皮膚科 皮膚科専門医試験対策

平成26(2014)年度 皮膚科専門医試験 過去問 解答解説 選択問題1〜25

2022年10月9日

2014-specialist-1

日本皮膚科学会 皮膚科専門医試験 平成26(2014)年度解答解説を作成しました

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平成26年度(2014年度) 皮膚科専門医試験 過去問 解答解説 選択問題 1〜25

選択問題1:解答 5

選択問題1

次の文中のA、Bに入る語句の組み合わせで正しいのはどれか。

「男性型脱毛症とは、毛周期を繰り返す過程で(A)期が短くなり、(B)期にとどまる毛包が多くなることを病態基盤とする」

  1. (A) telogen (B) catagen
  2. (A) telogen (B) anagen
  3. (A) catagen (B) telogen
  4. (A) anagen (B) catagen
  5. (A) anagen (B) telogen

男性型脱毛症(AGA)は成長期(anagen)が短くなり、休止期(telogen)にとどまる毛包が多くなることが原因

毛周期と男性型脱毛症(AGA)

毛の成長は3つの期に分かれ、新しく生える毛と抜け落ちる毛が存在しヘアサイクルが形成される

  • 成長期(anagen):数年 (85%)
  • 退行期(catagen):2週間 (1〜2%)
  • 休止期(telogen):3〜4ヶ月 (15%)

前頭部や頭頂部に存在する毛包の毛乳頭細胞は男性ホルモン(とくにDHT*)の影響で成長期が短縮し休止期が延長する

これにより短く細い毛となり(毛包のミニチュア化)、男性型脱毛症を生じる

→治療に5α-還元酵素阻害薬(フィナステリド・デュタステリド)が使用される

*DHT(ジヒドロテストステロン):テストステロンが5α-還元酵素の代謝を受け産生

医療脱毛などで複数回の施術が必要なのも、レーザーが成長期の毛にしか効果を発揮しないことが理由

関連問題(AGA)

選択問題2:解答 1

選択問題2

紫外線発癌における特徴的な塩基置換はどれか。

  1. C → T
  2. G → T
  3. C → G
  4. T → C
  5. T → G

紫外線発癌ではC→Tの塩基置換が生じやすい→1

「隣り合ったピリミジン塩基*のCのどちらかまたは両方がTに変異する」変異は紫外線による特有の変異パターン(UV signature mutation)

皮膚がんや口唇がんの多くは紫外線暴露が関連し、この変異が高率にみられる

*ピリミジン塩基:C(シトシン)とT(チミン)↔対義語はプリン塩基:A(アデニン)とG(グアニン)

選択問題3:解答 4

選択問題3

地上に届く太陽光線の説明で正しいのはどれか。

  1. UVBは皮膚の深さ2mmまで到達する。
  2. UVAの多くは、オゾン層で遮蔽される。
  3. UVAは太陽光線エネルギーのおよそ50%を占める。
  4. UVBはDNA損傷の主な紫外線である。
  5. サンバーンとサンタンでは、前者が遅く起こる。

DNA損傷の主な原因となるのはUVB→4

このためUVBは日光黒子や脂漏性角化症をきたす

一方UVAや可視光線は光線過敏症に関与する

UVA・UVB・UVCの比較

紫外線の種類 波長(nm) 影響部位 症状・疾患
UVA 320〜400 真皮深層 サンタン

日光弾力線維症

UVB 290〜320 表皮〜真皮浅層 サンバーン

悪性黒子

UVC 100〜280 オゾン層でブロックされ届かない
  • 1. UVBは(UVAと比較して浅い)表皮〜真皮浅層に影響する。一般的な表皮の厚さは約0.2mmのため、2mmは達しすぎ
  • 2. "UVC"の多くはオゾン層で吸収され、地表に達しない。UVAは深部まで到達し、真皮に影響を及ぼす
  • 3. 太陽光線エネルギーのうちUVAは6.3%。赤外線は54.3%で半分を占める。その他UVB(0.5%)・可視光線(38.9%)
  • 4. 細胞のDNA障害は主にUVBが原因となり、C>T変異が特徴
  • 5. サンバーン(赤くなる日焼け)はサンタン(黒くなる日焼け)より先に生じる。サンバーンは暴露後12〜24時間、サンタンは数日後
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p1・273

関連問題

選択問題4:解答 4

選択問題4

角層セラミドの説明で誤っているのはどれか。

  1. 層板顆粒内に蓄積される。
  2. 皮膚バリア機能を担う。
  3. 角層の水分保持能を担う。
  4. アトピー性皮膚炎では発現が増加している。
  5. 乾癬では発現が低下している。

アトピー性皮膚炎では角層セラミドの発現が低下し、皮膚が乾燥しやすい→4

セラミドは角層(角質)細胞間脂質の主成分(50%)で、その他コレステロール(30%)や遊離脂肪酸がある

  • 1. セラミドは層板顆粒内に蓄積される。この分泌に関わる酵素がABCA12であり、遺伝子変異で道化師様魚鱗癬を発症する
  • 2・3. 皮膚バリア機能や水分保持を担う(油により水分の蒸発を防ぐ)
  • 4. アトピー性皮膚炎ではセラミド含有量低下がみられ、ドライスキンや皮膚バリア機能障害と関連すると考えられている
  • 5. 乾癬でもセラミドの発現が低下していることが示されている

関連問題

選択問題5:解答 5

選択問題5

内臓・血液悪性腫瘍のデルマドロームではない疾患はどれか。

  1. Sweet病
  2. Bazex症候群
  3. 丘疹紅皮症(太藤)
  4. 多中心性細網組織球症
  5. 鱗状毛包性角皮症(土肥)

鱗状毛包性角皮症(土肥)は後天性角化症だが、合併疾患はない→5

分布は類似するが1つ1つの皮疹がやや大型(1〜数cm)なのが連圏状粃糠疹(遠山)で、こちらは内臓悪性腫瘍の合併例がある

後天性角化症 鱗状毛包性角皮症(土肥) 連圏状粃糠疹(遠山)
分布 腰部・腹部・殿部 腰部・腹部・殿部
皮疹 直径3mm〜1cm大
角化性局面
直径1〜数cm大
毛孔一致性の角化
デルマドローム - 悪性腫瘍(肝癌)や栄養不良など
  • 1. Sweet病:感冒症状後に発熱+有痛性の浮腫性紅斑をきたし、組織学的に好中球浸潤がみられる。MDS*や内臓悪性腫瘍を合併
  • 2. Bazex症候群(腫瘍随伴性先端角化症):消化器などの扁平上皮癌に合併する角化症で、四肢末端や耳・鼻に乾癬様の紅色局面をきたす
  • 3. 丘疹紅皮症(太藤):多発丘疹が融合して紅皮症をきたすが、腹部など皺の部分を避ける分布(deck-chair sign)を示す。時に内臓悪性腫瘍や悪性リンパ腫を合併する
  • 4. 多中心性細網組織球症関節リウマチ様の多関節炎を伴う、組織球増殖疾患。15〜30%で悪性腫瘍、30%に高脂血症、5〜15%に自己免疫性疾患を合併する
  • 5. 鱗状毛包性角化症(土肥):腹部・臀部に3mm〜1cmまでの毛孔一致した黒点が症じ、鱗屑を伴う。デルマドロームはない

*MDS:骨髄異形成症候群

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p299(2・5)/143(1)/149(3)/437(4)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p366(5)/201(1)/377(2)/209(3)/694(4)
    ※第10版では選択肢4のデルマドローム比率記載があったが11版で削除されている

関連:2013 選択61 (Laser-Trélat徴候), 2012 選択12 (鱗状毛包性角化症(土肥)の臨床問題)

選択問題6:解答 4

選択問題6

62歳の男性。幼少時より図1aに示す皮疹を認めている。初診時検査で、AST 85IU/L、ALT 79IU/L、γ-GTP 497IU/L、total cholesterol 91mg/dL、triglyceride 462mg/dL、末梢血液スメアで図1bの所見あり。最も考えられる診断はどれか。

  1. Netherton syndrome
  2. Sjögren-Larsson syndrome
  3. KID syndrome
  4. Dorfman-Chanarin syndrome
  5. Rud syndrome

図1aでは魚鱗癬様の皮膚乾燥・亀裂がみられ、図1bでは白血球の脂肪滴沈着を認める

肝逸脱酵素上昇もみられ、Dorfman-Chanarin症候群の診断→4

Dorfman-Chanarin症候群

魚鱗癬症候群の一つ(常染色体劣性遺伝形式)

ABHD5遺伝子変異により、中性脂肪が細胞質内に蓄積し脂肪滴を形成する

→様々な臓器の障害

  • 皮膚(魚鱗癬様紅皮症)
  • 肝障害
  • 難聴・白内障・眼振

検査:白血球内の脂肪滴沈着が特徴

*AD:常染色体劣性遺伝疾患, AR:常染色体劣性遺伝疾患

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p275(1・2・3・4)/276(5)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p351(3・4)/349(1・2・5)

関連問題

選択問題7:解答 1

選択問題7

48歳の男性。20歳の頃より出現した皮疹(図2a)と組織HE染色像(図2b)を示す。この疾患で、変異がみられる遺伝子はどれか。

  1. ATP2A2
  2. KRT9
  3. GJB3
  4. KRT10
  5. ATP2C1

図2aでは角化性丘疹が融合しており、図2bでは絨毛形成や異常角化細胞がみられる

Darier病の診断で、ATP2A2遺伝子変異が原因となる→1

Darier病

遺伝性角化症の一つで、遺伝性だが思春期以降に発症する

  • 原因:カルシウムポンプをコードするATP2A2遺伝子変異で発症
  • 症状:間擦部を中心に角化性丘疹をきたし、融合して局面を形成する
  • 組織:異常角化や棘融解、絨毛形成がみられる

同じくカルシウムポンプをコードするATP2C1遺伝子変異でHailey-Hailey病(家族性良性慢性天疱瘡)を発症(こちらも思春期以降)

  • 1. ATP2A2:Darier病の原因。角化性丘疹と組織での異常角化細胞が特徴
  • 2. KRT9:Vörner型掌蹠角化症の原因。組織学的に顆粒変性を伴う掌蹠角化症が特徴
  • 3. GJB3:変動性紅斑角皮症の原因。幼児の顔面・体幹・四肢で境界明瞭な対称性角化紅斑が多発・融合し出現と消退を繰り返す
  • 4. KRT10表皮融解性魚鱗癬の原因。乳幼児期から刺激部位の水疱形成を繰り返すが、成長に伴い過角化中心となる。組織学的に顆粒変性が特徴
  • 5. ATP2C1:Hailey-Hailey病の原因。組織学的に裂隙形成や絨毛形成がみられるが、Darier病と比較し角化に乏しい

本選択肢の疾患はいずれも常染色体劣性遺伝形式

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p279(1)/277(2)/280(3)/273(4)/246(5)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p356(1)/353(2)/363(3)/345(4)/359(5)

関連問題(Darier病)

選択問題8:解答 5

選択問題8

19歳の女性。幼少時より歯周病があり、図3aのように歯牙の脱落がみられる。また、図3bのように掌蹠に角化病変を伴っている。体幹と四肢の皮膚では、せつが多発して瘢痕を形成している。この疾患で、変異がみられる遺伝子はどれか。

  1. コネキシン26
  2. KRT10
  3. ロリクリン
  4. GJB3
  5. カテプシンC

歯牙脱落や皮膚の易感染性を伴う掌蹠角化症であり、Papillon-Lefèvre症候群の診断

原因となるのはカテプシンC(CTSC)遺伝子→5

Papillon-Lefèvre症候群

歯肉炎を伴う掌蹠角化症で、カテプシンCの遺伝子異常が原因(常染色体劣性遺伝疾患)

  • 皮疹は乳幼児期からの掌蹠角化症で、潮紅を伴う(Meleda病様)
  • 歯肉炎→歯牙脱落

その他皮膚の易感染性や白血球貪食能低下等を合併する

  • 1. コネキシン26(GJB2):KID症候群の原因遺伝子(AD)。魚鱗癬様紅皮症(Ichthyosis)に角膜炎(Keratitis)と感音性難聴(Deafness)を伴う
  • 2. KRT10表皮融解性魚鱗癬の原因(AD)。乳幼児期から刺激部位の水疱形成を繰り返すが、成長に伴い過角化中心となる。組織学的に顆粒変性が特徴
  • 3. ロリクリン:ロリクリン角皮症や進行性対側性紅斑角皮症の原因(AD)
  • 4. GJB3:変動性紅斑角皮症の原因(AD)。幼児の顔面・体幹・四肢で境界明瞭な対称性角化紅斑が多発・融合し出現と消退を繰り返す
  • 5. カテプシンC:Papillon-Lefèvre症候群の原因遺伝子(AR)

*AD:常染色体優性遺伝疾患, AR:常染色体劣性遺伝疾患

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p279(5)/275(1)/273(2)/274(3)/280(3・4)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p355(5)/351(1)/332(2)/354(3)/363(3・4)

選択問題9:解答 1

選択問題9

23歳の女性。出生時より全身にびまん性の潮紅と角化があり、時に水疱とびらんを生じる。臨床像(図4a)と、病理組織HE染色像(図4b)を示す。この疾患で、変異がみられる遺伝子はどれか。

  1. KRT2
  2. KRT5
  3. KRT9
  4. KRT10
  5. KRT16

出生時より全身に過角化・水疱形成をきたしており、図4bでは組織学的に顆粒変性を認める

表在性表皮融解性魚鱗癬の診断で、KRT2e遺伝子変異が原因→1

顆粒変性

表皮の顆粒層〜有棘層にかけて、大型のケラトヒアリン顆粒をもつ空胞化細胞が出現する状態

ケラチンの先天的異常をきたす疾患でみられ、魚鱗癬2つは診断基準でも参考症状に含まれている

原因遺伝子 疾患
ケラチン9 Vörner型掌蹠角化症
ケラチン1/10 表皮融解性魚鱗癬
(水疱型先天性魚鱗癬様紅皮症)
ケラチン2e* 表在性表皮融解性魚鱗癬
(Siemens型水疱性魚鱗癬)
ケラチン1/10
※体細胞モザイク
疣贅状表皮母斑

*顆粒層で発現するため、顆粒変性も有棘層上層〜顆粒層に限局的

  • 1. KRT2:表在性表皮融解性魚鱗癬の原因。顆粒層に分布するため、顆粒変性が表皮浅層に限局する
  • 2. KRT5:単純型先天性表皮水疱症の原因。外力を受ける部位中心に水疱を形成する
  • 3. KRT9Vörner型掌蹠角化症の原因。顆粒変性(+)だが皮疹は掌蹠に限局する
  • 4. KRT10表皮融解性魚鱗癬の原因。1より臨床症状が強く、顆粒変性は有棘層中層〜顆粒層にかけてみられる。KRT10遺伝子変異の場合、掌蹠角化は乏しい
  • 5. KRT16:先天性爪甲肥厚症の原因。掌蹠のみで過角化をきたす
  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p273(1・4)/239(2)/277(3)/374(5)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p345(1・4)/327(2)/353(3)/355・781(5)

本問では表皮融解性魚鱗癬(KRT1/KRT10遺伝子変異が原因)も鑑別に挙がるが、掌蹠角化症が強く見られるのはKRT1遺伝子変異が原因となる。KRT10では掌蹠角化が乏しいため、掌蹠角化を伴う本例は、KRT2遺伝子変異が原因の表在性表皮融解性魚鱗癬と考えた

関連問題(顆粒変性)

選択問題10:解答 5

選択問題10

汎発性膿疱性乾癬で変異を認める遺伝子はどれか。

  1. Vitamin D3 受容体遺伝子
  2. Thyroglobulin 遺伝子
  3. Corticosteroid 受容体遺伝子
  4. IL-25 receptor α 遺伝子
  5. IL-36 receptor antagonist 遺伝子

汎発性膿疱性乾癬の原因にIL-36RN遺伝子変異がある→5

汎発性膿疱性乾癬と関連する主な遺伝子は下記2つ

  • IL-36RN:尋常性乾癬の先行しない病型
  • CARD14:尋常性乾癬に続発する病型

※IL36RN欠損=DITRA(deficiency of interleukin-36 receptor antagonist)

DITRAの代表例は汎発性膿疱性乾癬だが、疱疹状膿痂疹(妊娠により発症する膿疱性乾癬の病型)や急性汎発性発疹性膿疱症(AGEP, 薬剤により誘発される病型)にもDITRAの例がある

なお抗IL-36受容体抗体製剤であるスペソリマブ(スペビゴ®)が2022/9に製造販売承認を取得した(適用は「膿疱性乾癬における急性症状の改善」)

CARD14遺伝子は毛孔性紅色粃糠疹(Ⅴ型)とも関連する

関連問題

選択問題11:解答 1, 2

選択問題11

乾癬の内服療法に用いられている薬剤の標的分子はどれか。2つ選べ。

  1. カルシニューリン
  2. レチノイン酸受容体/レチノイドX受容体
  3. ビタミンD3受容体
  4. IL12/IL23p40
  5. TNF-α
  • 1. カルシニューリン阻害薬:シクロスポリン(ネオーラル®), T細胞抑制作用を持つ
  • 2. レチノイン酸受容体/レチノイドX受容体※:エトレチナート(チガソン®), ビタミンAの誘導体
  • 3. ビタミンD3受容体:外用薬。マキサカルシトール(オキサロール®)やカルシポトリオール(ドボネックス®)など
  • 4. IL12/IL23p40:皮下注製剤ウステキヌマブ(ステラーラ®)
  • 5. TNF-α:皮下注製剤アダリムマブ(ヒュミラ®)/セルトリズマブ ペゴル(シムジア®)や点滴製剤インフリキシマブ(レミケード®)

※レチノイドの一種、ベキサロテン(タルグレチン®)は皮膚T細胞リンパ腫に用いられる

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p102(2)/95(3)/101(4・5)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p120(1・2)/123(3)/122(4・5)

選択問題12:解答 1, 2, 5

選択問題12

乾癬治療の全身療法の一般的導入基準として利用されている"the rule of 10s"の指標はどれか。3つ選べ。

  1. BSA
  2. PASI
  3. EASI
  4. PDAI
  5. DLQI

the rule of 10sの指標はBSA・PASI・DLQIの3つ→1, 2, 5

これら指標のスコア10点以上は重症に該当し、全身療法の導入目安とされる

  • 1. BSA(Body Surface Area 罹患体表面積):体表全体に対する皮疹の面積
  • 2. PASI(Psoriasis Area and Severity Index):全身を4領域に分け、紅斑・浸潤・落屑・面積でスコア化
  • 3. EASI(Eczema Area and Severity Index):アトピー性皮膚炎等の評価に用いられ、全身を4箇所にわけて、紅斑・浮腫・掻破痕・苔癬化・皮疹面積でスコア化
  • 4. PDAI(Pemphigus Disease Area Index):天疱瘡の重症度評価に用いられ、全身を25箇所に分けて、びらん/水疱と紅斑でスコア化
  • 5. DLQI(Dermatology Life Quality index):最近1週間の皮膚症状がQOLに及ぼす影響をスコア化

関連問題

選択問題13:解答 2, 4

選択問題13

高齢者の乾癬の治療で生物学的製剤を使用している患者に接種してよいワクチンはどれか。2つ選べ。

  1. 風疹ワクチン
  2. 肺炎球菌ワクチン
  3. 麻疹ワクチン
  4. インフルエンザワクチン
  5. 水痘ワクチン

生物学的製剤使用中も接種可能な不活化ワクチンは肺炎球菌およびインフルエンザ→2, 4

ワクチン(予防接種)の種類と分類

主なワクチン 定期接種 任意接種
生ワクチン
  • BCG
  • MR(麻疹・風疹)
  • 水痘
  • ロタ
  • ムンプス(おたふくかぜ)
  • 黄熱
不活化ワクチン
  • B型肝炎
  • Hib(インフルエンザ菌b型)
  • 肺炎球菌
  • DPT-IPV(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)
  • 日本脳炎
  • HPV
  • インフルエンザ
  • 髄膜炎菌
  • A型肝炎
  • 狂犬病

なお帯状疱疹ワクチンは水痘ワクチンと同じ生ワクチン(ビケン)と不活化ワクチン(シングリックス®)の2種類がある

関連問題

選択問題14:解答 4

選択問題14

キメラ化製剤はどれか。

  1. Adalimumab
  2. Ustekinumab
  3. Tocilizumab
  4. Infliximab
  5. Ibritumomab

インフリキシマブ(レミケード®)のみキメラ化製剤→4

抗体製剤 命名規則

モノクローナル抗体製剤は、抗体の由来となる動物種によって命名規則が決まっている

末尾 起源
〜omab マウス抗体 イブリツモマブ
〜ximab キメラ抗体
(定常領域はヒト, 可変領域はマウス)
インフリキシマブ
(レミケード®)
セツキシマブ
(アービタックス®)
〜zumab ヒト化抗体
(可変領域の一部のみマウス)
イキセキズマブ
(トルツ®)
〜umab 完全ヒト抗体
(マウス成分なし)
アダリムマブ
(ヒュミラ®)

※全てに共通するmabはモノクローナル抗体(monoclonal antibody)の略

2014-Monoclonalantibody

参考文献より引用, 赤がマウスで青がヒト。左へ行くほどヒト由来の成分が少ない

なお末尾の前につく部分は対象を意味する(例Lは免疫系→Nivo"l"umab=オプジーボ®など)

マウス成分はヒトにとって異物となり、下記の様な現象が生じやすい

  • infusion reaction (注射時反応)
  • 抗薬物抗体 (→継続投与で徐々に有効性が低下する二次無効の原因)

例えばキメラ製剤セツキシマブはα-Gal感作(マダニ刺咬症)でアナフィラキシーショックを起こしやすいことが知られている

  • 1. アダリムマブ(ヒュミラ®):完全ヒト*, TNF-α。乾癬の他、壊疽性膿皮症や化膿性汗腺炎にも用いられる
  • 2. ウステキヌマブ(ステラーラ®):完全ヒト, IL-12/23p40。乾癬および炎症性腸疾患に用いる
  • 3. トシリズマブ(アクテムラ®):ヒト化, IL-6。関節リウマチに用いる
  • 4. インフリキシマブ(レミケード®):キメラ型, TNF-α。乾癬や関節リウマチ、Crohn病に用いる
  • 5. イブリツモマブチウキセタン(ゼヴァリン®):マウス抗体, CD20+RI標識。難治性CD20陽性リンパ腫に用いる

*ヒュミラ(HUMIRA)のHUMはヒト(Human)に由来している(インタビューフォームより)と知っておくと間違いづらい

関連問題

選択問題15:解答 5

選択問題15

45歳の尋常性乾癬の男性。体重80kg。クレアチニン1.5mg/dL。LDL-コレステロール175mg/dL、肝機能は正常。規定通りにレミケード®の治療を行い、27週まで治療を終了した。

これまで総計何バイアルのレミケードを投与しているか。

  1. 14バイアル
  2. 15バイアル
  3. 16バイアル
  4. 18バイアル
  5. 20バイアル

インフリキシマブ(レミケード®)の1回あたりの投与量は5mg/kg→本患者では400mg(4バイアル)

投与スケジュールは初回(0週)、2週/6週/14週/22週…(以降8週間隔)のため、27週までに5回投与となる

よって4 × 5 = 20バイアル投与済み→5

乾癬 生物学的製剤 投与量・スケジュール

乾癬の生物学的製剤について、投与量とスケジュールは下記の通り(2022年時点 11種類)

2014-PSO-Biologics

クリックで拡大

薬剤ごとに異なるが、大まかに下記のような傾向がある

  • インフリキシマブのみ体重換算の投与量(→肥満患者に適すると考えられる)
  • IL-17製剤は初期ローディングの投与回数が多い(セクキヌマブが顕著)
  • IL-23製剤はいずれも投与間隔が長め(グセルクマブ以外12W間隔)

関連問題(乾癬の生物学的製剤)

選択問題16:解答 3, 4

選択問題16

ヘルペス属のウイルスが検出される疾患はどれか。2つ選べ。

  1. 伝染性軟属腫
  2. 青年性扁平疣贅
  3. 伝染性単核症
  4. 巨細胞封入体症
  5. メルケル細胞癌

ヘルペス属ウイルスと関連するのは伝染性単核症および巨細胞封入体症→3, 4

ヒトヘルペスウイルス(HHV)と皮膚疾患

公式名称 略称 皮膚疾患
HHV1 HSV-1 単純膨疹(とくに口唇)
カポジ水痘様発疹症
HHV2 HSV-2 単純膨疹(とくに性器)
HHV3 VZV 水痘
帯状疱疹
HHV4 EBV 伝染性単核球症
慢性活動性EBウイルス感染症
(蚊刺過敏症, 種痘様水疱症)
Gianotti-Crosti症候群
節外性NK/T細胞リンパ腫
口腔毛状白板症
HHV5 CMV 伝染性単核球症
薬剤性過敏症症候群(DIHS)
※HHV-6より遅れて再活性化
巨細胞封入体症
HHV6 HHV-6 突発性発疹
DIHS
HHV7 HHV-7 突発性発疹
Gibertばら色粃糠疹
HHV8 HHV-8 カポジ肉腫
  • 1. 伝染性軟属腫:ポックスウイルス科に属する伝染性軟属腫ウイルスが原因
  • 2. 青年性扁平疣贅:HPV*-3/10が原因。顔面や手背に好発し、しばしば自然消退する
  • 3. 伝染性単核症:ヘルペスウイルスの一種、HHV-4(EBウイルス)やHHV-5(CMV)が原因
  • 4. 巨細胞封入体症:先天性CMV感染症(TORCH症候群の一つ)の典型例はこのように呼ばれる。フクロウの目と呼ばれる感染細胞が特徴
  • 5. メルケル細胞癌:ポリオーマウイルスの一つ、メルケル細胞ポリオーマウイルス(MCPyV)が原因。CK20が核近傍で点状に陽性となることが特徴

*HPV = ヒトパピローマウイルス, CMV = サイトメガロウイルス

関連問題

  • 2018 選択22 / 2012 選択19 (疾患と原因ヘルペスウイルス)
  • 2020 選択28 / 2013 選択24 (疾患と原因HPVウイルス)
  • 2015 選択20 / 2010 選択66 (扁平疣贅の原因ウイルス:HPV-3)

選択問題17:解答 3, 4

選択問題17

ウイルス抗原に対する反応を診断に用いている検査はどれか。2つ選べ。

  1. PCR法
  2. in situ hybridization法
  3. C7-HRP法
  4. 蛍光抗体法
  5. LAMP法

ウイルス抗原に対する反応を利用するのはC7-HRP法および蛍光抗体法→3, 4

  • 1. PCR:病変部皮膚(や唾液など)から抽出したDNAを増幅して検出する検査法。培養と比較し迅速なため、結核の検査等で用いる
  • 2. in situ hybridization:特定遺伝子に反応するプローブを用い、組織での発現(in situ)を調べる検査。EBV感染症の診断に用いるEBERなど
  • 3. C7-HRP(pp65):末梢血多核白血球中をpp65抗原に対するモノクローナル抗体で染色する方法。pp65抗原はCMV感染早期から出現し、症状発症より早く陽性になる
  • 4. 蛍光抗体:塗沫標本でウイルス特異的抗体を用いてウイルス抗原を証明する方法→抗原抗体反応を利用している
  • 5. LAMP:PCRと同様に抽出DNAを用い、目的遺伝子を増幅させ検出する方法。PCRより感度は劣るが必要時間が短い

*CMV=サイトメガロウイルス, EBV=EBウイルス

PCR法とLAMP法は類似しているが、増幅反応を行う温度に違いがある

  • PCR法:温度を変化させ(通常95℃→55℃→72℃)反応を行う
  • LAMP法:等温(60〜65℃)で反応を行う

選択問題18:解答 3

選択問題18

癜風の原因菌で最も多いのはどれか。

  1. M. dermatis
  2. M. furfur
  3. M. globosa
  4. M. japonica
  5. M. obtuse

癜風の原因菌として最多なのはM. globosa→3

以前は癜風・脂漏性皮膚炎でみられる真菌はまとめてM. furfurと呼ばれていたが、再分類により複数菌種に分けられ、現在は下記のようになった

  • 癜風:M. globosa
  • 脂漏性皮膚炎:M. restricta

なおアトピー性皮膚炎では上記2菌種いずれも検出される

  • 1・4・5. M. dermatis / japonica / obtusa※:ヒト常在真菌のひとつ
  • 2. M.furfur:かつて脂漏性皮膚炎や癜風でみられる真菌はこう呼ばれていたが、再分類により現在はアトピー性皮膚炎の一部で検出されるのみ
  • 3. M. globosa:癜風で検出される真菌。アトピー性皮膚炎病変部でも検出される

※設問中ではM. obtuseとなっているがM. obtusaのミススペルと思われる

関連2016 選択22 (アトピー性皮膚炎で多い真菌:M. globosa, M. restricta)

選択問題19:解答 3

選択問題19

75歳の女性。2ヵ月前に右下眼瞼に紅色小結節が出現し、潰瘍化した。病理組織所見で、真皮に微小膿瘍を伴う肉芽腫を認めた。巨大培地とスライドカルチャーの所見(図5a, b)を示す。この症例に関する記述として誤っているのはどれか。

  1. KOH直接鏡検で菌体は検出できなかった。
  2. 真菌の培養は27℃で施行した。
  3. Wood灯検査ではピンク色の蛍光を認めた。
  4. ヨウ化カリウムが著効した。
  5. リンパ行性に進行する病型がある。

下眼瞼の難治性潰瘍であり、培地では黒色のコロニー形成がみられ、スライドカルチャーでは花弁状の胞子を伴う菌糸がみられる

上記よりスポロトリコーシスの診断。Wood灯は利用しない→4

スポロトリコーシス

土壌に存在するSporothrix globosa (旧称S. schenckii)が原因の真菌症

S. globosaは菌糸および酵母の両形態をとる二相性真菌の一つ

臨床像としては、手背などの傷から侵入し進展するとリンパ行性に近位側へ飛び石状病変を生じるリンパ管型病変が特徴

その他眼瞼などで単発の病変を生じる固定型(限局型)もある

  • 組織:好酸性の星状体(asteroid body)が特徴
  • 培養:黒褐色の絨毛状コロニー
  • スライド培養:菌糸に花弁状の胞子を伴う
  • 治療:イトラコナゾール内服および温熱療法、ヨウ化カリウム
  • 1. KOH直接検鏡:深在性真菌症であり、一般に検出されない
  • 2. 通常の培養よりやや低い室温(25℃前後)で菌糸型が発育する。35〜37℃では酵母型が発育する
  • 3. Wood灯:紅色陰癬ではピンク色の蛍光がみられる。スポロトリコーシスに特異的な所見はない
  • 4. 治療はヨウ化カリウムや温熱療法、イトラコナゾールなどの抗真菌薬内服
  • 5. 限局型から広がると、リンパ管に沿って上行性に病変を形成するリンパ管型となる

眼瞼発症の"この症例に関する記述として"リンパ行性に進行するか、と言われるとやや謎(本例は固定型のように思われる)だが、選択肢3が明らかに誤りなので正答を譲った。設問が「本疾患について」ならスッキリするが…

関連問題

選択問題20:解答 3

選択問題20

クリプトコックス症で誤っているのはどれか。

  1. HIV感染者に多い。
  2. 血液中の真菌抗原量が測定可能である。
  3. ムチカルミン染色で黒染する。
  4. アムホテリシンBが有効である。
  5. 髄膜炎を合併することがある。

クリプトコックス症は"墨汁染色で"黒染する→3

クリプトコックス(クリプトコッカス)症

土壌やハトの糞中に存在する真菌Cryptococcus neoformansによる感染症

同真菌は厚い莢膜を有することが特徴

皮膚病変は下記2型がある

  • 原発性:外傷などから菌が侵入
  • 続発性:肺病変から血行性に播種して病変形成

続発性は日和見感染として、ステロイド長期使用者やAIDS患者にみられることがある

  • 検査:莢膜が墨汁染色/ムチカルミン染色でそれぞれ黒/赤色に染まり観察される
  • 採血:莢膜に阻まれてβ-Dグルカン*が陽性とならない。代わりに抗原/抗体検査を用いる

*真菌細胞壁を構成する多糖体

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p544(1・2・3)/40(3)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p918(1・2・3・4)

関連問題

選択問題21:解答 3

選択問題21

抗MRSA薬ではない抗菌薬はどれか。

  1. バンコマイシン VCM
  2. リネゾリド/ザイボックス® LZD
  3. メロペネム/メロペン® MEPM
  4. テイコプラニン/タゴシッド® TEIC
  5. 硫酸アルベカシン/ハベカシン® ABK

メロペネムは広域抗菌薬だが、抗MRSA薬ではない→3

  • 1. VCM:グリコペプチド系。抗MRSA薬のなかでも第一選択として用いられる。投与時のred neck症候群に注意が必要
  • 2. LZD:オキサゾリジノン系。TDM*測定が不要(その他選択肢は全て測定が必要)。骨髄抑制の副作用に注意が必要
  • 4. TEIC:グリコペプチド系。聴力障害の副作用に注意が必要
  • 5. ABK:アミノグリコシド系。日本で最初に上市された抗MRSA薬

*TDM = 治療薬物モニタリング

選択肢の抗MRSA薬はすべて点滴製剤

内服薬としてはST合剤やMINO(ミノサイクリン)が用いられる(保険適用なし)

選択問題22:解答 5

選択問題22

生後4ヵ月の男児。出生児は健常。図6の臨床像で受診した。この臨床症状から最も疑われる疾患で正しいのはどれか。

  1. A群β溶連菌による感染症である。
  2. 菌体外毒素TSST-1が病態に関与する。
  3. Ⅶ型コラーゲンに先天的異常がある。
  4. 母親が抗Dsg3抗体を持つ。
  5. 角層下水疱が認められる。

2014-S22

下腹部〜鼡径部にかけてびらんが多発している

出生時では正常であることも踏まえて、黄色ブドウ球菌の表皮剥離毒素(ET)によるブドウ球菌性熱傷様皮膚症候群(SSSS)や伝染性膿痂疹を考える

ETはデスモグレイン1を切断し、落葉状天疱瘡に類似した表皮浅層(角層下)の水疱形成をきたす→5

両疾患とも病態は同様だが、下記の違いがある

  • SSSS:症状が強く発熱など全身症状を伴う
  • 伝染性膿痂疹:局所症状中心
  • 1. 黄色ブドウ球菌が原因。A群β溶連菌は痂皮性膿痂疹の原因
  • 2. 原因となるのはET。TSST-1*も黄色ブ菌が産生し、トキシックショック症候群の原因となる
  • 3. Ⅶ型コラーゲンの先天異常は栄養障害型先天性表皮水疱症の原因
  • 4. 抗Dsg3抗体は尋常性天疱瘡で認められ、母親が罹患していると胎盤通過性のあるIgG抗体により新生児で一過性の症状をきたすことがある
  • 5. デスモグレイン1の分布から、角層下〜表皮上層で水疱をきたす(落葉状天疱瘡に類似)

*TSST-1:toxic shock syndrome toxin-1というそのままの名前の毒素

選択肢3・4は「出生時は健常」という記載から否定的と考えられる

関連問題

選択問題23:解答 1, 2

選択問題23

次の中でペットから感染する(細菌感染症の)病原菌はどれか。2つ選べ。

  1. Pasteurella multocida
  2. Bartonella henselae
  3. Prototheca wickerhamii
  4. Coccidioides immitis
  5. Fonsecaea pedrosoi

ペットから感染をきたすのはPasteurella multocidaおよびBartonella henselae→1, 2

  • 1. Pasteurella multocida犬や猫の口腔内常在菌で、引っ掻き傷等から侵入し受傷後24時間以内に蜂窩織炎・丹毒様症状をきたす。猫によるものが多い
  • 2. Bartonella henselae猫ひっかき病の原因菌。感染から数日後、丘疹から始まり水疱・膿疱をきたす。2週間後頃になると有痛性リンパ節腫脹も出現する
  • 3. Prototheca wickerhamii:藻類の一種で、皮膚プロトテコーシスの原因。外傷や水との接触部位から感染し、四肢で疣贅状の局面をきたす
  • 4. Coccidioides immitis:深在性真菌症の原因の一つ(輸入真菌症)で、肺病変(吸入)→血行性播種による皮膚病変をきたす
  • 5. Fonsecaea pedrosoi※:黒色分芽菌症の原因となり、自然界に存在する。KOH直接鏡検法でのsclerotic cell形成が特徴。

F. pedrosoiは再分類により、現在はF. monophoraと呼ばれる

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p530(2)/545(3・4)/542(5)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p859(1・2)/884(3)/886(4)/878(5)

関連2017 選択28 (黒色分芽菌症の原因菌)

選択問題24:解答 2, 3

選択問題24

非結核性抗酸菌によって生じる疾患はどれか。2つ選べ。

  1. マズラ菌症
  2. Bruli潰瘍
  3. プール肉芽腫
  4. 皮膚腺病
  5. Fournier壊疽

非結核性抗酸菌による感染症はBruli潰瘍およびプール肉芽腫→2, 3

抗酸菌感染症・非結核性抗酸菌

抗酸菌は酸を使った染色法で脱色されない性質を持つ菌のことを指し、Mycobacterium属に分類される

代表菌種と疾患は下記

疾患 原因菌種
結核 M. tuberculosis
(稀にM. bovis)
ハンセン病 M. leprae = らい菌
プール肉芽腫 M. marinum
ブルーリ潰瘍 M. ulcerans

結核菌・らい菌以外の菌種はまとめて非結核性抗酸菌(NTM=non-tuberculous mycobacteria)と呼ばれる

皮膚病変を引き起こすNTMの代表は上記2種だが、肺病変を引き起こすM. aviumM. intracellulareなどもある

  • 1. マズラ菌症:深在性真菌症の一型(放線菌が原因の場合もある)。皮下硬結・膿瘍を形成し、瘻孔から顆粒が排出されるような慢性肉芽種性病変をきたす
  • 2. ブルーリ潰瘍:M. ulcerans が原因。急速拡大する潰瘍をきたすが菌毒素のため疼痛が軽度で、組織学的にも炎症細胞浸潤が少ない
  • 3. プール肉芽腫:M. marinumが原因。皮膚NTM症の中で60%以上を占め最多。菌が水中に存在するため、熱帯魚の水槽などから感染する
  • 4. 皮膚腺病:真性皮膚結核の一つで肺やリンパ節の結核病変が経皮的に波及して生じ、頚部に好発する
  • 5. フルニエ壊疽:グラム陰性菌や嫌気性菌が原因。男性の陰嚢~会陰部における壊死性筋膜炎のこと

関連問題

  • 2012 選択27 (M. marinum感染症の特徴)
  • 2011 選択32(抗酸菌による疾患:尋常性狼瘡, プール肉芽腫, Hansen病)

選択問題25:解答 5

選択問題25

72歳の女性。1週間前より出現している、拡大傾向のある背部の皮疹を図7に示す。正しいのはどれか。

  1. 高熱を伴う。
  2. 内臓悪性腫瘍の有無を精査する。
  3. ミノマイシンが著効する。
  4. 紅斑以外に黒褐色痂皮を認める。
  5. 食歴をきくことが重要である。

2014-S25

背部で線状の皮疹がみられ、クリーピング・ディジーズを疑う

寄生虫を有する魚などの生食が原因となり、食歴チェックが重要→5

クリーピング・ディジーズ

ヒトを固有宿主としない寄生虫が、皮内・皮下を遊走するため生じる線状紅斑

寄生虫は熱で死滅するため、生食が原因となり摂食数週〜数カ月後に皮疹をきたす

寄生虫 生食
顎口虫 淡水魚・カエル
(ドジョウ)
マンソン裂頭条虫 カエル/ヘビ・家禽類(ニワトリ/豚)
旋尾線虫 イカ・スッポン

診断:皮疹先端部に寄生虫が存在するため、生検で直接証明する

治療ではイベルメクチン等が用いられる

  • 1・3・4. マダニ刺症によるライム病で生じる慢性遊走性紅斑は刺し口に黒褐色の痂皮がみられ、発熱を伴う。治療にはテトラサイクリン系抗生剤(ドキシサイクリン等)が用いられる
  • 2. 壊死性遊走性紅斑ではグルカゴノーマや低栄養状態が基盤にある
  • 5. クリーピング・ディジーズでは食歴が診断上重要
  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p572(5)/567(1・3・4)/146(2)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p944(5)/934(1・3・4)/194(2)

関連:2011 選択33 (アマガエル生食後のマンソン孤虫症 クリーピング・ディジーズ)

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