皮膚科 皮膚科専門医試験対策

平成27(2015)年度 皮膚科専門医試験 過去問 解答解説 選択問題51〜75

2015-Specialist-3

日本皮膚科学会 皮膚科専門医試験 平成27(2015)年度解答解説を作成しました

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選択問題26〜50は下記

2015-Specialist-2
平成27(2015)年度 皮膚科専門医試験 過去問 解答解説 選択問題26〜50

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見出し

平成27年度(2015年度) 皮膚科専門医試験 過去問 解答解説 選択問題 51〜75

選択問題51:解答 1

選択問題51

79歳の男性. 初診の5年前より両下腿の暗赤色斑が出現し, 徐々に拡大したため当科を受診した(図15a). 病理所見(図15b)及び血清の所見(図15c)を示す. この疾患について誤っているものはどれか.

  1. Ⅰ型の原因として多発性骨髄腫, 悪性リンパ腫などが挙げられる.
  2. Ⅰ型の成分はモノクローナル抗体からなる単一型である.
  3. Ⅱ型ではC型肝炎との関連が注目されている.
  4. Ⅱ型が半数を占める.
  5. Ⅲ型では白血球破砕性血管炎がみられる.

図15aでは下腿の暗赤色斑が見られ、図15cでは4℃で沈降するが37℃加温で再溶解するグロブリンがみられる

クリオグロブリン血症の診断

I型は単クローン性増殖をきたす多発性骨髄腫が原因となる

クリオグロブリン血症

寒冷環境下(4℃)で沈降し、37℃加温で溶解する異常免疫グロブリンが生じる疾患

免疫グロブリン(Ig)のクローナリティで分類され、背景にIg増殖をきたす原疾患が存在する場合が多い

免疫グロブリン 原疾患 病態
Ⅰ型 単クローン性IgM/IgG 多発性骨髄腫 微小血栓
Waldenstromマクログロブリン血症
Ⅱ型 単クローン性IgM
+ 多クローン性IgG
C型肝炎 免疫複合体性血管炎
関節リウマチ
Ⅲ型 多クローン性Ig 膠原病
(SLE・Sjögren症候群等)
免疫複合体性血管炎
感染症
(ウイルス性肝炎・伝染性単核球症)
  • 単クローン型=腫瘍性増殖 (ex. 多発性骨髄腫)
  • 多クローン型=反応性増殖 (ex. 炎症性疾患)

なので、Ⅰ型とⅡ・Ⅲ型は原疾患が大きく異なる。一方でII型・III型間は重複がありえる(臨床症状も原疾患も重複あり)

  • 1. I型は多発性骨髄腫や原発性マクログロブリン血症など、形質細胞増多をきたす疾患が原因となる。悪性リンパ腫は一般的ではない→✗
  • 2. Ⅰ型は腫瘍性に増殖した単一の免疫グロブリンが原因となる
  • 3. II型やⅢ型、とくにII型はC型肝炎感染に伴う例が多い。以前本態性(原因不明)マクログロブリン血症とされたものの大部分は、HCV関連であったと考えられている
  • 4. II型が20%という記載もあり、半分という記載もある→? 詳細は下記
  • 5. Ⅱ/Ⅲ型では白血球破砕性血管炎(→浸潤をふれる紫斑や潰瘍)が特徴。一方I型は血栓症状が主体となる

選択肢4について。「あたらしい皮膚科学 第3版」ではII型が20%と記載されているが、II型が50%を占めるという記載も見られる(日内会誌 100:1289~1295, 2011や日本臨床76巻増刊6 血管炎 p398-400など)。教科書に従えば本選択肢が正解となり得る
ただI型は病態から考えて免疫グロブリン(形質細胞)の腫瘍性増殖で生じる。これらの疾患は一般に"免疫グロブリン異常症"と総称され「悪性リンパ腫」という選択肢1の表記は違和感があるため、筆者はこちらが正解と考えた

選択問題52:解答 1, 2

選択問題52

50歳の男性. 初診の半年前より右耳介に白色丘疹が出現し, 特に自覚症状がないために放置していたところ徐々に大きくなったため当科を受診した(図16a). ホルマリン(図16b)およびエタノール固定(図16c)の病理所見を示す. この疾患について誤っているものはどれか. 2つ選べ.

  1. 先天性の症例は常染色体劣性遺伝である.
  2. この病変の発生頻度に男女差はない.
  3. 薬剤性はアスピリンやサイアザイドなどで発症する.
  4. 重症型は白血病や悪性リンパ腫の化学療法後に多く認められる.
  5. 重症化すると関節や骨破壊が起きる.

右耳介の小結節で、真皮の無構造状物質沈着と周囲の異物肉芽腫がみられる

図16cのエタノール固定では針状の尿酸結晶が見られ、痛風結節の診断。高尿酸血症が持続することで生じる

尿酸結晶はホルマリン固定の過程で溶けて流出し通常のHE染色では無構造状物質としてみえるため、診断にはエタノール固定が有用

  • 1. 先天性疾患Lesch-Nyhan症候群は"X染色体"劣性遺伝形式をとり(→男児のみ)、プリン体代謝に関わる酵素、HPRT*欠損が原因
  • 2. 痛風結節は20:1で男性に多く、高尿酸血症も男性に多い
  • 3. アスピリン(少量投与)やサイアザイドは薬剤性高尿酸血症をきたす。なおサイアザイド系利尿薬は高Ca血症の副作用からビタミンD外用薬使用時も注意が必要
  • 4. 化学療法に伴う腫瘍崩壊症候群では、腫瘍細胞破壊に伴い高尿酸/カリウム/リン血症をきたす
  • 5. 重症化すると、潰瘍・関節破壊を生じえる

*ヒポキサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ

選択問題53:解答 3

選択問題53

72歳の男性. 末期腎不全, 十数年来の透析患者, 下腿皮膚潰瘍(図17a)で来院, 生検像を図17bに示す. 考えられる疾患はどれか.

  1. 抗リン脂質抗体症候群
  2. 結節性多発動脈炎
  3. カルシフィラキシス (calciphylaxis)
  4. コレステロール結晶塞栓症
  5. 閉塞性動脈硬化症

図17aでは下腿に紫斑を伴う潰瘍がみられ、図17bでは血管壁に著明な石灰沈着をきたしている

長年の透析歴と併せて、カルシフィラキシスの診断→3

カルシフィラキシス (calciphylaxis)

カルシフィラキシーとも呼ばれる

長期血液透析患者において二次性の副甲状腺機能亢進*から、小動脈石灰化をきたす

強い疼痛を伴い急速に拡大する潰瘍をきたし、予後不良

*高リン血症→血中Ca低下→副甲状腺機能亢進

  • 組織:真皮や皮下脂肪組織で小動脈壁の石灰化が見られる
  • 治療:副甲状腺摘出, チオ硫酸ナトリウム投与
    ※ワルファリンは危険因子とされる
2015-Calciphylaxis

参考文献より引用, 動脈壁の石灰化がみられ、B コッサ染色(カルシウムを染める)で著明になっている

  • 1. 抗リン脂質抗体症候群:凝固能亢進に伴って動静脈血栓症や習慣性流産を生じる。皮膚症状は血管炎様
  • 2. 結節性多発動脈炎:小動脈〜中動脈で白血球破砕性血管炎をきたすANCA陰性血管炎。皮膚ではリベドや紫斑・潰瘍がみられる
  • 3. カルシフィラキシス:透析患者に好発する皮膚潰瘍をきたす
  • 4. コレステロール結晶塞栓症:カテーテル治療後等に四肢末端で強い疼痛を伴う紫斑が生じ、blue toe syndromeと呼ばれる。血管内のコレステリン塞栓(HEでは固定されず白く抜ける)が見られる
  • 5. 閉塞性動脈硬化症:動脈硬化性変化(ABI低下)に伴って下腿や足趾の潰瘍をきたす

関連:2011 選択59 (臨床問題, X線での石灰化)

選択問題54:解答 3

選択問題54

14歳の男児. 2年前から両側親指の爪正中に変形が生じてきた(図18). 考えられる疾患はどれか.

  1. 爪白癬
  2. 扁平苔癬
  3. tic deformity (habit-tic deformity)
  4. 爪下ボーエン病
  5. nail-patella syndrome

写真では両1指爪の中央部で爪先端〜爪母に到る陥凹がみられ、habit-tic deformityの像→3

habit-tic deformity (tic deformity)

爪に対して習慣的(habit-tic)な外的刺激が加わり生じる変形(deformity)

小児に多く、爪を無意識に擦って刺激することで生じる

  • 部位:母指に好発
  • 特徴:爪甲中央の陥凹と横方向の平行な隆起(洗濯板様)
    ※爪肥厚はない
2015-habit-tic-deformity

参考文献より引用, 両母指爪の中央が陥没し、横方向に波打っている

  • 1. 爪白癬:爪の混濁や肥厚をきたし、足(とくに母趾)に好発する
  • 2. 扁平苔癬:爪甲縦溝や菲薄化、萎縮などをきたす
  • 3. tic deformity:爪甲損傷癖
  • 4. 爪下Bowen病:HPV-16などの感染が原因だが、(腫瘍性疾患のため)両側性でなくまた発症は中高年以降
  • 5. nail-patella syndrome:膝蓋骨(patella)の形成不全/欠如と爪発育不全をきたす常染色体優性遺伝疾患

選択問題55:解答 4

選択問題55

74歳の男性. 初診の1年前より左4趾に暗赤色丘疹が出現し, 徐々に拡大したため当科を受診した(図19a). 病理所見を示す(図19b). この疾患について正しいものはどれか.

  1. 足(趾を含む)に好発する.
  2. 夏季に増悪する.
  3. 内部に血液が貯留し暗赤色を呈する.
  4. 通常は単発である.
  5. 思春期に好発する.

足趾の皮下腫瘤で、組織学的に断頭分泌(アポクリン分泌)の像がみられることからアポクリン嚢腫の診断

通常は単発で顔面領域に好発する→4

アポクリン汗嚢腫 (apocrine hidrocystoma)

中年以降の顔面・耳に好発する汗腺系腫瘍

  • 臨床像:単発でドーム状に隆起する透明〜青色の結節
  • 組織:アポクリン分泌(断頭分泌)*が特徴

*管腔に面した細胞質がちぎれて分泌される分泌形式

2015-apocrine-hidrocystoma

参考文献より引用, 内腔側へ断頭分泌する像がみられる

関連問題(汗腺系腫瘍について)

選択問題56:解答 4, 5

選択問題56

5mm以上離して切除すべき基底細胞癌はどれか. 2つ選べ.

  1. 頬部, 長径約5mmの結節型
  2. 前胸部, 長径約15mmの表在型
  3. 鼠径部, 長径約10mmの結節型
  4. 前額部, 長径約5mmの再発病変
  5. 鼻根部, 長径約5mmの斑状強皮症型

再発リスクが高い場合や斑状強皮症型では、5〜10mm以上離しての切除が推奨→4, 5

基底細胞癌 切除マージン

基底細胞癌の切除マージンの推奨は下記の通り(2015ガイドライン)

  • 低リスク群:4mm (強く推奨)
  • 高リスク群:5〜10mm

ここで高リスク群は下記の条件を満たすもののことを呼ぶ

(1つでも該当すれば高リスク)

部位/腫瘍径 高リスク部位(頬・前額以外の顔, 外陰, 手, 足)
で6mm以上
中リスク部位(頬, 前額, 頭, 頚部, 前脛骨部)
で10mm以上
低リスク部位(体幹, 四肢)
で20mm以上
境界 不明瞭
再発歴 あり
免疫抑制状態 あり
局所放射線治療歴 あり
組織型
  • 斑状強皮症型
  • 硬化型
  • 浸潤型
  • 微小結節型
神経周囲浸潤 あり

よって本問の解答は下記となる

  • 1. 頬部(中リスク部位)で<10mm、結節型→低リスク
  • 2. 前胸部(低リスク部位)で<20mm、表在型→低リスク
  • 3. 鼠径部(低リスク部位)で<20mm、結節型→低リスク
  • 4. 前額部(中リスク部位)で<10mmだが再発病変→高リスク
  • 5. 鼻根部(高リスク部位)で<6mmだが斑状強皮症型→高リスク

基底細胞癌診療ガイドライン(2021)での変更点

従来の推奨は上記であったが、2021年発行のガイドラインでは下記のように記載されている

「低リスク群では 4mmマージンで脂肪織を十分含めるレベルで,高リスク群では可能で有れば迅速診断や二期的手術を用いて,さらに広いマー ジンでの切除を推奨」

-皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン第3版 基底細胞癌診療ガイドライン2021 p1478-

→つまり、「5mm以上」という記載がなくなっている

記載変更の背景として、国内での臨床研究で

  • 境界明瞭な有色素性基底細胞癌であれば、2mm/3mmマージンで切除断端陰性率が95.3%/100%
  • 3mmマージンで低リスク群なら100%近く、高リスク群でも88〜98.1%が切除断端陰性

のような結果が出ていることが挙げられている

つまりマージンの少ない低侵襲手術で腫瘍が十分取り切れる例が多いことが判明してきているため、縮小手術の流れとなっている

選択問題57:解答 2, 3, 5

選択問題57

疣状癌(verrucous carcinoma)と病理組織診断される病変はどれか. 3つ選べ.

  1. keratoacanthoma
  2. epithelioma cumicuratum
  3. oral florid papillomatosis
  4. lichen sclerosus et atrophicus
  5. giant condyloma acuminatum

疣状癌 (verrucous carcinoma)

臨床的に疣状ないしカリフラワー状を呈する高分化低悪性度の有棘細胞癌の一型

局所の増殖は強いが、転移は稀

部位に応じて各々の名称がある

部位 英名 和名
口唇 oral florid papillomatosis 口腔花菜状乳頭腫症
外陰部 giant‌ condyloma‌ acuminatum 巨大尖圭コンジローマ
(Buschke-Löwenstein腫瘍)
足底 epithelioma‌ cuniculatum
下腿 papillomatosis cutis carcinoides 偽癌性皮膚乳頭腫症

本問の解答は下記

  • 1. keratoacanthoma(ケラトアカントーマ):顔面で急速増大・自然消退の経過をとる有棘細胞癌の亜型。BRAF阻害薬ベムラフェニブの有害事象の一つ
  • 3. oral florid papillomatosis:高齢者の口唇や口角粘膜で生じ、義歯・パイプ・口腔不衛生・白板症等が誘因となる
  • 4. lichen sclerosus et atrophicus(硬化性萎縮性苔癬):主に女性外陰部に症じる白色局面で、有棘細胞癌の前癌病変となる
  • 5. giant condyloma acuminatum:尖圭コンジローマはHPV-6や11が原因となる

関連:2010 選択73 (疣状癌に分類される腫瘍)

選択問題58:解答 1, 4

選択問題58

多形皮膚萎縮がみられる疾患はどれか. 2つ選べ.

  1. 色素性乾皮症
  2. アトピー性皮膚炎
  3. 全身性強皮症
  4. 菌状息肉症
  5. Werner症候群

多形皮膚萎縮がみられやすいのは色素性乾皮症および菌状息肉症→1, 4

多形皮膚萎縮 (ポイキロデルマ)

皮膚萎縮・色素異常と毛細血管拡張症の混在する状態

様々な疾患の皮膚病変の終末像という側面があり、下記のような原因疾患がある

  • 膠原病:皮膚筋炎, SLE, 強皮症
  • リンパ腫:菌状息肉症
  • 炎症性皮膚疾患:湿疹続発性紅皮症, 扁平苔癬
  • 皮膚障害:慢性放射線皮膚炎, 慢性日光皮膚炎, 外傷性瘢痕
  • 遺伝性疾患:色素性乾皮症, 先天性表皮水疱症, Rothmund-Thomson症候群
  • 1. 色素性乾皮症:日焼けを反復し、皮膚が乾燥・粗造化する。多形皮膚萎縮をきたす代表的疾患
  • 2. アトピー性皮膚炎:成人まで経過する慢性型で見られることがあるが、頻度としては少ない→△
  • 3. 全身性強皮症:Raynaud現象や浮腫性硬化が主体だが、進行すると毛細血管拡張や色素沈着をきたすことがある→△
  • 4. 菌状息肉症:紅斑期では進行に伴って、皮膚萎縮や色素沈着をきたすことが多い
  • 5. Werner症候群:△ 早老症で、全身の皮膚萎縮や強皮症様変化・足潰瘍などを生じる※

※早老症ではRothmund-Thomson症候群が多形皮膚萎縮をきたす

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p75/235(1)/121(2)/201(3)/469(4)/340(5)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p490/279(1)/151(2)/401(3)/705(4)/497(5)

選択肢3・4について。強皮症は「あたらしい皮膚科学 第3版」「皮膚科学 第11版」いずれにも、Werner症候群は「皮膚科学 第11版」に多形皮膚萎縮の基礎疾患として記載がある。多形皮膚萎縮自体が"様々な皮膚疾患の終末像"であるため、どの病気でも見られえるが頻度の点から選択肢1・4が相対的に正解と考えた

関連問題

  • 2011 選択62 (原疾患:放射線皮膚炎, Rothmund-Thomson症候群, 色素性乾皮症)
  • 2010 選択61 (症状:色素沈着/脱失, 毛細血管拡張)

選択問題59:解答 3

選択問題59

生後21日の男児. 出生時より, 左大腿内側に赤紫色の軟らかい腫瘤があり, 急激に増大, 隆起し, 1週間後には暗赤色調となり, 硬くなってきた. 初診時, 図20aのような暗赤色の皮下硬結が認められ, 皮膚生検で図20bの病理組織所見がみられた. 次に, 行うべき検査はどれか.

  1. 超音波検査
  2. MRI検査
  3. 末梢血液・凝固系検査
  4. X線検査
  5. 血液培養検査

図20aでは左大腿内側に暗赤色調の腫瘤がみられ、図20bでは紡錘形の内皮細胞増殖がみられる

組織学的にはカポジ肉腫様血管内皮腫の診断

血管腫内での出血によるDIC(カサバッハ・メリット症候群)が考えられ、末梢血や凝固能検査が必要→3

カポジ肉腫様血管内皮腫 (Kaposiform hemangioendothelioma)

乳児期に好発する血管腫

通常の乳児血管腫より局所浸潤性が強く、腫瘍内出血によるカサバッハ・メリット症候群*をきたしやすい

  • 組織(HE):名前の通りカポジ肉腫に類似した紡錘形細胞の増殖がみられる
  • 免疫染色:CD31/34(血管内皮細胞マーカー)陽性, D2-40(リンパ管マーカー)陽性, HHV-8陰性
  • 治療:ステロイド内服やビンクリスチン点滴の他、プロプラノロール(ヘマンジオル®シロップ)やシロリムス内服も行われる
2015-Kaposiform hemangioendothelioma

参考文献より引用

*腫瘍内での出血により暗紫色の色調をきたし、血小板が消費されることによりDICをきたす

  • 1・2・4. 超音波検査・MRI検査・X線検査:形態学的評価として行われることはあるが、DICの診断・治療が優先

選択問題60:解答 2

選択問題60

2014年, 進行期悪性黒色腫に対し, 日本で初めて承認をされた免疫チェックポイント阻害剤はどれか.

  1. イピリムマブ
  2. ニボルマブ
  3. ペンブロリズマブ*
  4. ベムラフェニブ
  5. トラメチニブ

*ペムブロリズマブの表記が一般的だが出題に従った

日本で最初に承認された免疫チェックポイント阻害剤はニボルマブ→2

国内の製薬会社小野薬品の開発薬で、日本が世界で最も早く承認を受けた国となった

  • 1. イピリムマブ(ヤーボイ®):抗CTLA-4抗体で、2015/7承認。2との併用療法も行われる
  • 2. ニボルマブ(オプジーボ®):抗PD-1抗体で、2014/7承認。開発者の本庶佑氏は2018年にノーベル医学生理学賞を受賞した
  • 3. ペンブロリズマブ(キイトルーダ®):抗PD-1抗体で、2016/9承認。イピリムマブとの併用療法は行われない
  • 4. ベムラフェニブ(ゼルボラフ®):BRAF阻害薬で、2014/12承認。対になるMEK阻害薬が日本未発売のため近年は使われない
  • 5. トラメチニブ(メキニスト®):MEK阻害薬で、2016/3承認。BRAF阻害薬ダブラフェニブ(タフィンラー®)とセットで使われる

※すべて悪性黒色腫に保険適用だが、4・5は免疫チェックポイント阻害剤ではなくBRAF/MEK阻害薬

  • 参考:各薬剤インタビューフォーム

選択問題61:解答 4

選択問題61

日光(光線)角化症について, 誤っているものはどれか.

  1. 皮角を呈することがある.
  2. 多発例では有棘細胞癌への進展リスクが高い.
  3. 白人では多発例が多い.
  4. 男性より女性に多く発症する.
  5. スキンタイプⅠ, Ⅱは発症リスクが高い.

日光角化症は男女ほぼ同数発症する→4

  • 1. 角質増殖が高度になると、突出して皮角を呈することがある
  • 2. 有棘細胞癌の前癌病変であり、進展しえる。数が多ければリスクも上昇する*
  • 3・5. 白人など皮膚色の薄い人(スキンタイプI・II型)に生じやすい
  • 4. 性差についての報告は少ないが、明確な男女差はない(下記参照)

*オーストラリアの白人ベースの研究では、個々の病変が1年間で有棘細胞癌へ進展する確立は0.1%以下、複数の病変を有する患者が10年間で有棘細胞癌を生じる確立は10%以下と考えられている

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p449(1・2・3)/109(5)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p624(1・2・3)

選択肢4について。「皮膚悪性腫瘍の統計過去 (Skin Cancer 22巻3号 p209-216)」では日光角化症が増加し, 本症は女性に多く, かつ有棘細胞癌に変化するので(後略)と記載されている。他方「皮膚悪性腫瘍ガイドライン第3版 有棘細胞癌診療ガイドライン 2020 日皮会誌:130(12), 2501-2533, 2020」では(有棘細胞癌の)男女比は 1.15:1と男性が若干多かったと記載されている。(日光角化症自体の疫学は記載がないが、前癌病変のため男女同等〜男性がやや多いと推察される)

→つまり日光角化症の男女比は文献によって記載が異なる

本問ではその他選択肢が明確に正解なため、相対的に誤り選択肢と考えた。

関連:2013 選択68 (疫学, 好発人種など)

選択問題62:解答 5

選択問題62

47歳の女性. 糖尿病精査のため内科通院中. 初診の4年前より右手掌に小腫瘤が出現し, 徐々に拡大したため皮膚科を受診した(図21a). 切除病変の病理所見を示す(図21b〜c). 正しいのはどれか.

  1. dermatofibroma
  2. soft fibroma
  3. neurofibroma
  4. acquired digital fibrokeratoma
  5. sclerotic fibroma

手掌の境界明瞭な小結節であり、組織学的に変性した膠原線維が目立ち細胞成分は乏しい

糖尿病を合併しており、sclerotic fibroma(硬化性線維腫の診断)→5

硬化性線維腫 (sclerotic fibroma)

皮膚線維腫の亜型で、四肢に好発する小結節をきたす

多発例はCowden病に合併することがあり、糖尿病の合併もある

組織:ヒアリン化*した膠原線維が花むしろ様に増殖し、細胞成分に乏しい

2015-sclerotic-fibroma

参考文献より引用, 境界明瞭な結節病変で強拡ではヒアリン化した膠原線維がみられ細胞成分は乏しい

*膠原線維が融合し、均質に好酸性に染まる所見

  • 1. dermatofibroma(皮膚線維腫):膠原線維や線維芽細胞の増殖がみられ、表皮基底層でのメラニン沈着を伴う。5と比較して細胞成分が多い
  • 2. soft fibroma(軟性線維腫):有茎性の常色〜淡褐色調腫瘤で、頚部に多発する小型のものはアクロコルドンと呼ばれる。膠原線維の増生が主体
  • 3. neurofibroma(神経線維腫):NF1で多発する。紡錘形の腫瘍細胞や膠原線維の増生、間質での肥満細胞浸潤が特徴
  • 4. acquired digital fibrokeratoma(後天性指趾被角線維腫):指趾に好発する表面に過角化を伴う小結節。結節性硬化症で爪囲に生じるケーネン腫瘍が代表例
  • 5. sclerotic fibroma:ヒアリン化した膠原線維が目立ち細胞成分が少ない点や、糖尿病合併が特徴

選択問題63:解答 2

選択問題63

モガムリズマブが標的としている分子はどれか.

  1. CCL17
  2. CCR4
  3. CD4
  4. IL-2
  5. TLR4

モガムリズマブ(ポテリジオ®)のターゲットはCCR4→2

(CCR4陽性の)成人T細胞白血病/リンパ腫(ATLL)や菌状息肉症で用いられる

*TEN:中毒性表皮壊死症

関連問題

選択問題64:解答 5

選択問題64

成人T細胞白血病/リンパ腫の臨床病型(下山分類)に含まれないのはどれか.

  1. 急性白血病型
  2. 慢性白血病型
  3. リンパ腫型
  4. くすぶり型
  5. 紅皮症型

紅皮症型という分類はない→5

成人T細胞白血病/リンパ腫の病型分類

リンパ球(異常リンパ球)数、LDH・血清Ca濃度・臓器病変などに応じて分類される

くすぶり型 慢性型 リンパ腫型 急性型
抗HTLV-1抗体 + + + +
リンパ球数(x109/L) <4 ≧4a <4
異常T細胞 ≧5% +b ≦1% +b
flower cell
(花弁状細胞)
しばしば しばしば なし +
LDH ≦1.5N ≦2N
補正Ca値(mg/dL) <11 <11
リンパ節浸潤 なし +
臓器病変 皮膚 *
*
肝腫大 なし
脾腫大 なし
中枢神経 なし なし
なし なし
胸水 なし なし
腹水 なし なし
消化管 なし なし
  • N:正常値上限, 空欄:規定なし, *:末梢血異常T細胞が5%以下の場合に診断根拠として必要
  • a:T細胞が3.5×109/L以上, b:異常T細胞が5%以下の場合, 組織学的診断が必要

各病型について簡略化すると以下

  • 1. 急性白血病型:末梢血での花弁状T細胞(flower cell)出現が特徴
  • 2. 慢性白血病型:末梢血中で異常リンパ球やリンパ球数の増加がみられる
  • 3. リンパ腫型:末梢血所見は乏しく、リンパ節病変がみられる
  • 4. くすぶり型:末梢血中に異常リンパ球がみられるが、白血球数は正常(慢性型との違い)

1・3は臨床症状が強く早期の治療が、2・4は慢性型のため無治療経過観察が主体

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p475
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p714

選択問題65:解答 4

選択問題65

31歳の男性. 1年前より右肩部の熱傷瘢痕部に腫瘤が出現, 徐々に増大した. 図22aに初診時所見と図22bに生検像を示す. 筋層内浸潤像があり, 病変を構成する細胞は免疫染色所見はCD34(+), S100(-), desmin(-), α-SMA(-), EMA(-), cytokeratin(-)である. 最も考えられる疾患はどれか.

  1. 悪性線維性組織球腫
  2. 平滑筋肉腫
  3. 紡錘形細胞型扁平上皮癌
  4. 隆起性皮膚線維肉腫
  5. 悪性末梢神経鞘腫瘍

図22aでは暗赤色に隆起した腫瘤がみられ、図22bでは紡錘形細胞が浸潤性増殖をきたしている

CD34(+)より隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)を最も考える→4

  • 1. 悪性線維性組織球症(MFH):EMA・cytokeratin・CD34・α-SMA・desminはいずれも陰性。現在は未分化多形肉腫と呼ばれる※
  • 2. 平滑筋肉腫:皮膚型と皮下型に分けられ、α-SMAやdesminが陽性
  • 3. 紡錘型細胞型扁平上皮癌:扁平上皮癌だが、紡錘形細胞が主体で肉腫様に見える上皮系腫瘍であり、サイトケラチン陽性となる
  • 4. 隆起性皮膚線維肉腫:花むしろ様配列や、免疫染色でのCD34(+), 血液凝固第ⅩⅢ因子(-)が特徴。腫瘍細胞ではCOL1A1-PDGFB融合遺伝子がみられる
  • 5. 悪性末梢神経症鞘腫:NF1で多発する神経線維種の悪性化ver。シュワン細胞由来でS-100陽性となる

※悪性線維性組織球症はもともと5型に細分類されており、その中で粘液型・類血管型を除く未分化なものが未分化多形肉腫に分類されるようになった

関連問題

選択問題66:解答 3

選択問題66

64歳の男性. 2ヶ月前より図23aの右背部に自覚症状を伴わない皮疹が出現した. 発熱, 白血球増多, 及び画像上リンパ節の腫大などの所見はない. 生検像を図23b, その拡大像を図23cに示す. 組織球様細胞の免疫染色の所見はCD1a(-), S-100(+), CD68(+)である. 最も考えられる疾患はどれか.

  1. リンパ腫様丘疹症
  2. Langerhans細胞組織球症
  3. 皮膚型Rosai-Dorfman病
  4. 黄色肉芽腫
  5. 細網組織球症

背部で紅色の丘疹が集簇しており、マクロファージ内にリンパ球が取り込まれる像がみられる

S-100およびCD68陽性から、Rosai-Dorfman病を考える→3

Rosai-Dorfman病

反応性(↔腫瘍性)の組織球増殖性疾患

両側頚部の無痛性リンパ節腫脹をきたし、皮膚病変では紅褐色の丘疹〜結節・局面を生じる

皮膚病変のみ生じるものは皮膚型と呼ばれる

  • 組織:マクロファージ(組織球)内にリンパ球や好中球が取り込まれた像(emperipolesis)が特徴※
  • 免疫染色:CD68(+), S-100(+), CD1a(-)
  • 予後:自然消退することも多く良好

※貪食と異なり取り込まれた細胞の破壊を伴わなず、細胞膜が保たれる

2015-Rosai-Dorfman

参考文献より引用, 組織球に取り込まれるリンパ球・好中球の像(矢印)があり、腫瘍細胞はS-100陽性

関連問題(組織球症)

選択問題67:解答 3

選択問題67

60歳の男性. 骨髄異形成症候群, 臍帯血移植を施行後, 40℃の発熱, 貧血, 白血球低下が著明にみられ, 体幹・四肢に図24aのような皮疹があった. 図24bは潰瘍部真皮下層の生検拡大像である. 最も考えられる感染症疾患はどれか.

  1. 皮膚アスペルギルス症
  2. 放線菌症
  3. 壊疽性膿瘡
  4. 尋常性狼瘡
  5. 皮膚ムコール症

図24aで右背部に紅暈を伴う潰瘍がみられ、図24bでは真皮下層に菌塊がみられる

壊疽性膿瘡を最も考える像→3

壊疽性膿瘡

免疫不全患者に発症する皮膚感染症

中心部で紅暈を伴う膿疱から始まり、進行すると潰瘍・壊疽へ到る病変が多発する

急性型は敗血症に伴い発症する(慢性型は局所感染に続発)

原因菌:緑膿菌が多い

  • 1. 皮膚アスペルギルス症:長期臥床やギプス固定の部位から皮膚に侵入(原発性) or 肺病変に続発(続発性)の形態をとり、急性経過ではない
  • 2. 放線菌症:口腔や扁桃に常在するグラム陽性桿菌で、軽微な外傷から侵入して頭頚部周囲に病変形成する。組織学的に膿瘍内の菌塊がみられる
  • 3. 壊疽性膿瘡:免疫不全者で急性な経過を取る潰瘍であり、臨床像とも合致する
  • 4. 尋常性狼瘡:結核菌による真性皮膚結核の一つ。慢性経過で、有棘細胞癌の母地となる。 組織学的に類上皮細胞性肉芽腫が特徴
  • 5. 皮膚ムコール症:免疫不全者に多く、鼻尖部などで急速に壊疽を生じる
  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p515(3)/544(1)/530(2)/547(4)/545(5)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p852(3)/920(1)/856(2)/863(4)/921(5)

選択問題68:解答 4

選択問題68

しばしば多毛を伴うのはどれか.

  1. 結合組織母斑
  2. 軟骨母斑
  3. 表皮母斑
  4. 平滑筋母斑
  5. 面皰母斑

多毛を伴うのは平滑筋母斑で、出生時〜生後6ヶ月以内に生じる→4

同様に多毛を伴うものにBecker母斑があるが、こちらは思春期男性に好発

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p388(1・2・4)/385(3)/387(5)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p566(2・4)/565(1)/547(3)/549(5)

関連

選択問題69:解答 3

選択問題69

足底色素斑をダーモスコピーで観察した(図25). 考えられる疾患はどれか.

  1. malignant melanoma in situ
  2. malignant melanoma, invasive lesion
  3. junctional nevus
  4. compound nevus
  5. intradermal nevus

皮溝部に並行な規則的色素沈着(parallel furrow pattern)がみられ、境界母斑を考える→3

皮丘部にも網状の色素沈着があり、網状亜型(crista reticulated variant)に該当

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p56・378-379
  • 参考書籍:ダーモスコピー超簡単ガイド 改訂第2版 p92(3)/154(1)/153(2)/130(5)
    ※p92の写真は本問と同一

関連問題

選択問題70:解答 4

選択問題70

図26aの皮疹のダーモスコピーを図26bに示す. 最も考えられる疾患はどれか.

  1. 基底細胞癌
  2. 尋常性疣贅
  3. 脂漏性角化症
  4. 日光(光線)角化症
  5. 無色素性悪性黒色腫

図26aでは紅色局面が、図26bでは紅色の背景で毛包部(白)をさける分布(strawberry pattern)がみられ、日光角化症の像→4

紅色は真皮内の毛細血管拡張を反映

日光角化症の病変は毛包部・汗孔部を避けるため、毛包部は正常で白く抜ける

  • 1. 基底細胞癌:樹枝状血管(arborizing vessels)潰瘍形成・葉状領域(leaf-like areas)Spoke wheel areas(車軸状領域)などが特徴
  • 2. 尋常性疣贅:角化を伴い、点状出血や毛細血管拡張が見られる
  • 3. 脂漏性角化症:comedo-like openings(面皰様開大)やmultiple milia-like cyst(多発性稗粒腫様嚢腫)が特徴
  • 4. 日光角化症:真皮内のびまん性血管拡張に対応する紅色部分と、イチゴの白いタネに対応する毛包がみられる
  • 5. 無色素性悪性黒色腫:線状や小点状の不規則な血管拡張が見られる
  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p62(4)/58(1)/63(2)/59(3)
  • 参考書籍:ダーモスコピー超簡単ガイド 改訂第2版 p65(4)/158-167(1)/186(2)/168-171(3)/122(5)

選択問題71:解答 3

選択問題71

腹部の黒色調小結節をダーモスコピーで観察した(図27). 最も考えられる疾患はどれか.

  1. 基底細胞癌
  2. 悪性黒色腫
  3. 被角血管腫
  4. 色素細胞母斑
  5. 汗孔腫

図27では赤み〜黒色を帯びた均一構造がみられ、血管腫の像→3

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p61(3)/58(1・2)/54(4)
  • 参考書籍:ダーモスコピー超簡単ガイド 改訂第2版 p172(3)/158-167(1)/152(2)/36(4)/190(5)

選択問題72:解答 1, 3

選択問題72

図28に示すような所見がみられることがある疾患はどれか. 2つ選べ.

  1. 虫刺症
  2. Sweet病
  3. Wells症候群
  4. 腸性肢端皮膚炎
  5. 成人Still病

図28では膠原線維が変性し、好酸球顆粒が付着して炎のようにみえる所見(flame figures)が見られる

Wells症候群(好酸球性蜂窩織炎)など好酸球が増加する疾患でみられる→1, 3

好酸球性蜂窩織炎 (Wells症候群)

感染症や虫刺症を契機に、四肢で瘙痒を伴う浮腫性紅斑・水疱をきたす

  • 検査:末梢血好酸球増加
  • 組織:flame figures*が特徴
  • 治療:ステロイド内服・外用

*変性した膠原線維に好酸球顆粒が付着する所見。Wells症候群の8割に見られるが、虫刺症・水疱性類天疱瘡等の好酸球が増加する疾患でも出現することがある

  • 1. 虫刺症:好酸球増多をきたし、flame figuresも見られる。Wells症候群の契機ともなる
  • 2. Sweet病:白血病等にともなって出現する有痛性隆起性紅斑で、組織では真皮血管周囲の好中球浸潤が特徴
  • 3. Wells症候群:flame figuresをきたす代表的疾患
  • 4. 腸性肢端皮膚炎:先天性の亜鉛輸送蛋白異常による亜鉛欠乏症。組織ではLangerhans細胞の減少がみられ、壊死性遊走性紅斑に類似する
  • 5. 成人Still病:周期的発熱に伴うサーモンピンク疹や関節症状をきたす。持続性皮疹では、角化細胞の個細胞壊死がみられる

関連2017 選択84 (★写真と選択肢は異なるがほぼ同一問題)

選択問題73:解答 1, 5

選択問題73

次の組合わせで正しいものはどれか. 2つ選べ.

  1. 円柱腫 - Brooke-Spiegler症候群
  2. 毛盤腫 - 筋緊張性ジストロフィー
  3. 毛母腫 - Cowden病
  4. 外毛根鞘腫 - Birt-Hogg-Dubé症候群
  5. 基底細胞癌 - Gorlin症候群
  • 1. 円柱腫:CYLD遺伝子変異によるBrooke-Spiegler症候群(AD)で多発する
  • 2. 毛盤腫:アクロコルドンとともにBirt-Hugg-Dubé症候群で見られる。癌抑制遺伝子フォリクリンをコードするBHD遺伝子変異が原因(AD)で、肺嚢胞や腎細胞癌を合併する
  • 3. 毛母腫(石灰化上皮腫):多発例は筋緊張性ジストロフィーでみられる
  • 4. 外毛根鞘腫:PTEN遺伝子変異に伴うCowden症候群(AD)で多発する。なおCowden症候群ではsclerotic fibromaも生じる
  • 5. 基底細胞癌:Gorlin症候群(基底細胞母斑症候群)では若年から多発する。癌抑制遺伝子PTCH1遺伝子変異が原因(AD)で、その他掌蹠点状陥凹・顎骨嚢胞が特徴

*AD:常染色体優性遺伝

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p415(1)/410(3)/411(4)/403(5)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p623(1)/588・606(2)/610(3)/587・609(4)/586(5)

関連問題

  • 2021 選択69 (PTEN遺伝子変異による疾患:Cowden症候群)
  • 2017 選択60 / 2016 選択67 / 2014 選択46 (Gorlin症候群について:症状, 原因遺伝子など)
  • 2014 選択67 (Brooke-Spiegler症候群でみられる腫瘍:毛包上皮腫・円柱腫・エクリンらせん腺腫)
  • 2013 選択69 / 2011 選択77 (毛母腫が多発する疾患:筋緊張性ジストロフィー)

選択問題74:解答 2, 4

選択問題74

図29に病理像を示した腫瘍のうち, Muir-Torre症候群で特異的に出現するものはどれか. 2つ選べ.

  1. a
  2. b
  3. c
  4. d
  5. e

Muir-Torre症候群では脂腺系腫瘍やケラトアカントーマがみられる→2, 4

Muir-Torre症候群

DNAミスマッチ修復*を行うMSH遺伝子変異が原因(常染色体優性遺伝)

高発癌症候群の一つで、脂腺腫瘍や多発性ケラトアカントーマに内臓悪性腫瘍(消化器・泌尿生殖器)を伴う

*DNA複製や遺伝子組み換え時に生じるミス(放置すると癌化)を修正する機構。異常でMuir-Torre症候群や遺伝性非ポリポーシス大腸癌(リンチ症候群)の原因になる

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p455/444(a)/412(b)/456(c)/453(d)/414(e)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p615/641(a)/614(b)/648(c)/639(d)/616(e)

関連問題

選択問題75:解答 5

選択問題75

図30に示した病理組織像を呈する疾患で, 腫瘍細胞がdesmin陽性となるものはどれか.

  1. a
  2. b
  3. c
  4. d
  5. e

desminは平滑筋や横紋筋にて陽性となる

選択肢では平滑筋腫で陽性→5

  • a. 神経鞘腫*:細長い核が柵状にならぶAntoni A領域(血流豊富)と細胞成分が疎なAntoni B領域から構成される。S-100陽性
  • b. 隆起性皮膚線維肉腫(DFSP):紡錘形の核を有する腫瘍細胞が花むしろ状に増殖し、浸潤する。CD34陽性
  • c. グロムス腫瘍*:爪甲下に好発し、好酸性の細胞質を有する腫瘍細胞が増殖する。血管平滑筋細胞由来でα-SMA陽性、desminは陰性が多い
  • d. 皮膚線維腫*:真皮〜皮下で膠原線維の増生がみられる。悪性であるDFSPと比較して太い膠原線維が多く、CD34(-)も鑑別点
  • e. 平滑筋腫*:平滑筋由来の腫瘍であり、desminやアクチン陽性となる

*有痛性腫瘍(ANGEL)でもある

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p49/420(a)/461(b)/426(c)/431(d)/439(e)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p48/736(a)/667(b)/686(c)/658(d)/673(e)

選択肢3について。グロムス腫瘍でもdesmin陽性となることがある(「あたらしい皮膚科学 第3版」は陽性と記載)が、陽性率が低く選択肢5と比較して相対的に間違い選択肢と考えた。陽性率等については下記リンク先参照

関連2021 選択86 (グロムス腫瘍とdesmin染色)

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