- 日本皮膚科学会 皮膚科専門医試験 令和5(2023)年度の解答を作成しました
速報版のため、解説は短めです。★つきのものは過去問と同一/類似問題で、?のものは精度が怪しいです
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選択問題100問+記述問題20問の全120問です
追記:解答・解説詳細版を作成しました
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令和5(2023)年度 皮膚科専門医認定試験 過去問 解答解説
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見出し
- 1 令和5(2023)年度 皮膚科専門医試験 解答
- 1.1 選択1:3
- 1.2 選択2:2, 3 ★2011-61
- 1.3 選択3:3
- 1.4 選択4:3
- 1.5 選択5:1, 3, 5
- 1.6 選択6:2, 4
- 1.7 選択7:1
- 1.8 選択8:2, 4
- 1.9 選択9:5 (★2015-39)
- 1.10 選択10:1
- 1.11 選択11:3
- 1.12 選択12:2
- 1.13 選択13:1, 5 (★同一 2021-1)
- 1.14 選択14:2, 4, 5
- 1.15 選択15:2, 5
- 1.16 選択16:2, 3
- 1.17 選択17:3
- 1.18 選択18:4
- 1.19 選択19:5
- 1.20 選択20:4
- 1.21 選択21:5
- 1.22 選択22:1 (★2017-44)
- 1.23 選択23:5 (★同一 2021-8)
- 1.24 選択24:3
- 1.25 選択25:4
- 1.26 選択26:2, 5
- 1.27 選択27:1, 2, 5 (★同一 2020-21)
- 1.28 選択28:1, 5 (★2022-28, 2015-33)
- 1.29 選択29:4?
- 1.30 選択30:2 (★2022-58, 2021-92)
- 1.31 選択31:2 (★2019-7)
- 1.32 選択32:1, 4 (★2016-51, 2012-51)
- 1.33 選択33:5 (★2020-92, 2015-85)
- 1.34 選択34:1, 3
- 1.35 選択35:2 (★2015-66)
- 1.36 選択36:1
- 1.37 選択37:4, 5
- 1.38 選択38:5
- 1.39 選択39:2 (★2022-55)
- 1.40 選択40:1, 2, 5 (★2017-21, 2020-16)
- 1.41 選択41:5 (★2021-85)
- 1.42 選択42:2, 5
- 1.43 選択43:2 (★2019-29)
- 1.44 選択44:5 (★2012-記述5)
- 1.45 選択45:3
- 1.46 選択46:2 (★2018-55)
- 1.47 選択47:3
- 1.48 選択48:2 (★2020-7, 2013-11)
- 1.49 選択49:5
- 1.50 選択50:3 (★2015-1)
- 1.51 選択51:4 (★2022-87)
- 1.52 選択52:2
- 1.53 選択53:4
- 1.54 選択54:4
- 1.55 選択55:2
- 1.56 選択56:5 (★2019-69)
- 1.57 選択57:2, 3
- 1.58 選択58:1, 2
- 1.59 選択59:1
- 1.60 選択60:2, 4, 5
- 1.61 選択61:3 (★2019-42)
- 1.62 選択62:4 (★2019-87)
- 1.63 選択63:1, 3, 4 (★2012-44, 2011-48)
- 1.64 選択64:5?→3
- 1.65 選択65:3 (★2020-54)
- 1.66 選択66:3
- 1.67 選択67:2 (★2016-1)
- 1.68 選択68:5?
- 1.69 選択69:3
- 1.70 選択70:2 (★2020-57)
- 1.71 選択71:4
- 1.72 選択72:2
- 1.73 選択73: 3 (★2020-記14, 2014-記5)
- 1.74 選択74:4 (★2019-65)
- 1.75 選択75:3 (★2022-92, 2020-23)
- 1.76 選択76:3
- 1.77 選択77:1, 2, 4
- 1.78 選択78:1, 4, 5 (★いろいろ)
- 1.79 選択79:2, 4
- 1.80 選択80:3
- 1.81 選択81:5
- 1.82 選択82:4 (★2021-56)
- 1.83 選択83:1, 5
- 1.84 選択84:5
- 1.85 選択85:1, 3, 4 (★2015-51)
- 1.86 選択86:2
- 1.87 選択87:1, 3, 4
- 1.88 選択88:5
- 1.89 選択89:2
- 1.90 選択90:3 (★2021-4)
- 1.91 選択91:1
- 1.92 選択92:1, 4
- 1.93 選択93:3, 4
- 1.94 選択94:1
- 1.95 選択95:2?
- 1.96 選択96:3, 5
- 1.97 選択97:1, 5
- 1.98 選択98:4?
- 1.99 選択99:1 (★2022-74)
- 1.100 選択100:1
- 1.101 記述1:α-ガラクトシダーゼA
- 1.102 記述2:外胚葉形成 (★2020-選択1)
- 1.103 記述3:結節性筋膜炎
- 1.104 記述4:リツキシマブ
- 1.105 記述5:肥厚性皮膚骨膜症 (★2020-58)
- 1.106 記述6:Microsporum canis (★2009-記8)
- 1.107 記述7:好酸球性膿疱性毛包炎 (★2013-記3)
- 1.108 記述8:フルーツ (★2021-63)
- 1.109 記述9:satellite cell necrosis
- 1.110 記述10:メトトレキサート (★2021-記13)
- 1.111 記述11:顆粒変性
- 1.112 記述12:皮膚腺病 (★2017-32)
- 1.113 記述13:Sister (Mary) Joseph (★2012-63)
- 1.114 記述14:Langhans
- 1.115 記述15:Sustainable
- 1.116 記述16:先天性三角形 (★2019-8, 2016-4)
- 1.117 記述17:elimination
- 1.118 記述18:リポイド類壊死症 (★2009-記18)
- 1.119 記述19 :毛包上皮腫?
- 1.120 記述20:チェッカーボードパターン (★2020-17)
令和5(2023)年度 皮膚科専門医試験 解答
選択1:3
ツベルクリン反応は4型アレルギー
選択2:2, 3 ★2011-61
有棘細胞癌の発生母地:汗孔角化症, 硬化性苔癬
円板状エリテマトーデスは発生母地になり得るが、深在性エリテマトーデスはならない
関連:2011-61 硬化性(萎縮性)苔癬
選択3:3
病変部位が最も深部の水疱症は後天性表皮水疱症(Ⅶ型コラーゲン)
選択4:3
皮下脂肪織炎様T細胞リンパ腫における腫瘍細胞はCD8陽性細胞傷害性T細胞(CD3, 8陽性)
- 木村病では好酸球浸潤が特徴
- 菌状息肉症はlarge cell transformationをきたすとCD30(+)となる→アドセトリス®が適用となる
- ATLL(成人T細胞白血病リンパ腫)の確定診断には抗HTLV-1抗体陽性のみでなく組織学的診断が必要
- モガムリズマブはATLLに対してはCCR4(+)が投与の必要条件だが、皮膚T細胞リンパ腫に対しては再発または難治性であれば適用となる
選択5:1, 3, 5
円形脱毛症の病変部ではIFN-γおよびIL-15が亢進しポジティブフィオードバックを形成→JAK阻害薬でループを断ち切る治療が行われる
組織学的にはCD8陽性NKG2D陽性の細胞傷害性T細胞がみられる
本来毛包部はMHC classIを発現することで免疫寛容の状態となっているが、円形脱毛症では発現低下から毛包が攻撃を受けてしまう
選択6:2, 4
ライム病(慢性遊走性紅斑)
ボレリア感染症であり、日本ではシェルツェマダニが原因となる(北海道や高山地方など)
第4類感染症で、治療はテトラサイクリン系抗菌薬。体幹中心に皮疹をきたすのはツツガムシ病
選択7:1
パッチテストパネル®(S)は陰性対照が2箇所ある
パネルは2つに分かれており、検査料350点+薬剤料1,574点を算定できる
参考:パッチテストパネル®(S)による検査の保険請求について
遅発陽性反応が検査7〜10日後に出現することがあり、金チオ硫酸ナトリウムについては、検査20日以上経過してから遅発陽性反応が発現したとの報告もある
参考:佐藤製薬株式会社 | アレルギー性皮膚疾患の検査薬 パッチテストパネル®(S)
選択8:2, 4
結節性硬化症の死因
50歳以上では腎病変, リンパ脈管筋腫症(LAM)
10代未満では心横紋筋腫による心不全
10代では脳腫瘍(SEGA)
参考:結節性硬化症の診断基準及び治療ガイドライン-改訂版- 日皮会誌:128(1), 1-16, 2018のp3
選択9:5 (★2015-39)
EGFR阻害薬による皮膚症状はざ瘡様皮疹→皮膚乾燥→爪囲炎の順
参考:タルセバ錠150mg よくあるご質問>Q4 皮膚障害|PLUS CHUGAI 中外製薬医療関係者向けサイト
関連:2015 選択39 (ほぼ同一問題)
選択10:1
高齢者における高額療養費制度の自己負担額は平成29年8月より段階的に引き上げが行われている
参考:70歳以上の方の高額療養費の上限額が変わります(平成30年8月診療分から) | こんな時に健保 | 全国健康保険協会
選択11:3
EASIスコアの満点は72点
選択12:2
男性同士の性交渉後、発熱と躯幹・肛囲・手足などに小水疱をきたした男性→エムポックス(サル痘)の疑いがあるため隔離および保健所への連絡が必要
薬事承認された診断方法はないため、確定診断のために行政検査による確定診断が必要(最寄りの保健所へ連絡)
参考:エムポックス(Mpox)の診療指針 ver. 2.1 (2023 年 5 月 29日作成) 国立国際医療研究センター病院 国際感染症センター
選択13:1, 5 (★同一 2021-1)
アポクリン腺は毛包に開口し、発汗量は性ホルモンによって調節される
- エクリン汗嚢腫は発汗が多い夏期に目立つ
- エクリン汗管は掌蹠では皮丘部(crista profunda intermedia)に開口する
- エクリン汗腺による発汗はコリン作動性(→治療に使われるエクロック®やラピフォート®も抗コリン薬)
類問:2021 選択1
選択14:2, 4, 5
KRT6A遺伝子変異による掌蹠角化症(PPK):Jadassohn-Lewandowsky型
leukoplakia(白板症)や毛孔性角化(follicular keratosis)を合併する
また掌蹠角化症は全般に多汗症や白癬を合併しやすい
- 難聴を伴うPPKはKID症候群:GJB2遺伝子変異
- 葉状魚鱗癬(lamellar ichthyosis)はTGM1遺伝子変異などが原因となる
参考:掌蹠角化症診療の手引き 日皮会誌:130(9), 2017-2029, 2020のp2022
選択15:2, 5
メラノーマについて
原発巣と転移巣でBRAF遺伝子変異の有無が異なる場合があるので、可能な場合は転移巣で遺伝子変異検索を行う(CQ8, p1841)
完全切除後のステージ2Bまたは2Cの悪性黒色腫患者を対象に術後補助化学療法を行った群で、主要評価項目のRFSはプラセボと比較して有意に延長していた(KEYNOTE-716試験, 最適使用推進ガイドライン令和4年9月改訂版に記載)ステージ3A〜3Cに対する投与でもRFSが延長し(KEYNOTE-054)、こちらはガイドラインに記載されている(p1798)
参考:皮膚悪性腫瘍ガイドライン第 3 版メラノーマ診療ガイドライン 日皮会誌:129(9), 1759-1843, 2019
ニボルマブで増悪後にイピリムマブにスイッチした際のRRはわずか3.6%であり、grade3/4の有害事象が70%に出現した(p1806)。一方セカンドライン治療としてのニボルマブ・イピリムマブ併用療法の効果は奏効率20%と報告されている(メラノーマ 薬物療法の手引き version1. 2022)→PD-1からCTLA-4単剤への投与はbestとは言い難い
BRAF/MEK阻害薬とPD-1抗体製剤の3者併用は行わない
選択16:2, 3
血管系腫瘍のなかで腫瘍性増殖が乏しいもの:毛細血管奇形(単純性血管腫), 静脈奇形(海綿状血管腫)
乳児血管腫は腫瘍性増殖, Tufted angiomaとカポジ肉腫様血管内皮細胞腫は急速に増大しKasabach-Merritt症候群の原因となる場合がある
選択17:3
中間径フィラメントの先天的異常に起因する疾患:単純型表皮水疱症(K5/14)
中間径フィラメント=ケラチン, アクチン, ミオシンなど
ケラチノサイトの中間径フィラメントがケラチン
選択18:4
制御性T細胞を特徴づける転写因子:Foxp3
参考:制御性T細胞の同定法
選択19:5
Pasini-Pierini型進行性特発性皮膚萎縮症は体幹(背部)に好発する
選択20:4
「在宅寝たきり患者処置指導管理料」を算定している場合でも、重度褥瘡処置(DESIGN-R®でD3以上)は同時に算定可能
創傷処置・爪甲除去・ストーマ処置・皮膚科軟膏処置は算定不可
選択21:5
抗セントロメア抗体陽性強皮症で合併する症状:毛細血管拡張(teleangiectasis)
CREST症候群:calcinosis(皮下石灰沈着), Raynaud現象, esophageal dysmotility(逆流性食道炎), sclerodactylia(強指症)
選択22:1 (★2017-44)
成人熱傷の輸液開始目安は熱傷面積>15%
過去問:小児の開始目安は>10%
関連:2017 選択44
選択23:5 (★同一 2021-8)
日光角化症に対するイミキモド外用の保険適用は顔面および禿髪部のみで、手背は保険適用外
関連:2021 選択8 (同一問題)
選択24:3
膿疱性乾癬の重症度判定には血清アルブミン値が必要(その他皮膚症状+発熱, WBC, CRP)
急性期症状に適応のあるIL-36受容体抗体製剤スペビゴ®は抗体製剤だが、投与経路は静注であり皮下注ではない
選択25:4
13歳アトピー性皮膚炎 IGA3, EASI11.6(頭頚部の皮疹は軽度), かゆみスコア4, かゆみNRS9で利用可能な治療薬→ネモリズマブ(ミチーガ®)
EASI>10と他製剤より制限が緩いが、かゆみスコア>3 or そう痒NRS>5が必要
- ウパダシチニブ(12歳〜)とデュピルマブ(6ヶ月〜)、バリシチニブ(15歳〜)はEASI>16
- シクロスポリンは16歳〜かつ皮疹の体表面積>30%で投与可能
選択26:2, 5
アゾール系抗真菌薬は真菌細胞膜特有のエルゴステロール合成を阻害することで作用する
キャンディン系抗真菌薬は細胞壁の構成成分であるβ-Dグルカン合成を阻害
選択27:1, 2, 5 (★同一 2020-21)
TARCが高値となる疾患:菌状息肉症, 丘疹紅皮症(太藤), 薬剤性過敏症症候群(DIHS)
TENではTARCの上昇は中程度のため、DIHSとの鑑別に有効
関連:2020 選択21 (同一問題)
選択28:1, 5 (★2022-28, 2015-33)
掌蹠に無菌性膿疱をきたす疾患:疥癬, 好酸球性膿疱性毛包炎
好酸球性膿疱性毛包炎は(毛包のない)掌蹠にも皮疹をきたし掌蹠膿疱症との鑑別が必要
infantile acropustulosis(小児肢端膿疱症)は疥癬の既往ないし合併、家族歴が多い
- 川崎病では急性期の四肢硬性浮腫と回復期の膜様落屑が特徴
- ペラグラでは光線過敏症をきたし頚部前面にみられるカザールの首飾りが特徴
選択29:4?
眼瞼内側の発赤腫脹で抗生剤不応だが、切開排膿により改善:涙嚢炎
蜂窩織炎との鑑別は何とも言えず。ただ蜂窩織炎の診断で抗生剤不応というのも(試験問題としては)おかしい
選択30:2 (★2022-58, 2021-92)
大隅良典氏のノーベル賞受賞業績:オートファジーのメカニズム解明(2016)
- ゲノム編集の手法の開発:ジェニファー・ダウドナ, エマニュエル・シャルパンティ(2020)
- 免疫チェックポイント阻害機構の発見:本庶佑(2018)
- 成熟細胞のリプログラミングによる多能性の獲得:山中伸弥(2012)
- 樹状細胞ならびに獲得免疫におけるその役割の発見:ラルフ・スタインマン(2011)
選択31:2 (★2019-7)
毛包上皮幹細胞が存在するのは毛隆起部(バルジ領域)で立毛筋が付着する
関連:2019 選択7
選択32:1, 4 (★2016-51, 2012-51)
抜歯術後の腹痛と口唇・舌浮腫→遺伝性血管性浮腫の疑い
遺伝歴の確認(通常常染色体優性遺伝)と補体C4低値(非発作時も低値の事が多い)の確認が必要
イカチバントは急性発作時のみ投与可能で予防には用いない
選択33:5 (★2020-92, 2015-85)
IgA血管炎
蛍光抗体直接法では(ホルマリンではなく)凍結切片を用いる
浸潤を触れる紫斑(palpable purpura)が特徴で、組織学的には真皮上層の小血管炎が特徴↔結節性多発性動脈炎は中型血管のためやや深部
選択34:1, 3
ヨーロッパやアジア諸国の調査で、水疱性類天疱瘡では一般人口と比して神経疾患の合併率が高いことが報告されている
参考:類天疱瘡(後天性表皮水疱症を含む)診療ガイドライン 日皮会誌:127(7), 1483-1521, 2017のp1484
腫瘍随伴性天疱瘡の原疾患はリンパ球系増殖性疾患が多い
抗デスモグレイン3抗体価は同一患者の病勢評価には有効だが、患者間の重症度比較には利用できない
参考:天疱瘡診療ガイドライン日皮会誌:120(7), 1443-1460, 2010のp1449
選択35:2 (★2015-66)
Rosai-Dorfman病における特徴的な病理組織像:emperiopolesis
関連:2015 選択66
選択36:1
ボリコナゾール長期内服中に有棘細胞癌が発症することがある
イトラコナゾールは基底細胞癌に対して腫瘍縮小効果があるという報告がある
参考:ボリコナゾールによる光線過敏と発癌 臨床皮膚科72(5) 最近のトピックス2018 p21-25
選択37:4, 5
下腿に浮腫性紅斑や水疱をきたすのはネコノミ, スナノミは足部皮膚に寄生し結節を形成する
デング熱を媒介するのはネッタイシマカ, アカイエカが媒介するのは日本脳炎
選択38:5
Hurley分類では病巣の大きさや個数は基準に入っていない
参考:化膿性汗腺炎診療の手引き 2020 日皮会誌:131(1), 1-28, 2021 のp3
選択39:2 (★2022-55)
ドセタキセルは壊死起因性抗がん剤
がん薬物療法に伴う血管外漏出に関する合同ガイドライン2023年版ではステロイド局所注射を行わないことを弱く推奨している(外用は行うことを弱く推奨)
参考:抗がん剤の血管外漏出への対応 〜ガイドライン改訂のトピックス〜
関連:2022 選択55
選択40:1, 2, 5 (★2017-21, 2020-16)
乾癬性関節炎を発症するリスクが高い皮疹部位:爪, 頭皮, 臀裂部
参考:乾癬性関節炎診療ガイドライン 2019 日皮会誌:129(13), 2675-2733, 2019のp2680
選択41:5 (★2021-85)
メラノーマで認められない遺伝子異常:SERPINIB7(長島型掌蹠角化症の原因)
BRAF, KIT, NF1, NRASは認められる場合がある
関連:2021 選択85
選択42:2, 5
神経線維腫症1型の叢状神経線維腫
血流が豊富であり、治療薬セルメチニブ(コセルゴ®)は小児にしか投与できない
神経線維腫なのでCD34+
悪性腫瘍である悪性末梢神経鞘腫(MPNST)の発生母地になる場合があり、放射線療法はそのリスクを高めるため行わない
選択43:2 (★2019-29)
多発性硬化症を合併した尋常性乾癬の患者ではTNF-α抗体製剤は投与禁忌
関連:2019 選択29
選択44:5 (★2012-記述5)
頭部皮膚腫瘍:syringocystadenoma papilliferum(乳頭状汗管嚢胞腺腫)
関連:2012 記述5
選択45:3
オマリズマブの投与量は300mg 4週間ごと
なおデュピルマブ(成人)の投与量は初回600mg, それ以降300mg 2週間ごと
選択46:2 (★2018-55)
保因者1/100の常染色体劣性遺伝疾患の日本における推定患者数は3,000人
1/100 x 1/100 x 1/4 x 1億2千万
関連:2018 選択55
選択47:3
コラーゲンを構成するアミノ酸で最も多いのはグリシン
- 1型コラーゲンは三重螺旋構造をとる
- 2型コラーゲンは弾性軟骨の構成成分(→再発性多発軟骨炎では抗2型コラーゲン抗体が見られる), 弾性線維はエラスチンから構成される
- 4型コラーゲンは表皮基底板の構成要素
- 真皮膠原線維は1型(80%)>3型(15%)>5型
選択48:2 (★2020-7, 2013-11)
角層における細胞間接着を行うのはコルネオデスモソーム。これがKLK5等の酵素で分解されることで角層剥離が生じる
- ヘミデスモソーム:基底膜部
- タイトジャンクション:顆粒層
- アドヘレンスジャンクション:角化細胞
選択49:5
急性湿疹における偽Pautrier微小膿瘍にはLangerhans細胞が関与する
選択50:3 (★2015-1)
落葉状天疱瘡では粘膜病変は少ない
←原因分子であるDsg1は主に皮膚で発現するため(Dsg3は粘膜に発現)
慢性GVHDでは扁平苔癬様皮疹をきたし口腔内病変もある
水疱性類天疱瘡も少ないが20〜30%(あた皮膚)
関連:2015 選択1
選択51:4 (★2022-87)
JAK-STAT経路においてIL-17は直接の制御を受けない
- JAK1はTh2サイトカインであるIL-4/31と関連→アトピー性皮膚炎のJAKiはJAK1阻害が多い
- TYK2はIL-23(ステラーラ®のターゲット)と関連→尋常性乾癬で用いられる(ソーティクツ®)
関連:2022 選択87
選択52:2
Treponema pallidumはグラム染色で染まらない(不定)。暗視野法で確認する場合もある
梅毒は第5類感染症であり、7日以内に報告が必要
ステルイズ®は梅毒に対して適応となったが、静注ではなく”筋注”
選択53:4
足底の有痛性腫瘍でα-SMA+, Desmin+
→血管平滑筋腫
選択54:4
メラノーマにおいてセンチネルリンパ節転移陽性例にリンパ節郭清術を実施しないことを提案する(CQ2)
参考:皮膚悪性腫瘍ガイドライン第 3 版 メラノーマ診療ガイドライン 2019 日皮会誌:129(9), 1759-1843, 2019のp1822
センチネルリンパ節生検の保険適用はメラノーマの他メルケル細胞癌・乳房外Paget病・2cmを超える有棘細胞癌
放射性同位元素及び色素を併用した場合のみセンチネルリンパ節加算(5,000点)が算定できる
選択55:2
悪性黒色腫のダーモスコピー:milky red areas
半透明な紅白色領域
選択56:5 (★2019-69)
弾性線維性仮性黄色腫の臓器病変として優先度が低いもの:膀胱
- 眼:網膜血管線状
- 心血管:動脈硬化性病変
- 消化管:胃動脈瘤による出血
関連:2019 選択69
選択57:2, 3
日光蕁麻疹は反復少量日光照射で改善する場合がある
外因性光線過敏症の原因は光毒性・光アレルギー性ともにUVAが多い
選択58:1, 2
皮膚科特定疾患指導管理料
類乾癬は特定疾患Ⅰ, 尋常性白斑はⅡ
- アトピー性皮膚炎は16歳以上かつ外用療法を必要とする必要がある
- 痒疹は1年以上の経過であることが必要
- 初診日ないし退院した日から1ヶ月を経過した日以降でないと算定できない
選択59:1
接触皮膚炎の組織では海綿状態(spongiosis)が見られ、表皮内に水分を引き込んで濃度を希釈しようとする生体防御反応に相当する
選択60:2, 4, 5
薬剤性血管性浮腫の原因:アンジオテンシン変換酵素阻害薬, NSAIDs, 経口避妊薬
参考:重篤副作用疾患別対応マニュアル 血管性浮腫 (非ステロイド性抗炎症薬によらないもの)
トラネキサム酸は血管性浮腫の発作予防に用いられることがある(保険適用外)
選択61:3 (★2019-42)
PVL毒素は市中感染型MRSAが産生し難治性のせつ・せつ腫症と深く関連する
関連:2019 選択42
選択62:4 (★2019-87)
核内物質はKi-67→腫瘍の増殖能を反映する
- CD(cluster of differentiation)は細胞表面マーカー
- CK(サイトケラチン)やvimentinは中間径フィラメントなので細胞質に染まる
- HMB-45, MART-1/Melan-Aはメラノーマの染色で用いられる細胞質に染まる。メラノーマ関連で核に陽性なのはSOX10やPRAME
関連:2019 選択87
選択63:1, 3, 4 (★2012-44, 2011-48)
Melkersson-Rosenthal症候群の三徴:肉芽腫性口唇炎, 皺襞舌, 顔面神経麻痺
関連:2012 選択44, 2011 選択48
選択64:5?→3
高齢男性で発熱とともに痛み・そう痒を伴う紅斑・丘疹→痂皮化という経過を取る皮疹
→PLEVA?
リンパ腫様丘疹症も臨床像は類似するが、CD30の記載がないので選びづらい
種痘様水疱症は小児で、菌状息肉症は通常進行が緩徐なので?
色々調べた結果、種痘様水疱症は高齢発症例も報告されていること、免疫染色でEBER(+)となる疾患は他にないことから種痘様水疱症へ解答を変更しました(2024/1/1追記)
選択65:3 (★2020-54)
小児Stevens-Johnson症候群の原因として薬剤以外に最も多いのはマイコプラズマ感染症
成人では単純ヘルペスも多い
関連:2020 選択54
選択66:3
アミロイド苔癬(ケラチン)のアミロイド沈着部位は真皮乳頭部となる
一方結節性皮膚アミロイドーシス(AL)では真皮〜皮下組織にかけて、つまりより深層で沈着する
選択67:2 (★2016-1)
食事摂取時の発汗と顔面潮紅
耳下腺膿瘍に対する切開排膿歴→Frey症候群
関連:2016 選択1
選択68:5?
皮膚筋炎患者で手掌部に紅斑が見られる→逆ゴットロン徴候で抗MDA5抗体陽性例に特徴的な皮膚症状
2指側面にも皮疹あるように見えなくもないが、手掌の写真が複数あることから「機械工の手(抗Jo-1/ARS抗体)」は否定的と思われる
選択69:3
Wood灯の波長は365nm(UVA)
選択70:2 (★2020-57)
後天性表皮水疱症の原因分子は7型コラーゲンであり、先天異常で栄養障害型表皮水疱症を発症する
関連:2020 選択57
選択71:4
真菌検査の中で形態学的評価に適しているのはスライド培養(スライドカルチャー)
選択72:2
中高年女性で線状に配列する角化性丘疹で、組織学的に境界部皮膚炎がみられる→Lichen planus striatus(線状扁平苔癬)
lichen striatus(線状苔癬)やILVENも線状配列だが小児に好発する
選択73: 3 (★2020-記14, 2014-記5)
陰嚢部の紅色結節で組織では泡沫細胞→疣状黄色腫(verruciform xanthoma)
選択74:4 (★2019-65)
RASopathyの中でカフェオレ斑を生じるのはLegius症候群や神経線維腫症1型
特徴的な顔立ち・低身長・発達障害・先天性心疾患を生じるのはNoonan症候群
関連:2019 選択65
選択75:3 (★2022-92, 2020-23)
再発性単純ヘルペスのファムシクロビル内服薬(PIT)
2回目の内服は初回から12時間後
- 合計2回
- 初回は前兆(ぴりぴり感など)を感じた時
- 年間3回以上の再発頻度が必要
- 次回再発のための薬は湿気を避けるためアルミ袋で保管
選択76:3
メラノーマのステージング
TT3.4mmかつ潰瘍がない場合はpT3aに該当する
選択77:1, 2, 4
ベンリスタ®はBLySに対する、サフネロー®はI型インターフェロン”受容体”に対する抗体製剤
重大な副作用:重篤な感染症
ベンリスタは抗dsDNA抗体や抗核抗体陽性が確認されている必要がある
中枢神経ループスに対しては双方とも有効性および安全性は確認されていない
選択78:1, 4, 5 (★いろいろ)
学校感染症の出席停止期間
- 風疹-発疹が消失するまで
- 結核-医師が感染の恐れがないと認めるまで
- 水痘-すべての発疹が痂皮化するまで
伝染性紅斑は出席停止不要、麻疹は解熱後3日間
-
感染症の出席停止期間 学校保健安全法 【プールの可否】
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選択79:2, 4
三環系の抗ヒスタミン薬:ルパタジン, デスロラタジン
選択80:3
Nostalgia paresthesia(背部錯感覚症状)は掻痒感を伴う
僧帽筋がTh2~6の脊椎神経後根枝を圧迫して生じるため、背部で片側性
Meralgia paresthesiaは太腿外側で生じる
選択81:5
足底粉瘤の原因はHPV-57, 60などがある
外傷も誘因とされるが、組織でコイロサイトーシスがある(ように心の目で見える)ためウイルス感染がより妥当か
選択82:4 (★2021-56)
OCA(眼皮膚白皮症)のうちHermansky-Pudlak症候群は間質性肺炎などから予後不良
眼症状は小児期からみられる
指定難病164
関連:2021 選択56
選択83:1, 5
円形脱毛症に対するnUVBは2020年から保険適用
ベーチェット病の口腔内潰瘍に対してアプレミラスト(オテズラ®)が保険適用
- Qスイッチアレキサンドライトレーザーは扁平母斑に対して算定できない
- トラフェルミン(フィブラスト®)は悪性腫瘍のある部位への投与は禁忌
- ビラスチン(ビラノア®)は倍量投与が認められていない
選択84:5
乳房周囲の紅斑で、組織学的には真皮〜皮下組織でN/C比の高い細胞が増殖しているが表皮の変化は乏しい→乳癌皮膚転移を考える
Paget病とするには深部への浸潤が強くパジェット細胞も目立たない
丹毒・帯状疱疹・接触皮膚炎では表皮変化が主体
選択85:1, 3, 4 (★2015-51)
血栓が主体の疾患:リベド血管症, 抗リン脂質抗体症候群, クリオグロブリン血症1型
IgA血管炎とクリオグロブリン血症2・3型は血管炎が主体
関連:2015 選択51
選択86:2
倦怠感と顔面の環状紅斑で受診した若年男性
シェーグレン症候群→齲歯・SS-B抗体・高ガンマグロブリン血症をきたす
本例では鼻部に紅斑があるように見え、SLEに伴う続発性シェーグレン症候群を考える→補体低下
シェーグレン症候群では悪性リンパ腫を合併するが"B細胞性"でありT細胞性ではない
選択87:1, 3, 4
メラニン減少に伴うもの:癜風, 遺伝性対側性色素異常症, Sutton母斑
選択88:5
AIDSについて
- RNAウイルスで薬剤耐性化をきたしやすいため、治療は多剤併用療法が基本
- 皮膚カンジダ症はAIDS指標疾患に含まれない(食道・気管・気管支・肺)
- 世界的には男女比ほぼ半数だが、日本では男性が95%で同性間性的接触が多い
- 現在は診断が付いた時点で治療を開始する(以前はCD4数<200/μL程度まで下がってから治療していた)
→選択肢文はすべて誤り
選択89:2
乳房外Paget病で両側鼠径リンパ節転移がある場合は両側鼠径リンパ節郭清をしないことを強く推奨する
皮膚悪性腫瘍ガイドライン第 3 版 乳房外パジェット病診療ガイドライン 2021 日皮会誌:131(2), 225-244, 2021のp239(CQ2)
- 手指・手掌の手術では切開線は皺襞に沿うようにデザインする
- 口唇で単純縫縮可能なのは1/3までの欠損
- 鼠径リンパ節郭清では大腿静脈を温存する(切離すると再建が必要)。大伏在静脈は切離する術式(拡大:radical)と温存する術式(縮小:modified)が存在する
- Thiersch植皮は分層植皮の中でも薄い植皮
参考:皮膚悪性腫瘍ガイドライン第3版 メラノーマ診療ガイドライン2019 日皮会誌:129(9), 1759-1843, 2019のp1790
- 参考:Modified groin dissectionの経験 Skin Cancer 6(2) , 273-277, 1991
- 参考:四国がんセンター Top > 「がん」を知る > 陰茎がん > 陰茎がんについて(詳細) > 治療について > リンパ郭清
選択90:3 (★2021-4)
皮膚のチクチクした疼痛と夏期の高熱(発汗低下)→特発性後天性全身性無汗症(AIGA)
アセチルコリン皮内テストでの反応低下が診断基準の参考項目
- 合併が多いのはコリン性じんま疹
- 発汗の左右差はない
- 皮膚生検組織では汗腺周囲のリンパ球浸潤がみられることはあるが、変性はない(形態学的異常は乏しい)
- 治療ではステロイドパルス療法が行わえるが複数回実施な場合も多い
選択91:1
DFSPでの遠隔転移は稀(10%以下)
選択92:1, 4
Ehlers-Danlos症候群:関節の過伸展を伴い、古典型は5型コラーゲン遺伝子変異が原因
- Marfan症候群では高身長でクモ状指を伴う
- Ehlers-Danlos症候群の血管型は3型コラーゲン遺伝子変異が原因, 7型コラーゲン遺伝子変異は栄養障害型表皮水疱症の原因
選択93:3, 4
乳房外Paget病はCK7(+), CK20(-)
※Paget現象はCK7(-), CK20(+)
境界不鮮明な場合は病変の広がりを確認するためマッピング生検を行う
- 人口10万人あたりアジア圏では0.28人/年と白人(0.13人/年)より多い
- 化学療法として保険適用のある薬剤はない
選択94:1
医学研究において、患者は同意後に同意を撤回する権利がある
選択95:2?
脱毛斑の皮膚生検像
毛包周囲でリンパ球浸潤があり円形脱毛症を考える
選択96:3, 5
妊娠性疱疹は17型コラーゲンに対する自己抗体が原因
水疱性エリテマトーデスは7型コラーゲンに対する自己抗体が見られる場合がある
- 線状IgA水疱性皮膚症はバンコマイシンによる薬剤性のものがあり、LAD-1やLAD-97が原因抗原としてみられる
- 抗ラミニンγ1類天疱瘡は尋常性乾癬を半数で合併する
選択97:1, 5
角化型疥癬患者は治療初期1〜2週間個室管理が必要
爪疥癬にはイベルメクチンの適応はなく、フェノトリンローションとサリチル酸ワセリン重層塗布が有効
- 飼い犬の疥癬が人に感染することがあるが、ヒトの皮膚では繁殖しないため駆虫療法は犬のみで可
- イベルメクチンは食前投与
選択98:4?
電子顕微鏡写真:イはケラチノサイト
選択99:1 (★2022-74)
反応性穿孔性膠原線維症は慢性腎疾患と関連する
膠原線維が青く染まるのはアザン染色であり、EVG染色では赤く染まる
関連:2022 選択74
選択100:1
モーズペーストの主成分は塩化亜鉛
記述1:α-ガラクトシダーゼA
Fabry病の原因酵素
記述2:外胚葉形成 (★2020-選択1)
1歳男児で繰り返す発熱・無汗・歯牙異常
→無汗性外胚葉形成異常症
関連:2020 選択1
記述3:結節性筋膜炎
腰部の皮下腫瘍でα-SMA(+), USP6-MYH9融合遺伝子→結節性筋膜炎
記述4:リツキシマブ
全身性強皮症に対して、医師主導治験を経て保険適用となった薬剤はリツキシマブ
記述5:肥厚性皮膚骨膜症 (★2020-58)
手指足趾のばち指・脳回転状皮膚・骨膜性骨肥厚をきたす疾患→肥厚性皮膚骨膜症
関連:2020 選択58
記述6:Microsporum canis (★2009-記8)
ネコを飼い始めた女性での顔面および前腕の紅斑, KOH+
スライドカルチャー(大分生子)がないと診断不能ではあるがネコの飼育からはM. canisが妥当
after pet the cat for three days,unfortunately, infected by Microsporum Canis. pic.twitter.com/50KYWqc247
— 徐和平 Heping XU (@xmsunxhp) June 5, 2021
関連:2009 記述8 (スライドカルチャー写真あり)
記述7:好酸球性膿疱性毛包炎 (★2013-記3)
顔面紅斑で組織では脂腺周囲の好酸球浸潤が見られる。別名は太藤病
→好酸球性膿疱性毛包炎 (eosinophilic pustular folliculitis)
関連:2013 記述3 (同一問題)
記述8:フルーツ (★2021-63)
ラテックスアレルギー患者で一部の食物経口摂取で蕁麻疹やアナフィラキシーが誘発される疾患
→ラテックス-フルーツ症候群
関連:2021 選択63
記述9:satellite cell necrosis
GVHDにおいて編成した表皮ケラチノサイトをリンパ球が取り囲む組織像(英語)
記述10:メトトレキサート (★2021-記13)
15年前に関節リウマチと診断され治療開始後、下肢にみられた紅色結節 CD20+ EBER+
→MTX-LPD
関連:2021 記述13
記述11:顆粒変性
顆粒層での空胞変性
記述12:皮膚腺病 (★2017-32)
高齢女性で見られた鎖骨上窩部の自覚症状を欠く紅色腫瘤
HEでは乾酪壊死が見られ、上肺野に結節影を伴う(肺結核から連続性に皮膚へ波及)
関連:2017 選択32
記述13:Sister (Mary) Joseph (★2012-63)
胃癌・大腸癌への臍転移
※「皮膚科学」ではMaryの記載がないのでどちらも可能と思われる。Mary Joseph'sという記載もありえる
関連:2012 選択63
記述14:Langhans
サルコイドーシスで特徴的な多核巨細胞→Langhans型巨細胞
記述15:Sustainable
持続可能な開発目標 = Sustainable Development Goals
※2022年に開催された121回日本皮膚科学会総会のテーマはこれをもじったSDGs(Sustainable Dermatology Goals)だった
記述16:先天性三角形 (★2019-8, 2016-4)
出生時からみられる不完全脱毛斑で軟毛を伴う
→先天性三角形脱毛症
記述17:elimination
穿孔性皮膚症の組織で特徴的なはtransepidermal elimination(経表皮排除)
記述18:リポイド類壊死症 (★2009-記18)
糖尿病患者で下腿前面にみられる褐色斑で組織学的に柵状肉芽腫を認めるがムチン沈着がない
→リポイド類壊死症
類似組織像でムチン沈着が目立つのが環状肉芽腫(こちらも汎発型は糖尿病に合併)
関連:2009 記述18 (ほぼ同一問題)
記述19 :毛包上皮腫?
顔面に多発する皮膚色の丘疹
CYLD遺伝子変異を有する場合、毛包上皮腫や円柱腫が多発する(Brooke-Spiegler症候群)
組織について要検討。外毛根鞘腫:Cowden症候群(PTEN遺伝子)か毛包上皮腫:Brooke-Spiegler症候群(CYLD遺伝子)のどちらかで良さそうで、臨床写真はあたらしい皮膚科学の毛包上皮腫に類似している
記述20:チェッカーボードパターン (★2020-17)
正角化と不全角化(錯角化)の交互配列をチェッカーボードパターンと呼ぶ
毛孔性紅色粃糠疹で見られる所見
関連:2020 選択17