医師国家試験および模試

第117回医師国家試験 皮膚科問題を解く(全23問)

117-medicalexam-dermatology

2023/2/4〜5に開催された、117回医師国家試験 皮膚科関連問題の解答・解説を作成しました

受験された方はお疲れ様でした

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※一部皮膚科というより膠原病・アレルギー寄りの問題もあります

117A15

117A15

62歳の女性。皮疹と発熱を主訴に来院した。7日前から感冒症状があり市販の総合感冒薬を内服している。前日から顔面と四肢体幹に紅斑が出現し、口内の痛みと発熱も出現した。体温38.5℃。顔面、四肢および体幹の広範囲の皮膚に紅斑、水疱およびびらんがみられる。水疱とびらんの範囲は体表面積の40%以上である。眼球結膜充血と口唇痂皮、口腔粘膜にもびらんがみられる。顔面と左上腕の写真(別冊No. 1A、B)を別に示す。内服している総合感冒薬のリンパ球刺激試験358%(基準180未満)、抗ヒトヘルペスウイルス6IgG抗体価10倍(基準10以下)で、3週間後の採血で、抗ヒトヘルペスウイルス6IgG抗体価10倍であった。

最も考えられるのはどれか。

  1. 固定薬疹
  2. 多形滲出性紅斑
  3. 中毒性表皮壊死症
  4. 薬剤性過敏症症候群
  5. 急性汎発性発疹性膿疱症

117A-15

解答:c

総合感冒薬内服後に全身の皮膚びらん・発熱を生じている

びらん面積が>30%であることから、中毒性表皮壊死症(TEN)の診断→c

  • a. 固定薬疹:「原因薬剤摂取後同一部位に皮疹を繰り返す」ことが基本
  • b. 多形滲出性紅斑:進展するとTENへ到る場合はあるが、基本的に全身症状は軽微
  • d. 薬剤性過敏症症候群(DIHS):臨床症状はTENと類似することがあるが、HHV-6抗体価の上昇がないことや症状が急性であること、被疑薬内服からの時間経過が短い(DIHSでは薬剤中断後も遷延する)ことから否定される
  • e. 急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP):主に抗生剤内服後に無菌性小膿疱が多発するが、びらんはきたさない

DIHS (薬剤性過敏症症候群) 診断基準

高熱と臓器障害を伴う薬疹で、薬剤中止後も遷延する。多くの場合、発症後2〜3週間後にHHV-6の再活性化を生じる。

主要所見は下記

  1. 限られた医薬品*投与後に遅発性に生じ、急速に拡大する紅斑。しばしば紅皮症に移行する。
  2. 原因薬剤中止後も2週間以上遷延する
  3. 38℃以上の発熱
  4. 肝機能障害
  5. 血清学的異常:a, b, cのうち1つ以上
    a 白血球増多 (11,000/mm3以上)
    b 異型リンパ球の出現 (5%以上)
    c 好酸球増多 (1,500/mm3以上)
  6. リンパ節腫脹
  7. HHV-6の再活性化

*原因医薬品はカルバマゼピン・フェニトイン・フェノバルビタール・アロプリノールなど

  • 典型DIHS:1〜7すべて
  • 非典型DIHS:1〜5すべて、4に関してはその他重篤な臓器障害でも可

117A28

117A28

57歳の男性。左耳痛を主訴に来院した。昨日から左耳痛があり、今朝から左側の顔が動きにくく、左眼が閉じられなくなったため受診した。左耳介に紅斑と水疱の形成を認める。左側の顔面麻痺を認める。

この疾患の原因となるウイルスはどれか。

  1. アデノウイルス
  2. 単純ヘルペスウイルス
  3. Epstein-Barrウイルス
  4. 水痘・帯状疱疹ウイルス
  5. ヒトパピローマウイルス

解答:d

左耳介に紅斑と水疱がみられ、同側の顔面神経麻痺を伴うことからRamsay Hunt症候群の診断

水痘・帯状疱疹ウイルスが原因となる

  • a. アデノウイルス:プール熱や流行性角結膜炎の原因となる
  • b. 単純ヘルペスウイルス:単純ヘルペス(口唇・陰部)やKaposi水痘様発疹症の原因となる
  • c. Epstein-Barrウイルス:伝染性単核球症の原因となる
  • d. 水痘・帯状疱疹ウイルス:初感染では水痘の、再活性化で帯状疱疹の原因となる
  • e. ヒトパピローマウイルス:子宮頚癌や尖圭コンジローマの他、尋常性疣贅などの原因となる

117A31

117A31

26歳の女性。体幹の皮疹を主訴に来院した。半年前から四肢体幹に皮疹が出現し、徐々に増数し、それぞれの皮疹も拡大している。既往に幼少時発症のアトピー性皮膚炎がある。眼疾患やてんかんはない。頸部、体幹および四肢に同一の皮疹が多発している。皮疹に鱗屑はない。痛みや痒みはない。腰部の写真(別冊No.10)を別に示す。

最も考えられるのはどれか。

  1. 癜風
  2. 体部白癬
  3. 葉状白斑
  4. 尋常性白斑
  5. 眼皮膚白皮症

117A-31

解答:d

体幹部の大型の白斑で、自覚症状や他臓器疾患はないことから尋常性白斑を考える→d

自己免疫性疾患の一つと考えられており、甲状腺疾患(橋本病)や1型糖尿病の合併がみられることがある(アトピー性皮膚炎は一般的ではない)

  • a. 癜風:マラセチアが原因となる真菌感染症。自覚症状はないが、通常皮疹に"鱗屑"を伴う
  • b. 体部白癬:真菌感染症。鱗屑を伴い、中心治癒傾向のある"紅斑"(111E47)が特徴
  • c. 葉状白斑:結節性硬化症で出生後早期からみられる白斑(114A36)なので、"半年前から"は不適当。また原疾患から"てんかん"を伴う
  • d. 尋常性白斑:脱色素斑/白斑がみられる疾患
  • e. 眼皮膚白皮症:遺伝子異常によりメラニン生成の異常をきたし、典型例では出生時からの白皮症(金髪など)を生じる。"視力障害"を伴う

117A37

117A37

60歳の女性。皮疹を主訴に来院した。1年前から右肩甲骨部に皮疹が出現し徐々に拡大してきた。痛みや痒みはない。右肩甲骨部に約2cmの境界明瞭で平坦な淡褐色結節を認める。血液所見と血液生化学所見とに異常を認めない。胸腹部造影CTで明らかな転移を認めない。生検で病理診断を行った後、結節を辺縁から5mm離して切除した。術前の右肩甲骨部の写真(別冊No.13A)と摘出組織のH-E染色標本(別冊No.13B)とを別に示す。H-E染色標本で切除断端に病変はなかった。

切除後の対応で適切なのはどれか。

  1. 拡大切除
  2. 経過観察
  3. 電子線療法
  4. PUVA療法
  5. 薬物による抗癌治療

117A-37AB

解答:b

肩甲骨部(非露光部)の比較的境界明瞭な腫瘍で、組織では基底層で核の柵状配列が見られることから基底細胞癌を考える

辺縁から5mmと十分にマージンを確保しており※、実際に切除標本でも断端陰性。遠隔転移もないことから、術後は経過観察を行う→b

※基底細胞癌のマージンについては諸説あるが、4〜5mmあれば十分とされる

  • a. 拡大切除:切除断端が陽性の場合や切除マージンを十分に確保できていない場合は拡大切除を行う
  • b. 経過観察:本例では術後の時点でいわゆる"tumor free"であり、再発リスクが高いわけでもないので経過観察が妥当
  • c. 電子線照射:現時点では腫瘍は取り切れており不要。再発時や切除困難例では治療選択肢の一つ
  • d. PUVA療法:乾癬の他、腫瘍性病変では菌状息肉症に対して行われることがある
  • e. 薬物による抗癌治療:基底細胞癌では行われない。転移を伴う悪性黒色腫等で行われる

典型例では黒色が強く、また顔面など露光部に好発するので本例はやや非典型的。もっとも病理が解らなくても(Bowen病や有棘細胞癌と考えても)解答としては経過観察になるだろう

117A39

117A39

50歳の男性。右頬部の皮疹を主訴に来院した。約10年前から徐々に隆起してきた。自然に出血はしない。掻痒と疼痛はない。右鼻唇溝に直径5mmの隆起した黒褐色の結節を認める。右頸部リンパ節の腫脹は認めない。結節を切除した。術前の右鼻唇溝の写真(別冊No.15A)と切除検体のH-E染色標本(別冊No.15B)とを別に示す。

診断はどれか。

  1. Bowen病
  2. 悪性黒色腫
  3. 基底細胞癌
  4. 色素性母斑
  5. 脂漏性角化症

117A-39AB

解答:d

鼻部の境界明瞭な褐色斑。10年前からと長い病歴であり、組織では真皮にメラニンが見られることから色素性母斑を考える→d

  • a. Bowen病:臨床的には紅褐色の局面をきたすことが多い。組織では表皮全層での異型細胞が見られる(基底層は保たれる)ことが特徴
  • b. 悪性黒色腫:"10年前から"と長い病歴、"自然に出血しない""頸部リンパ節の腫脹はない"などから悪性黒色腫は否定的。組織学的にもメラノサイトが真皮からさらに深層へ浸潤する像が見られるはず
  • c. 基底細胞癌:潰瘍・出血をきたすことが多い。組織では117A37のような基底細胞での柵状配列や、腫瘍胞巣の形成が特徴
  • d. 色素性母斑:メラノサイト(母斑細胞)の増加が見られる。本例のようにとくに真皮内で母斑細胞増殖がみられる場合は真皮内母斑(intradermal nevus)と呼ばれる
  • e. 脂漏性角化症:組織では偽角化嚢腫の形成が特徴

選択肢bとd以外はそもそもメラノサイト病変ではない

117A43

117A43

35歳の初妊婦(1妊0産)。妊婦健康診査のため妊娠11週に来院した。妊娠8週の血液検査で、RPR16倍(基準1倍未満)、TPHA640倍(基準80倍未満)であった。薬剤に対するアレルギー歴はない。

正しいのはどれか。2つ選べ。

  1. 生物学的偽陽性である。
  2. 保健所への届出が必要である。
  3. パートナーの検査が必要である。
  4. 妊娠14週以降に治療を開始する。
  5. ミノサイクリンの点滴静注を行う。

解答:b, c

RPR16倍・TPHA640倍と双方陽性なことから、梅毒と診断可能

  • a. 脂質抗原をチェックするRPRのみ陽性であれば生物学的偽陽性の可能性があるが、梅毒特異的抗原をチェックするTPHA法も陽性のため生物学的偽陽性は考えづらい。RPR(+), TPHA(-)であれば抗リン脂質抗体症候群に伴う生物学的偽陽性の可能性がある
  • b. 梅毒は5類感染症で、すべての医療機関において診断から7日以内に保健所への届出が必要
  • c. パートナーも罹患している危険が高いため、検査が必要
  • d. 活動性梅毒と診断したら、早急に治療を開始することが先天梅毒の防止につながる
  • e. 本例は薬剤アレルギーがないため、第一選択のペニシリン系抗生剤(アンピシリン)を用いる。ミノサイクリンは通常ペニシリンアレルギーがある際の第二選択薬となるが、妊婦では使用できない

117A61

117A61

40歳の男性。2日前に発症した四肢の皮疹を主訴に来院した。掻痒を伴う。両下肢の写真(別冊No.32)を別に示す。

原因として考えにくいのはどれか。

  1. 薬剤
  2. 皮膚筋炎
  3. 虫刺され
  4. マイコプラズマ
  5. 単純ヘルペスウイルス

117A-61

解答:b

両膝で中心がやや陥凹した円形紅斑が多発しており、多形滲出性紅斑を考える

原因として多いのは薬剤性やウイルス性(マイコプラズマ・単純ヘルペスウイルス)

  • a. 薬剤:抗生剤や抗けいれん薬、NSAIDsが原因として多い
  • b. 皮膚筋炎:一般的ではない。膠原病ではSLEが原因となる場合がある
  • c. 虫刺され:あまり一般的ではないが、「あたらしい皮膚科学 第3版」では昆虫アレルギーが原因として記載されている
  • d. マイコプラズマ:小児ではマイコプラズマが薬剤を除くStevens-Johnson症候群の原因で最多
  • d. 単純ヘルペスウイルス:ウイルスの中でもとくに多い原因。再発を繰り返しやすい

虫刺されは多形紅斑の原因として、あまり一般的ではない

ただそもそも本例の症状が虫刺症によるものであるという可能性も考慮すれば、皮膚筋炎よりは優先度の下がる選択肢であると考えられる

117A67

117A67

76歳の男性。全身の強い掻痒を主訴に来院した。介護老人保健施設に入所中である。2か月前から全身に掻痒があり、掻痒のために夜も眠れないことがある。腋窩、体幹、四肢、手掌および陰部に紅色の丘疹や掻爬痕がみられる。手掌の丘疹部から採取した検体の顕微鏡写真(別冊No.36)を別に示す。

正しいのはどれか。

  1. 蚊により媒介される。
  2. 有効な治療薬はない。
  3. ヒトからヒトへ感染する。
  4. 近年はまれな疾患となった。
  5. アトピー性皮膚炎の原因の一つである。

117A-67

解答:c

掻痒感が強い皮疹と"介護老人保健施設入所中"から疥癬を疑う。写真では疥癬の虫体および虫卵がみられ、確定診断となる

手掌/指間部の他、男性では陰嚢部の結節が疥癬に特徴的な皮膚病変とされる

117B6

117B6

感染性心内膜炎を示唆する皮膚所見はどれか。

  1. Roth斑
  2. 輪状紅斑
  3. Koplik斑
  4. Osler結節
  5. 遊走性紅斑

解答:d

皮膚所見で感染性心内膜炎を示唆するものに下記2つがある。感染性心内膜炎の15%程度に見られるとされる

  • Osler結節(免疫複合体による):有痛性結節
  • Janeway病変(感染性塞栓):無痛性の紅色斑
  • a. Roth斑:感染性心内膜炎を示唆する所見の一つで、眼底でみられる出血斑
  • b. 輪状紅斑:リウマチ熱の皮膚症状
  • c. Koplik斑:麻疹で病初期のカタル期にみられる口腔粘膜の白色斑
  • d. Osler結節:感染性心内膜炎の皮膚症状の一つ
  • e. 遊走性紅斑:マダニが媒介する感染症の一つ、ライム病でみられる皮膚病変(慢性遊走性紅斑)

117B15

117B15

掻痒をきたしにくいのはどれか。

  1. 薬疹
  2. 蕁麻疹
  3. 結節性紅斑
  4. 多形滲出性紅斑
  5. アトピー性皮膚炎

解答:c

結節性紅斑は皮下脂肪織レベルの炎症であり、痛みを伴うが掻痒感は通常伴わない

117B31

117B31

65歳の女性。発熱を主訴に来院した。2日前から悪寒を伴う39℃台の発熱と右顔面の痛みが出現したため受診した。鼻閉や鼻汁はない。生来健康で、アレルギー歴や外傷歴はない。意識は清明。体温38.4℃。脈拍92/分、整。血圧134/68mmHg。呼吸数20/分。顔面に右を主体とする腫脹があり、左右差を認める。右額面から右頬部にかけて硬結と圧痛を伴う浮腫性紅斑を認める。右眼に充血はなく、眼球運動は正常である。顔面の写真(別冊No.2)を別に示す。

考えられる病原微生物はどれか。

  1. 結核菌
  2. 緑膿菌
  3. カンジダ
  4. A群β溶連菌
  5. 水痘・帯状疱疹ウイルス

117B-31

解答:d

2日前からという急性の経過で、顔面の発赤・熱感・腫脹が見られることから丹毒を考える

原因微生物ではA群β溶連菌が多い→d

  • a. 結核菌:結核菌の顔面病変に尋常性狼瘡があるが、慢性の経過を取る(ので有棘細胞癌の前癌病変となることがある)
  • b. 緑膿菌:本例は易感染性がないため、通常は病変をきたさない
  • c. カンジダ:皮膚では表在性感染症として、指間部などに病変をきたす
  • d. A群β溶連菌:丹毒や蜂窩織炎、壊死性筋膜炎(壊死性軟部組織感染症)などの皮膚感染症の原因となる
  • e. 水痘・帯状疱疹ウイルス:初感染で水痘の、再活性化で帯状疱疹の原因となる。水疱形成が見られるはずで、逆に発熱は通常伴わない

117C10

117C10

角層細胞間脂質を構成するのはどれか。

  1. ケラチン
  2. セラミド
  3. アミロイド
  4. デスモソーム
  5. ヘミデスモソーム

解答:b

角層細胞間脂質を構成するのはセラミド

脂質によって水分の皮膚表面からの蒸散を防ぎ、角層の水分保持・皮膚の保湿を行う作用がある

セラミドはアトピー性皮膚炎では発現が低下していることが知られる(→乾燥肌になりやすい)

  • a. ケラチン:細胞骨格を構成する成分で、皮膚表皮の有棘細胞・基底細胞などで幅広く存在する(部位によって発現するケラチンの種類が異なる)
  • b. セラミド:角層細胞間脂質の50%を占める成分。ちなみにその他にはコレステロールや遊離脂肪酸がある
  • c. アミロイド:正常ではみられない蛋白で、これが沈着するとアミロイドーシスと呼ばれる疾患をきたす
  • d. デスモソーム:表皮有棘細胞間の構造で、同部位に対する自己抗体が生じるのが尋常性/落葉状天疱瘡
  • e. ヘミデスモソーム:表皮基底膜部の構造で、同部位に対する自己抗体が生じるのが水疱性類天疱瘡

表皮の構造や角化については皮膚科専門医試験では頻出項目だが、医師国家試験での出題は稀なので難題だったと思われる

関連問題

  • 108G8 (選択肢は同一だが表皮細胞間接着に関与する構造を尋ねる問題)

117C50

117C50

36歳の女性。多発関節痛を主訴に来院した。3か月前から微熱が出現し、脱毛が増加した。2か月前から両手のこわばり、関節痛が出現した。3週間前から両手指に紅斑が出現し、先週から38℃台の発熱があり紹介受診した。体温37.4℃。脈拍96/分、整。血圧108/58mmHg。前頭部に頭髪の減少を認める顔面に紅斑を認めない。硬口蓋粘膜に発赤とびらんを認める。両側頭部、腋窩に径1cm未満の軽度圧痛を伴うリンパ節を触知する。心音と呼吸音に異常を認めない。両手指に凍瘡様皮疹を認める。右手関節と両手指近位指節間関節に腫脹と圧痛を認める。

尿所見:蛋白2+、糖(-)、潜血2+、沈渣に赤血球10〜19/HPF、変形赤血球を認める

血液所見:赤血球409万、Hb10.5g/dL、Ht34%、白血球2,800(好中球75%、単球7%、リンパ球18%)、血小板9.6万、PT-INR1.1(基準0.9〜1.1)、APTT43秒(基準対照32.2)、血漿フィブリノゲン248mg/dL(基準186〜355)。

血液生化学所見:総蛋白7.4g/dL、アルブミン3.0g/dL、AST23U/L、ALT15U/L、LD237U/L(基準120〜245)、CK26U/L(基準30〜140)、尿素窒素12mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL、血糖93mg/dL。CRP0.1mg/dL。

最も考えられるのはどれか

  1. 皮膚筋炎
  2. Behçet病
  3. 関節リウマチ
  4. Sjögren症候群
  5. 全身性エリテマトーデス

解答:e

脱毛や凍瘡様皮疹に加え、発熱・蛋白尿・汎血球減少など全身症状を伴うことから全身性エリテマトーデスを考える→e

  • a. 皮膚筋炎:典型的な皮疹として上眼瞼のヘリオトロープ疹や手背のゴットロン丘疹/徴候がある。全身症状としてCK上昇がみられる
  • b. ベーチェット病:口腔内アフタが見られることはあるが、外陰部潰瘍やぶどう膜炎・結節性紅斑様皮疹などその他の皮膚病変がないことから否定的
  • c. 関節リウマチ:PIP関節優位の関節炎をきたすが、悪性関節リウマチでなければ他臓器症状は乏しい。脱毛も非典型的
  • d. シェーグレン症候群:皮膚では環状紅斑や下腿の紫斑が特徴。他臓器では唾液腺や涙腺など外分泌腺の乾燥症状をきたす
  • e. 全身性エリテマトーデス:皮膚症状では蝶形紅斑や脱毛が典型的だが、凍瘡様皮疹がみられる場合もある

SLEでは顔面の蝶形紅斑が最も典型的な皮疹だが、本例ではこれが見られない。凍瘡様皮疹が見られることを知っていれば迷わないが、知らない場合は脱毛や汎血球減少から解答に結びつけるのが現実的と思われる

117D6

117D6

抗リン脂質抗体症候群で正しいのはどれか。

  1. 血小板が増加する。
  2. 永続的な妊娠の禁止を要する。
  3. プロトロンビン時間が短縮する。
  4. 妊娠高血圧症候群の高リスクである。
  5. 副腎皮質ステロイドが第一選択薬である。

解答:d

  • a. 血栓形成により、どちらかというと血小板は減少する
  • b. 流産をきたしやすいが、妊娠禁忌というわけではない
  • c. APTTが延長し、PTは通常正常
  • d. 産科領域では流死産だけでなく、妊娠高血圧症候群を合併しやすい
  • e. 治療では血栓傾向に対する抗凝固療法(ヘパリン・ワルファリン)やアスピリンの投与を行う。基礎疾患としてSLEを合併する場合、ステロイドが用いられることもある

117D29

117D29

60歳の女性。労作時息切れを主訴に来院した。15年前から寒冷時に手指の蒼白化や腫脹を自覚していた。9か月前から両足部の冷感としびれ感が出現し、6か月前に右母趾尖に潰瘍が出現した。同じころから階段や坂道を昇る際の息切れを自覚するようになり、増悪したため受診した。既往歴に特記すべきことはない。喫煙歴と飲酒歴はない。内服薬はない。身長153cm、体重51kg。体温36.4℃。脈拍92/分、整。血圧124/92mmHg。呼吸数16/分。Sp02は測定不能。顔面や四肢に多発する斑状の毛細血管拡張を認める。両手指は腫脹し、顔面と両手指から手背に軽度の皮膚硬化を認める。両足趾部と足底にチアノーゼ、右母趾尖に潰瘍を認める。頸静脈の怒張を認めない。心音はⅡ音の亢進を認める。呼吸音に異常を認めない。腹部は平坦、軟で、肝・脾を触知しない。四肢に筋力低下を認めない。下腿に軽度の浮腫を認める。

血液所見:赤血球420万、Hb11.6g/dL、Ht39%、白血球5,500、血小板15万、PT-INR1.0(基準0.9〜1.1)、APTT29.2秒(基準対照32.2)、血漿フィブリノゲン270mg/dL(基準186〜355)、Dダイマー0.6μg/mL(基準1.0以下)。

血液生化学所見:ALT28U/L、AST32U/L、LD192U/L(基準120〜245)、CK59U/L(基準30〜140)、クレアチニン1.0mg/dL、尿酸5.8mg/dL、脳性ナトリウム利尿ペプチド266pg/mL(基準18.4以下)。CRP0.2mg/dL。

胸部エックス線写真(別冊No.7)を別に示す。

息切れの原因として考えられるのはどれか。

  1. 間質性肺炎
  2. 肺高血圧症
  3. 収縮性心膜炎
  4. 慢性閉塞性肺疾患
  5. 心アミロイドーシス

117D-29

解答:b

以前からのレイノー現象と、四肢末端部潰瘍、皮膚硬化から全身性強皮症を考える

聴診でのⅡ音亢進や胸部X線での左第2弓突出から肺高血圧が息切れの原因としては考えやすい→b

本例は進行が比較的緩徐で皮膚硬化が肘関節より遠位にとどまること、斑状の毛細血管拡張が目立つこと等から、強皮症の中でも限局皮膚硬化型(lcSSc)の可能性が高いと考えられる

全身性強皮症 限局皮膚硬化型(lcSSc)とびまん皮膚硬化型(dcSSc)

全身性強皮症の分類 びまん皮膚硬化型
(dcSSc)
限局皮膚硬化型
(lcSSc)
皮膚硬化範囲 肘より近位 肘より末梢のみ
病勢進行(皮膚・内臓) 比較的急速 緩徐なことが多い
Raynaud現象 皮膚硬化が先行 or ほぼ同時 Raynaud現象が先行
主要臓器病変 肺, 腎 肺高血圧症, 食道
陽性となりやすい抗核抗体
(自己抗体)
抗トポイソメラーゼⅠ抗体
(抗Scl-70抗体)
抗セントロメア抗体
抗RNAポリメラーゼⅢ抗体*

*悪性腫瘍腎クリーゼの合併が多く、また男性に多い

  • a. 間質性肺炎:膠原病では一般に多い合併症だが、呼吸音に異常がないため否定的
  • b. 肺高血圧症:強皮症のなかでも抗セントロメア抗体陽性例に多い合併症
  • c. 収縮性心膜炎:聴診での心膜ノック音(拡張早期過剰心音)や、身体所見では頸静脈怒張が特徴
  • d. 慢性閉塞性肺疾患(COPD):喫煙歴がないことやその他諸症状の説明がつかないことから否定的
  • e. 心アミロイドーシス:心不全や不整脈をきたす

117D40

117D40

13歳の男子。運動後の呼吸困難を主訴に救急車で搬入された。昨日、給食でうどんを食べた後、午後1限目の体育で持久走をしたところ、全身の蕁麻疹、気分不快、喘鳴および呼吸困難が出現したため救急搬送されて治療を受けた。1週間前にも同様のエピソードはあったが食事制限は行われていなかった。白血球6,700(好酸球5%)。IgE 740IU/mL(基準170以下)。プリックテスト:コムギ抗現液のみ強陽性。

この患者に対する指導として最も適切なのはどれか。

  1. 「運動をしてはいけません」
  2. 「小麦の完全除去が必要です」
  3. 「抗ヒスタミン薬を登校前に服用してください」
  4. 「アドレナリン自己注射製剤を携帯しましょう」
  5. 「運動前にβ2刺激薬を吸入すれば問題ありません」

解答:d

うどん(小麦)接種後の運動でアナフィラキシー症状をきたしており、プリックテストでも陽性なことから食物依存性運動誘発性アナフィラキシーと診断できる

同様のエピソードを繰り返しており、アドレナリン自己注射製剤(エピペン®)の携帯が妥当→d

食物依存性運動誘発性アナフィラキシー

特定の食物摂取+接種後の運動で誘発されるアナフィラキシー

原因食物としては小麦が最多

上記2つが揃わないと発症しないので、原因食物の完全除去や過剰な運動制限など不適切な指導により、患児のQOLを損なわないよう、注意する

頻回発症例や重症例には、アドレナリン自己注射薬を携帯させることが望ましい。

  • a・b. 過剰な運動制限や原因食物の完全除去は望ましくない
  • c .抗ヒスタミン薬内服で症状が軽くなる可能性があるとされるが、アナフィラキシーに到っている重症例の治療としては心もとない
  • d. 頻回に再発しておりかつ重症度が高いため、アドレナリン自己注射製剤の適応と考えられる
  • e. β2刺激薬は喘息の治療に用いるが、食物依存性運動誘発性アナフィラキシーの治療では用いない

関連問題

  • 116A25 (食物依存性運動誘発性アナフィラキシーの対応)

上記の問題では食物依存性運動誘発性アナフィラキシー疑いの患者ではどうするか?という設問で、プリックテストを行い確定診断するというのが解答だった

本年の出題はそこから一歩すすんで、治療に踏み込んだ問題となっている。過剰な制限が良くないというメッセージ性は本問と共通

117D41

117D41

28歳の女性。発熱を主訴に来院した。2週間前から咽頭痛と夕方になると39℃の発熱を認めるようになった。自宅近くの診療所で処方された抗菌薬を内服していたが、改善しないため紹介受診した。既往歴に特記すべきことはない。身長165cm、体重58kg。体温38.7℃。脈拍104/分、整。血圧98/68mmHg。眼瞼結膜と眼球結膜とに異常を認めない。頸部と腋窩とに軽度圧痛を伴う径1cmのリンパ節を複数触知する。心音と呼吸音とに異常を認めない。右肋骨弓下に肝を1cm触知する。四肢に多発する小紅斑を認める。小紅斑は、発熱時に出現し解熱後に消退するという。両側の手関節と膝関節に腫脹を認める。尿所見に異常を認めない。

赤沈46mm/1時間。血液所見:赤血球465万、Hb13.8g/dL、Ht41%、白血球18,100(好中球86%、好酸球1%、好塩基球1%、リンパ球12%)、血小板28万。

血液生化学所見:総蛋白6.7g/dL、アルブミン3.4g/dL、総ビリルビン0.6mg/dL、AST162U/L、ALT134U/L、LD330U/L(基準120〜245)、ALP88U/L(基準38〜113)、γ-GT32U/L(基準8〜50)、CK86U/L(基準30〜140)、尿素窒素14mg/dL、クレアチニン0.8mg/dL。

免疫血清学所見:CRP22mg/dL、抗核抗体陰性、リウマトイド因子<RF>陰性。

次に確認すべき検査値はどれか。

  1. 第ⅩⅢ因子
  2. HLA-B51
  3. フェリチン
  4. ハプトグロビン
  5. 血清アミロイドA

解答:c

周期性の発熱とそれに伴い出現/消退する皮疹(サーモンピンク疹)、肝障害や関節痛、自己抗体陰性から成人Still病を考える

検査値ではフェリチンが著増することが知られる→c

  • a. 第ⅩⅢ因子:IgA血管炎で低下が見られることがある
  • b. HLA-B51:ベーチェット病と関連が深いHLA。ベーチェット病では下腿に結節性紅斑様皮疹がみられる場合がある
  • c. フェリチン:成人Still病や血球貪食症候群、急速進行性間質性肺炎(抗MDA5抗体陽性皮膚筋炎に伴う)で著増することが知られる
  • d. ハプトグロビン:溶血性貧血において消耗性に低下がみられる
  • e. 血清アミロイドA:炎症に伴い出現する蛋白だが、疾患特異性が低いため現時点での測定意義は乏しい

117D59

117D59

87歳の女性。自宅で倒れているところを知人が発見し救急車で搬入された。認知機能低下と脱水症の診断で入院加療を開始した。入院4日目に右殿部から膝窩にかけて水疱を伴う皮疹(別冊No.23)が出現し、痛みを訴えている。意識レベルはJSCⅡ-10。身長158cm、体重41kg。

血液所見:赤血球288万、Hb7.1g/dL、Ht23%、白血球7,760(桿状核好中球2%、分葉核好中球84%、好酸球1%、好塩基球1%、単球3%、リンパ球9%)、血小板16万。

血液生化学所見:総蛋白4.5g/dL、アルブミン2.2g/dL、総コレステロール105mg/dL。

皮疹に対して投与すべきものはどれか。

  1. アシクロビル
  2. イトラコナゾール
  3. ST合剤
  4. ベンジルペニシリン
  5. メトロニダゾール

117D-59

解答:a

高齢者で右殿部に紅暈を伴う小水疱が集簇しており、疼痛を伴うことから帯状疱疹を考える

治療では抗ウイルス薬、アシクロビルが用いられる→a

  • a. アシクロビル:抗ウイルス薬で単純ヘルペスや帯状疱疹に用いられる
  • b. イトラコナゾール:抗真菌薬で、深在性真菌症や白癬治療に用いられる
  • c. ST合剤:ニューモシスチス肺炎の治療/予防に用いられる
  • d. ベンジルペニシリン:ペニシリンの一種で、皮膚科領域では近年梅毒に用いられるようになった。これまでの治療法(アンピシリン)は4週間内服が必要だったが、1回筋注で治療が終了するため治療コンプライアンスが高い
  • e. メトロニダゾール:CD腸炎の治療に用いられる。皮膚科領域では外用薬として、酒さやがん性皮膚潰瘍に対して用いられる(ロゼックス®ゲル)

117D71

117D71

8歳の男児。足首の痛みと足背の皮疹とを主訴に両親に連れられて来院した。3日前から足背と下腿に皮疹が出現し、昨日から腹痛と足関節痛を訴えている。体温36.5℃。脈拍76/分、整。血圧90/54mmHg。両側の足背に皮疹を認める。眼球結膜に異常を認めない。咽頭発赤なし。頸部リンパ節を触知しない。心音と呼吸音とに異常を認めない。腹部は平坦、軟で、臍周囲に軽度圧痛を認める。右足の皮膚所見(別冊No.30)を別に示す。

この疾患で最も考えられるのはどれか。

  1. 川崎病
  2. 血友病
  3. IgA血管炎
  4. 若年性特発性関節炎
  5. 血栓性微小血管障害症

117D-71

解答:c

足首〜下腿にかけて紫斑がみられ、関節痛・腹痛の臓器障害を伴っていることからIgA血管炎を考える→c

  • a. 川崎病:眼球結膜充血や頸部リンパ節腫脹などの症状が見られる
  • b. 血友病:関節痛(関節内出血)や紫斑をきたすが、急性経過の疾患ではない
  • c. IgA血管炎:溶連菌感染後などに下肢の紫斑をきたす。臓器症状としては関節痛や腹痛がある
  • d. 若年性特発性関節炎:関節痛をきたすが、急性経過の疾患ではない
  • e. 血栓性微小血管障害症(TMA):溶血性尿毒素症候群(HUS)などを含んだ概念。血小板減少による紫斑をきたすが、腎障害や神経症状を伴う

117E13

117E13

疾患と特徴的な症候との組合せで誤っているのはどれか。

  1. 関節リウマチ - 中足趾節関節の腫脹
  2. 乾癬性関節炎 - 遠位指節間関節の腫脹
  3. 強直性脊椎炎 - 安静により改善する腰背部痛
  4. Sjögren症候群 - 舌乳頭の萎縮
  5. 皮膚筋炎 - 頸部における屈筋優位の筋力低下

解答:c

強直性脊椎炎では"運動により改善する"腰背部痛が特徴。通常の腰痛は安静で改善するため対比的

  • a. 関節リウマチ:手指では近位指節間関節(PIP)の腫脹が、足では中足趾節(MTP)関節の腫脹がみられる
  • b. 乾癬性関節炎:関節リウマチと異なり、遠位指節間(DIP)関節の腫脹が特徴
  • c. 強直性脊椎炎:運動で改善する腰背部痛が特徴
  • d. Sjögren症候群:ドライアイ・ドライマウスをきたし、舌乳頭は萎縮する
  • e. 皮膚筋炎:頸部屈筋や四肢近位筋の筋力低下が特徴

117E18

117E18

アナフィラキシーにおけるアドレナリン投与について適切なのはどれか。

  1. 皮下に投与する。
  2. 妊婦には使用しない。
  3. 自己注射が認められている。
  4. 不整脈がある場合は使用しない。
  5. ショックになってから投与する。

解答:c

アナフィラキシーにおけるアドレナリンは自己注射が可能→c

一定の条件を満たせば、教職員(学校の先生)や救急救命士でも注射可能

  • a. 投与部位:大腿外側への筋注を行う。皮下投与では吸収が遅いため
  • b. 妊婦、妊娠している可能性のある女性又は産婦には投与しないことが望ましい。
  • c. あらかじめ処方しておき、アナフィラキシー症状出現時に自己注射を行うことができる
  • d. 不整脈:β刺激作用により不整脈が悪化する恐れがあるため慎重投与。ただアナフィラキシーがあればその治療を優先すべきと考えられる
  • e. 初期症状が発現し、ショック症状が発現する前の時点での投与が望ましい

添付文書をそのまま解釈すると、「妊婦には使用しないことが望ましい」となる(→選択肢bは微妙)。ただ投与禁忌ではなく、選択肢cと比較すると相対的に間違い選択肢と考えられる

117E31

117E31

47歳の男性。腰部の皮疹を主訴に来院した。3日前から腹部に痛みを伴う皮疹を自覚し、改善しないため受診した。体温36.8℃。腹部から背部に皮疹が散在しており自発痛を認め、帯状疱疹と診断した。皮疹の分布図(別冊No.5)を別に示す。

罹患した神経支配領域として正しいのはどれか。

  1. 第8胸髄
  2. 第10胸髄
  3. 第12胸髄
  4. 第2腰椎
  5. 第4腰椎

117E-31

解答:b

臍部に皮疹がみられ、Th10領域に該当する→b

その他Th4が乳頭部、Th7が剣状突起に該当する

  • b. Th10:臍部
  • d. L2:大腿前面
  • e. L4:大腿後面, 腰椎ヘルニアで症状が出現しやすい部位

117F26

117F26

デルマドロームではないのはどれか。

  1. Sweet病
  2. 皮膚筋炎
  3. 黒色表皮腫
  4. 日光角化症
  5. 壊疽性膿皮症

解答:d

デルマドローム = 何らかの基礎疾患に伴って皮膚症状が出現するもの

  • a. Sweet病:白血病や骨髄異形成症候群(MDS)のデルマドローム
  • b. 皮膚筋炎:特に抗TIF1-γ抗体陽性例では悪性腫瘍を合併しやすい※
  • c. 黒色表皮腫:悪性腫瘍(とくに胃癌)のデルマドローム。糖尿病や肥満に合併することもある
  • d. 日光角化症:紫外線曝露が原因となり、高齢者の露光部に好発する有棘細胞癌の前癌病変。デルマドロームではない
  • e. 壊疽性膿皮症:潰瘍性大腸炎やMDS、関節リウマチなどを合併する

※皮膚筋炎の自己抗体と関連症状については下記参照

Dermatomyositis-antibody
皮膚筋炎 自己抗体と臨床症状 まとめ

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関連問題

  • 113F53 (TIF1γ抗体陽性皮膚筋炎の合併症:悪性腫瘍)
  • 110G58 (壊疽性膿皮症の基礎疾患:潰瘍性大腸炎, MDS)
  • 101B62 (悪性腫瘍を合併しやすい:皮膚筋炎, Sweet病)

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