灌流するので、側副路として重要。
source:フィットネスの勧め 体に関して
冠動脈
冠動脈は左室→(大動脈弁直上)→Valsalva洞→冠動脈→冠静脈洞→右心房と灌流する
- 左冠動脈→左前下行枝(LAD)→前壁・心室中隔〜心尖部
- 左冠動脈→左回旋枝(LCX)→側壁
- 右冠動脈(RCA)→右室・下壁・房室結節
下壁は基本的にRCAによって灌流されるが、人によってはLADが灌流していることもある
LADは心室中隔に沿うように走行している
診察・検査
Ⅲ音・Ⅳ音は低調音なので聴診器のベル型を使って聞く。他に低調な音としてはMSにおける拡張期ランブルがある。
EF(駆出率)=(左室拡張末期容積-左室収縮末期容積)÷左室拡張末期容積
正常値は55%以上で、収縮能を反映する
心電図
Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ誘導はそれぞれの電位差を記録しており(双極誘導)、それ以外の誘導は不関電極に対する電位を記録している。
胸部誘導の電極位置
- V1:第4肋間胸骨右縁
- V2:第4肋間胸骨左縁
- V3:V2とV4の中間点
- V4:第5肋間鎖骨中線上
- V5:V4と同じ高さの前腋窩線上
- V6:V4と同じ高さの中腋窩線上
source:電極装着のポイント:きれいな心電図を記録するポイント 〜標準12誘導心電図編〜|正しくお使いいただくために|医療関係の皆様へ|日本光電
各誘導と心臓の部位との大まかな対応関係
- Ⅰ・aVL・V5・V6:側壁
- Ⅱ・Ⅲ・aVF:下壁
- V1〜V4:前壁中隔
PQRSTと波形の異常
- P波:増高の際は右房拡大(肺性心)を、二峰性の際は左房拡大(MSなど)を考える。
- PQ間隔:0.12秒〜0.20秒が基準値
- T波:陰転化するのは左室肥大・陳旧性心筋梗塞・低K血症など
§2 心不全
心不全
心臓の器質的あるいは機能的異常により、心ポンプ機能が低下し主要臓器の酸素需要量に見合うだけの血液量を拍出できない状態を指す。
症状・検査
肺水腫の存在や浮腫はうっ血を示唆し、血圧低下や末梢冷感は循環不全を示唆する。これに基づいて4つの型に分類するのがNohria/Stevenson分類。
この分類における身体所見はForrester分類におけるPAWP(肺動脈楔入圧)とCI(心係数)に該当し、スワンガンツカテーテル検査を行わずに診断出来ることから近年よく用いられるようになった。
ANP/BNPはそれぞれ心房/心室で合成され、心不全のマーカーとして用いられる。またANPはNa利尿作用を持つことからhANPとして治療にも用いられる。
・心臓喘息
心不全に伴う間質性浮腫により気道が狭窄することで、呼気性喘鳴をきたすようになる。これは心臓喘息と呼ばれる。
治療
定義の通り均一の疾患ではないので、それぞれの症例で病態を考慮して治療方法を選択する必要がある。また原因疾患の治療も重要。急性心不全での治療戦略を簡単に分類すると以下の2つ。
- 末梢循環不全がある場合は昇圧薬としてドパミンやノルアドレナリンを用いる。非薬物治療としてIABPやPCPSも考慮される。
- うっ血がある場合は利尿薬(ループ利尿薬/hANP)や血管拡張薬(硝酸薬)を用いる。
・afterload mismatch
心不全初期の段階で代償作用として生じる交感神経系やRAA系の活性化から、後負荷が増加する。これによりさらに心臓に負荷が加わり、より心不全が悪化するという悪循環に陥ることをafterload mismatchと呼ぶ。血管拡張薬により後負荷を減少させることで、この悪循環に対抗できると考えられる。
・心不全に心房細動を合併している例では、強心作用を持ち抗不整脈作用もあるジギタリスが用いられる。
高拍出性心不全
通常の心不全では心拍出量が低下しているが、高拍出性心不全では末梢組織の酸素需要の増大により心拍出量が増大している。しかしそれでも酸素需要の増大の方が大きく、酸素を十分には供給できていない状態のこと。
原因疾患として甲状腺機能亢進症・貧血・脚気・動静脈瘻などがある。