パッチテスト、ジャパニーズスタンダードアレルゲンについてまとめました
ジャパニーズスタンダードアレルゲン(JSA) 2015
日本人がかぶれやすいアレルゲン26種類を選定したもので、最新版は2015(何度か改訂されている※)
このうち24種類(ウルシオールと塩化第二水銀以外)はパッチテストパネル®(S)に含まれ
接触皮膚炎を疑うが原因が同定できない際にスクリーニングとして施行される
とくに陽性率が高いのはニッケル(1位)と金(2位)で、この2つは女性が男性より10%近く陽性率が高い
物質 | 分類 | 含まれる製品 |
硫酸ニッケル | 金属 | アクセサリー, ナッツ類, チョコレート |
ラノリンアルコール | 油脂 | 化粧品, 保湿剤 |
フラジオマイシン硫酸塩 | 抗生物質 | 外用薬 |
重クロム酸カリウム | 金属 | 革製品, セメント |
カインミックス | 麻酔薬 | 局所麻酔薬 |
香料ミックス | 香料 | 香料, アロマオイル |
ロジン(精製松脂) | 樹脂 | インク, ワックス |
パラベンミックス | 防腐剤 | 化粧品, 外用薬 |
ペルーバルサム | 樹脂 | 香料, 医薬品 |
金チオ硫酸ナトリウム | 金属 | アクセサリー, 歯科金属 |
塩化コバルト | 金属 | メッキ, チョコレート |
p-tert-ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂 | 樹脂 | 靴・衣類などの接着剤 |
エポキシ樹脂 | 樹脂 | 接着剤 |
カルバミックス | ゴム硬化剤 | ゴム手袋, タイヤ |
黒色ゴムミックス | ゴム老化防止剤 | タイヤ, 長靴 |
イソチアゾリノンミックス | 防腐剤 | 化粧品, リンス |
メルカプトベンゾチアゾール | ゴム硬化剤 | ゴム製品 |
パラフェニレンジアミン | 染料 | 染毛剤 |
ホルムアルデヒド | 防腐剤 | 各種洗剤, 建築材 |
メルカプトミックス | ゴム硬化剤 | ゴム製品 |
チメロサール | 水銀化合物 | ワクチン防腐剤 |
チウラムミックス | ゴム硬化剤 | ゴム製品 |
ウルシオール | 植物 | ウルシ科植物 |
塩化第二水銀 | 金属 | 体温計, 歯科金属 (近年は稀) |
※前の版は2008で、ここではプリミン(サクラソウのアレルゲン)が含まれていた
分類ごとに並べ直すと下記
- 金属:硫酸ニッケル、重クロム酸カリウム、金チオ硫酸ナトリウム、塩化コバルト、塩化第二水銀
- 樹脂:ロジン、ペルーバルサム、ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、エポキシ樹脂
- 防腐剤:パラベンミックス、イソチアゾリノンミックス、ホルムアルデヒド
- ゴム硬化剤:カルバミックス、メルカプトベンゾチアゾール
- ゴム老化防止剤:黒色ゴムミックス
- 油脂:ラノリンアルコール
- 抗生物質:フラジオマイシン
- 麻酔薬:カインミックス
- 香料:香料ミックス
- 染料:パラフェニレンジアミン
- 水銀化合物:チメロサール
- 植物:ウルシオール
- 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p81
- 参考:接触皮膚炎診療ガイドライン 2020 日皮会誌:130(4), 523-567, 2020
皮膚科専門医認定試験 関連問題
- 2020 選択20 / 2016 選択18 (JSAにおいて最も陽性率が高いアレルゲン)
- 2020 選択78 (金でのパッチテスト陽性率の男女差)
- 2020 選択94 (パッチテストで1週間後に効果判定を行うアレルゲン)
- 2019 選択94(パッチテストパネルに含まれないJSA)
- 2019 記述11 (サクラソウのアレルゲン)
- 2017 選択55 (防腐剤関連アレルゲン)
- 2016 選択17 (ゴム製品と関連するアレルゲン)
- 2015 選択19 (アレルゲンと原因製品)
- 2014 選択80 (JSAに含まれない金属)