教科書レビュー

STEPの進化版、Simple STEP泌尿器科は良書

2015年9月14日

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STEPシリーズが新しくなったと聞き、ちょうど卒業試験前だったこともあり海馬書房のSimple STEP泌尿器科を買いました。これが思った以上に良い本だったので紹介します。

Simple Step 泌尿器科 (Simple Step SERIES)

Simple Step 泌尿器科 (Simple Step SERIES)

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海馬書房
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※記事中の写真はすべて上記の「Simple Step 泌尿器科」より引用させて頂きました

イラストが増え、構成も読みやすくなった

STEPシリーズはこれまで文字が主体の本でした。内科の本では比較対象とされる「病気がみえる」シリーズ(メディックメディア)がビジュアルを前面に押し出した構成だったのに比べ、やや読みづらい印象がありました。

しかし新しく作られたこの「Simple STEP」シリーズはかなり見やすさ・簡潔さに配慮されています。それは帯や表紙のフォントからも伺えます。

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すごい親しみやすい感じだ…!あの武骨なSTEPとは思えない(褒め言葉)

公式サイトに本書のサンプルがあるので、そちらもご参考に。

Simple Step 泌尿器科 サンプル(PDF)

ページ端に見出しが追加!パラパラめくりやすい!

Simple STEPシリーズに変わり、ページの端になんの項目を扱っているか示す見出しが追加されました。何のことかというと下の写真で赤く囲った部分のこと。

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これがあるかないかでパラパラめっくって目的のページを探す際の効率がだいぶ変わるので、かなり良い変更点です。(病気がみえるでは前からあったからね…)

カラー写真が巻頭表示なのは残念

この点は以前のSTEPと変わらず、カラー口絵は表紙にまとめられ本文中は白黒表示です。

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医学系の書籍で言うとQB(クエスチョン・バンク)もこのようになっていますし、出版の都合上もあると思います。ただ読む側からすると写真を参照する際に毎回ページをめくらなくてはならず、デメリットしか感じられないので何とかして欲しいところではあります。

他の教科書との比較

自分がこれまで泌尿器科で買った教科書は、病気がみえる vol.8 腎・泌尿器レビューブック マイナーの2つです。

病気がみえる vol.8: 腎・泌尿器

病気がみえる vol.8: 腎・泌尿器

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病気がみえるは腎臓と一緒になっている都合上、泌尿器科のページが全体の3割程度。ただ薄いながら国家試験で出題されるような重要泌尿器疾患はカバーされており、この点は流石です。

ただ”病みえ”シリーズの特徴として各論は詳しいのですが、症候や検査などの総論部分がやや弱いという点があります。なので総論部分に関してはSimple STEPの方が良いですね。またページ数と文字量の関係から、総合的な情報量でも劣っています。

レビューブック マイナーは全マイナー科を収録している都合上、ポイントがまとまりすぎていて内容が薄め。ただiOSで使えるmediLink版レビューブックマイナーアプリが便利なのでそちらは利用しています。しっかり勉強するには不足していますが、軽く参考にするには良い本ですね。


そんなわけで、今回は泌尿器科の卒試前に書店で見かけて買ったSimple STEP泌尿器科が良かったよという紹介でした。

しかし生協の方も仰っていたのですが確実に「病気がみえる」にインスパイアされてるよねこれ…泌尿器科のようなマイナー科は病みえが、いやメディックメディアが弱い部分なので読みやすく詳しい本がでるのは大歓迎ですが、内科で既に牙城を築いている病みえに対抗できるのかと言われると…どうなんでしょうか。

まあ帯裏面によるとSimple STEPシリーズは2015年10月に脳神経・2015年11月に感染症・2015年12月に内分泌・代謝と続々刊行予定らしいので、今後も見守っていこうと思います。

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