皮膚科 皮膚科専門医試験対策

令和7(2025)年度 皮膚科専門医試験 過去問 解答解説 選択問題31〜60

2026年4月12日

2025-Specialist-2

日本皮膚科学会 皮膚科専門医試験 令和7(2025)年度解答解説を作成しました

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※正式な解答は公表されていないので、筆者が考える解答をここでは記載しています

選択問題1〜30は下記

2025-Specialist-1
令和7(2025)年度 皮膚科専門医試験 過去問 解答解説 選択問題1〜30

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令和7年度(2025年度) 皮膚科専門医試験 過去問 解答解説 選択問題 31〜60

選択問題31:解答 1

スポロトリコーシスに関する出題

本邦での発症数は"減少傾向"にある→1

  • 1. 本邦での発症数は1980年代をピークに減少傾向で、2010年以降の年間報告数は平均10例前後→✗
  • 2. 成人ではリンパ管に沿って飛び石状に病変をきたすリンパ管型が上肢に多く、小児では顔面に単発する限局型が多い
  • 3. 本邦での主な原因菌腫は現在Sporothrix globosaとされる※
  • 4. ヨウ化カリウムは最も安価で有効性の高い薬剤だが保険適用はない。その他温熱療法も有効
  • 5. 組織学的にエオジン好染の星状体(asteroid body)が認められる場合がある

※本邦におけるスポロトリコーシスの原因菌腫は従来S. schenckiiとされてきたが、分子生物学的な検討の結果これは97%がS. globosaであったことが判明している

教科書(あたひふや皮膚科学等)ではSporothrix schenckiiが原因と記載されているので注意

「スポロトリコーシスは日本で最も頻度の高い深在性真菌感染症」と教科書には記載されているのもやや紛らわしい点。2025年ガイドラインでも本邦では原発性のものはスポロトリコーシスが多く(後略)と書かれているので深在性真菌症の中で頻度が高いこと自体は間違いではないが、絶対数としては減っていると認識しておきたい

関連問題

選択問題32:解答 2, 3, 4

病変部のメラノサイト数に異常がみられる疾患を問う出題

数の問題(器質的異常)か機能的異常かを区別する

  • 1. 雀卵斑(そばかす):メラノサイトの数に変化は見られず、機能亢進による色素斑をきたす
  • 2. まだら症:KIT遺伝子変異による常染色体優性遺伝疾患で、メラノサイトの遊走障害をきたす(→メラノサイト数減少)。前額部のwhite forelockと呼ばれる病変が特徴
  • 3. 尋常性白斑:後天性にメラノサイトに対する自己免疫が生じ、最終的にメラノサイトが消失する。橋本病やⅠ型糖尿病の合併がみられ、近年はJAK阻害薬が有効とする報告が多い
  • 4. Sutton母斑:メラノサイトに対する自己免疫反応から、色素性母斑の周囲に生じる脱色素斑。組織ではメラノサイト・メラニンの減少・消失がみられる
  • 5. 眼皮膚白皮症(OCA):メラニン合成に関わるチロシナーゼ等の異常により皮膚や眼の色素が減少する。メラノサイトの数は正常だが、含有するメラノソームは未熟になる

大まかに言って自己免疫的機序による疾患はメラノサイトが破壊され、組織学的にメラノサイト数減少が見られる傾向がある

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p46/309(1)/306(2)/305(3)/307(4)/302(5)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p530(1)/542(2)/535(3)/537(4)/539(5)

関連問題

選択問題33:解答 3

イブプロフェン内服後に口唇浮腫と呼吸苦が見られており、薬剤性の血管性浮腫を考える

原因検索のため、まずはプリックテストが安全に実施可能→3

薬疹とアレルギー

薬剤アレルギーはI型とⅣ型が多いが、発症までのタイミングや検査が異なる

薬剤アレルギー分類代表例発症までの期間検査
I型蕁麻疹型薬疹, 血管性浮腫原則として短い(即時型)プリックテスト
スクラッチテスト
皮内テスト※
Ⅳ型紅斑丘疹型薬疹遅延型パッチテスト
DLST

※プリックテスト < スクラッチテスト < 皮内テスト

の順に抗原量が増えるので陽性になりやすくなるがリスクも上がる。通常は最もリスクの低いプリックテストから開始して、陰性の場合にスクラッチテスト・皮内テストに進むことになる

  • 1. 内服試験:感度は高いが危険度も高いので、重症な症状をきたした症例で最初にすべき検査ではない(固定薬疹等が良い適応とされる)。行う場合も通常使用量の1/100など極少量で行う
  • 2. パッチテスト:被疑薬を48時間貼付して行い、Ⅳ型アレルギーの診断に用いられる検査。固定薬疹では皮疹部で陽性となり診断能が高い
  • 3. プリックテスト:アレルゲンを滴下した皮膚を専用の針で刺し、15分後に判定する検査。膨疹の大きさで判定され、陽性コントロールの1/2以上で陽性となる
  • 4. 抗原特異的IgE測定:I型アレルギーの検査だが、特定の抗原(花粉やダニなど)しか検査できず、薬疹では使用できない
  • 5. 薬剤リンパ球刺激試験(DLST*):Ⅳ型アレルギー検査の中で侵襲性が低い(最初に行いやすい)が、偽陰性も多いので注意が必要

*DLST = drug-induced lymphocyte stimulation test

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p80・152
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p108・287・303

関連問題

選択問題34:解答 2, 4

掌蹠膿疱症(PPP)に関する出題

  • 1. "中高年の"女性に好発する
  • 2. 本邦では慢性扁桃炎やう歯などの病巣感染や喫煙を伴うことが多く、病巣感染は80%以上に認めるとされる→◯
  • 3. 歯科金属アレルギーとの関連が言われてきたが、金属除去のみでPPPが軽快した例は数%にすぎないという報告もある。同時に歯性病巣治療も行われることが多いので、こちらによる影響もある
  • 4. 病初期には表皮内汗管付近の有棘層に単房性の水疱が形成され、周囲に微小膿瘍を伴う→◯。一方鑑別疾患になる異汗性湿疹(汗疱)では表皮海綿状態が目立つ
  • 5. 汎発性膿疱性乾癬ではIL-36RN遺伝子変異が多く見られるが、PPPでは少ないことが報告されている

掌蹠膿疱症に関連したサイトカインとしてIL-23やIL-17があり、これらをターゲットした生物学的製剤が保険適用となっている

一般名商品名ターゲット
グセルクマブトレムフィア®IL-23p19
リサンキズマブスキリージ®
ブロダルマブルミセフ®IL-17RA
  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p264(1・2・4)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p332(1・2・4)
  • 参考:掌蹠膿疱症診療の手引き2022 日皮会誌:132(9), 2055-2113, 2022のp2066(2・3)/2060(4)/2062(5)

関連問題

選択問題35:解答 1

膠原病で見られる皮膚症状のうち、掻痒感が強いのはショール徴候→1

  • 1. 皮膚筋炎のショール徴候:頚部〜上胸部、上背部にかけてみられる浮腫性紅斑で、掻痒感が強いヘリオトロープ疹やGottron丘疹より特異度は低い(診断基準にも含まれない)が重要な所見
  • 2. 全身性強皮症の手指浮腫:強皮症の初期で見られ、その後硬化期→萎縮期へ移行する。レイノー症状や潰瘍に伴う疼痛>掻痒感
  • 3. 成人Still病のサーモンピンク疹:発熱と一致して出現することが多いが、自覚症状がないため見逃されやすい
  • 4. ベーチェット病の結節性紅斑様皮疹:結節性紅斑と同様に圧痛を伴う>掻痒感
  • 5. 全身性エリテマトーデスの蝶形紅斑:SLEに特徴的な皮疹だが、自覚症状はないかあっても軽い熱感を覚える程度
  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p205(1)/200(2)/214(3)/174(4)/191(5)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p412(1)/401(2)/203(3)/198(4)/420(5)

選択問題36:解答 5

人名が付く疾患のなかで、非遺伝性なのはCronkhite-Canada症候群→5

消化管ポリポーシスと皮膚症状

消化管ポリポーシスと皮膚症状(とくに色素斑)は合併しやすい

疾患名遺伝消化管ポリポーシス皮膚病変
Peutz-Jeghers症候群常染色体優性
(半数は孤発例)
+幼少期〜四肢末端や口唇の色素斑
Cronkhite-Canada症候群-+中年期以降脱毛や脱色素斑、爪甲異常を伴う
Gardner症候群常染色体優性+多発表皮嚢腫や骨腫
Laugier-Hunziker-Baran症候群--20〜50代で口唇等に色素斑
  • 1. Gorlin症候群(基底細胞母斑症候群):PTCH1遺伝子等の変異が原因のADで、若年から基底細胞癌が多発する。顎骨嚢胞や手掌の点状陥凹も特徴
  • 2. Cowden症候群:PTEN遺伝子変異が原因のADで、消化管ポリポーシスに顔面の外毛根鞘腫や乳腺・甲状腺などの悪性腫瘍を合併する
  • 3. Gardner症候群:APC遺伝子変異が原因のADで、家族性大腸腺腫症と同一疾患。皮膚では表皮嚢腫や頭蓋骨の骨腫をきたす
  • 4. Peutz-Jeghers症候群:LKB1(STK11)遺伝子変異が原因のADで、幼少期〜四肢末端や口唇の色素斑をきたす
  • 5. Cronkhite-Canada症候群:非遺伝性で、中年期以降に消化管ポリポーシスと色素斑をきたす疾患。治療ではステロイド内服が行われる

※AD = 常染色体顕性(優性)遺伝

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p397(3・5)/403(1)/411(2)/396(4)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p585(3・5)/586(1)/587(2)/584(4)

関連問題

選択問題37:解答 3

腹部の線状の皮内結節で、真皮中層に虫体を疑う部分が見られる

クリーピング病を疑い、食事歴を確認する→3

クリーピング・ディジーズ(皮膚幼虫移行症)

ヒトを固有宿主としない寄生虫の幼虫が皮内〜皮下を移動することで線状皮疹を生じる疾患の総称で、幼虫を保持する川魚等を生食することが原因(加熱していればOK)

摂食数週〜数カ月後に皮疹をきたす

寄生虫原因
顎口虫ドジョウ, 川魚, カエル
マンソン裂頭条虫(マンソン弧虫症)ヘビ, カエル, ニワトリ
施尾線虫スッポン, イカ(ホタルイカなど)

国内では2022年、青森県でシラウオが原因と思われる顎口虫集団感染が発生した

2025-Creepingdisease
参考サイトより引用

診断:皮疹先端部に寄生虫が存在するため、生検で直接証明する

治療:外科的摘出やアルベンダゾール、イベルメクチン内服など

  • 1・2. 外傷歴・手術歴:肥厚性瘢痕・ケロイドを疑う場合には重要
  • 3. 食履歴:クリーピング病のほか、しいたけ皮膚炎を疑う際にも重要
  • 4. 癌の既往歴:臍部に生じる皮膚転移(Sister Joseph結節)を疑う場合には重要
  • 5. 虫刺されの有無:急性痒疹(ストロフルス)の原因となる場合がある

関連問題

  • 2014 選択25 / 2011 選択33 (クリーピング病について)

選択問題38:解答 2, 5

持続性の上口唇腫脹が見られ、組織学的に肉芽腫形成を伴っていることから肉芽腫性口唇炎を考える

肉芽腫性口唇炎 (Melkersson-Rosenthal症候群)

肉芽腫性口唇炎は口唇が突然腫脹をきたし、組織学的に肉芽腫がみられる疾患

  • 肉芽腫性口唇炎
  • 皺壁舌/溝状舌 (舌が腫脹し表面の皺壁が著明となる)
  • 顔面神経麻痺

の3主徴がみられる場合、Melkersson-Rosenthal症候群と称される(すべて揃うのは10%)

原因不明だが、病巣感染(扁桃炎・う歯)や金属アレルギーの関与、サルコイド反応などが考えられている

  • 1. 炎症性腸疾患では"Crohn病"と合併することがあり、病態に共通する部分があるとされる。(Crohn病で用いられる)TNF-α阻害薬が有効という報告もある
  • 2. 皺襞舌(溝状舌)や顔面神経麻痺を伴うと、メルカーソン・ローゼンタール症候群になる
  • 3. "肉芽腫性"の名前の通り慢性期には肉芽腫が見られるが、初期では真皮のリンパ浮腫や組織球浸潤が主体
  • 4. 上口唇に生じることが多い
  • 5. 歯科金属アレルギーや歯性病巣感染との関連性が指摘されており、金属パッチテストの実施も検討する

関連問題

選択問題39:解答 5

Erythema gyratum repens = 匍行性迂回状紅斑(ほこうせいうかいじょうこうはん)→5

環状紅斑の一種で、木目状・波紋状の特徴的な皮疹をきたし掻痒感が強い。80%に内臓悪性腫瘍(肺癌や食道癌など)を合併し(デルマドローム)、原疾患治療で改善する

悪性腫瘍に伴う環状紅斑として、グルカゴノーマ(低栄養)に伴う壊死性遊走性紅斑も抑えておく

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p146
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p195

選択問題40:解答 1

円形脱毛症において、ステージごとに適切な治療を示したAA cubeについての出題

ステロイド局所注射は脱毛面積が狭い場合、幅広い年齢や病期に使用可能→1

AA cubeでは円形脱毛症の治療を年齢(小児〜成人)・重症度(脱毛面積)・病期(急性〜慢性)の3軸で分けて考える

2025-AAcube
参考文献p2504 図4より引用
  • 1. ステロイド局所注射:脱毛面積が狭い場合(S1)、病期を問わず幅広く使われる(広いとすべての注射は困難)。年齢も小児以外は良い適応
  • 2. 局所免疫療法(SADBEなど):慢性期であれば、年齢を問わず使いやすい。とくに広範囲(S2以上)の場合に良い適応
  • 3. 点滴静注ステロイドパルス療法:急速進行し脱毛面積が広い(S2以上)場合に良い適応。とくに発症6ヶ月以内の投与が良いとされる
  • 4. 紫外線療法:とくに慢性期の成人に良い適応で、円形脱毛症に対しては2020年〜保険適用となっている
  • 5. JAK阻害薬:慢性期でS3以上の場合に良い適応

※脱毛面積は頭部全体に対してS1 = <25%, S2 = 25〜49%, S3 = 50〜74%, S4 = 45〜99%, S5 =100%

関連問題

選択問題41:解答 3

基礎疾患のない中年男性で、掻破痕に沿った線状の浮腫性紅斑が見られている

生や加熱不十分なしいたけを摂取後に生じるしいたけ皮膚炎を考える→3

感作されたアレルゲンを非経皮的に取り込むことで全身に皮疹が生じる、全身性接触皮膚炎の一型

  • 3. シイタケ:熱で不活化されるレンナチン(β-グルカン多糖類)が原因と考えられており、加熱すればOK
  • 4. ホットケーキ(パンケーキ):ダニの経口摂取によるアナフィラキシー(oral mite anaphylaxis)の原因になる。日本ではお好み焼きが多い
  • 5. パイナップル:シュウ酸カルシウムが含まれており、一時刺激性接触皮膚炎の原因になる

関連問題

選択問題42:解答 1

MTXの使用方法について

腎機能障害例では用量調整が必要→1

MTX (メトトレキサート)

葉酸代謝拮抗薬で、皮膚科領域では主に乾癬(とくに末梢関節炎)に対して使用される

  • 用法用量:週1回空腹時に投与し、6〜8mg/週で開始(MAX 16mg)
  • 副作用:口内炎, 消化器症状, 血球減少, 間質性肺炎, 肝機能障害, 感染症など※
  • 注意点:妊婦への投与は禁忌

※副作用予防のため、MTX投与24〜48時間後に葉酸5mg/週を投与する。消化器症状が強い場合には注射製剤もある

MTXの長期間投与でリンパ腫(リンパ増殖性疾患):MTX-LPDが生じることがあり、皮膚病変が多いことからこちらも問題になりやすい

  • 1. 透析患者やeGFR<30ml/min/1.73m^2では投与禁忌
  • 2. 口内炎が多発したときは服用しないように説明する
  • 3. 乾癬における生物学的製剤と同様、結核やB型肝炎のスクリーニングが必要
  • 4. 重篤な副作用発現時にはロイコボリン®レスキューを行う
  • 5. 葉酸製剤の併用は全例で強く勧められる

関連問題(MTX)

選択問題43:解答 2

ハチ刺症についての出題

繰り返し刺されることでアナフィラキシーなど重症化に到りやすい→2

  • 1. スズメバチとアシナガバチは主要アレルゲンが共通で交差反応がある。このため片方でアナフィラキシー反応を呈した場合、もう片方でも同様の症状を呈することがある
  • 2. 繰り返し刺されると感作が成立しやすく、症状の重症化リスクも"上昇する"
  • 3. アナフィラキシーショックは林野事業に関連する職種や養蜂業者など、曝露リスクが高い職業で頻度が多い
  • 4. アドレナリン自己注射(エピペン®)の処方には講習の受講と登録が必要
  • 5. ハチ毒特異的IgE抗体は刺された直後だと一過性に抗体が消費され偽陰性となることがあるため、全身症状が出て数週間後に検査を行う

関連問題

選択問題44:解答 3

先天性表皮水疱症の病型と原因蛋白(遺伝子)を問う出題

接合部型幽門閉鎖合併型はα6/β4インテグリンが原因となる→3

表皮水疱症と原因遺伝子は頻出のため下記にまとめた

Epidermolysis-Bullosa
先天性表皮水疱症の病型と原因蛋白・遺伝形式まとめ

続きを見る

  • 1. 単純型-限局型:表皮基底細胞に発現するケラチン5/14が原因となる
  • 2. Kindler症候群:光線過敏症を合併する表皮水疱症で、キンドリン-1が原因となる
  • 3. 接合部型-幽門閉鎖合併型はα6/β4インテグリンが原因となり、原因分子が粘膜類天疱瘡と共通。なおⅦ型コラーゲンは栄養障害型表皮水疱症の原因分子
  • 4. 接合部型-中等症汎発型:17型コラーゲン(BP180)が原因となり、原因分子が水疱性類天疱瘡と共通
  • 5. 単純型-筋ジストロフィー合併型:筋ジストロフィーや幽門閉鎖を合併する単純型表皮水疱症は、プレクチンが原因となる

「幽門閉鎖を合併する表皮水疱症」の原因分子はプレクチンとα6/β4インテグリンがある。前者は単純型(EBS)、後者は接合部型(JEB)なので混同しないよう注意

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p238/241(3・4)/239(1・5)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p326/329(3・4)/327(1・5)/331(2)

関連問題

表皮水疱症関係は頻出なので上記カード内の記事でまとめた

選択問題45:解答 1

下顎骨骨折術後の患者で、食事中のみ限局性多汗症をきたしていることからFrey症候群を考える→1

Frey症候群 (耳介側頭症候群)

続発性局所多汗症の一つ

耳下腺手術などで損傷した耳介側頭神経(顔面神経の枝)が唾液腺内で迷入再生することで発症し、味覚刺激(摂食時)による発汗や潮紅を片側の耳前部できたす

治療ではA型ボツリヌス毒素注射が行われる

  • 1. Frey症候群:耳下腺腫瘍摘出術後が原因として最多だが、下顎骨骨折に伴い生じる場合もある
  • 2. エクリン母斑:エクリン汗腺由来の母斑で、限局性多汗症の原因となる
  • 3. Horner症候群:交感神経系の障害により、片側性の縮瞳・眼瞼下垂(眼裂狭小)・発汗低下をきたす疾患。肺尖部に生じるPancoast腫瘍などが原因となる
  • 4. Harlequin症候群:交感神経障害による発汗低下から、代償性に片側顔面で紅潮と発汗増加をきたす疾患。腫瘍や血管病変(脳梗塞等)を背景に生じる場合と特発性の場合がある
  • 5. 限局性頭部多汗症:腋窩や手掌と同様、頭部に限局して多汗症を生じる疾患。頻度は3番目だが、腋窩や手掌と比べて治療選択肢が少ない

選択肢2や5も多汗症をきたすが、「食事中に限った限局性多汗症」はFrey症候群を第一に考える

関連問題

選択問題46:解答 2

ステロイド外用に不応性の皮疹で、免疫染色でCD68+, S100+なことからRosai-Dorfman病を考える

Rosai-Dorfman病

反応性(↔腫瘍性)の組織球増殖性疾患

皮膚病変では紅褐色の丘疹〜結節・局面を生じ、皮膚病変のみの場合は皮膚型と呼ばれる。

頚部のリンパ節腫脹や内臓病変をきたす場合もある。全身症状をきたすものではIgGの増加が見られ、IgG4関連疾患との関連性も指摘されている

  • 組織:マクロファージ(組織球)内にリンパ球や好中球が取り込まれた像(emperipolesis)が特徴※
  • 免疫染色:CD68(+), S-100(+), CD1a(-)
  • 予後:自然消退することも多く良好

※貪食と異なり取り込まれた細胞の破壊を伴わなず、細胞膜が保たれる

組織球症では通常CD68+ S100-となることが多いが(ex. 若年性黄色肉芽腫や多中心性細網組織球症)、Rosai-Dorfman病はS100も陽性となる点が特徴

  • 1. 線維性組織球腫(皮膚線維腫):HE染色では太い膠原線維の増生基底層のメラニン沈着が特徴。組織球が増加しやすくCD68は染まることがあるが、S-100は陰性
  • 2. Rosai-Dorfman病:免疫染色から診断できる。本症例では皮膚病変に加え、頭蓋内病変や高γグロブリン血症を伴っている
  • 3. Erdheim-Chester病:組織球増殖症である播種状黄色腫のうち、骨や肺、心血管系など多臓器で病変が見られるもの。組織球なのでCD68は+
  • 4. ランゲルハンス細胞組織球症:皮膚に存在する抗原提示細胞であるランゲルハンス細胞が皮膚や多臓器に浸潤する疾患で、小児に好発する。ランゲルハンス細胞はS100+, CD1a+, CD207(ランゲリン)+となることが特徴
  • 5. 芽球形質細胞様樹状細胞腫瘍:形質細胞様樹状細胞に由来する悪性腫瘍で、皮膚病変に加えて骨髄浸潤などをきたす。CD4やCD56が陽性の一方、T細胞性マーカーであるCD3が陰性なのが特徴の皮膚リンパ腫

組織球=マクロファージのことだが、"組織球症"といった場合はマクロファージが増殖する疾患だけでなく、ランゲルハンス細胞が増殖する疾患も含めて呼ばれる

関連問題

選択問題47:解答 2, 5

下肢創傷処置についての出題

下肢創傷処置・下肢創傷処置管理料

2022年度の診療報酬改定で新設された項目で、足部〜足趾、踵の潰瘍が対象

下肢創傷処置は下記のように深さや部位に応じて点数が異なっており、いずれも既存の創傷処置料(<100cm2で52点)と比較して高い点数となっている。一方軟膏の塗布のみでは算定できず、洗浄や壊死組織の除去などの処置を行う必要がある

J000-2 下肢創傷処置点数
足部(踵を除く。)の浅い潰瘍135点
足趾の深い潰瘍又は踵の浅い潰瘍147点
足部(踵を除く。)の深い潰瘍又は踵の深い潰瘍270点
  • 浅い潰瘍:潰瘍の深さが腱、筋、骨又は関節のいずれにも至らないもの
  • 深い潰瘍:潰瘍の深さが腱、筋、骨又は関節のいずれかに至るもの

下肢創傷処置指導管理料

「下肢創傷処置指導"管理"料」は治療計画を作成して管理を行った場合、月に1回だけ算定できる

こちらは算定するために、日本フットケア・足病医学会の「下肢創傷処置・管理のための講習会」を受講した常勤医師が1名以上勤務している必要がある

管理料と名前が付く点数は月1回のみ算定できるものが多い。皮膚科特定疾患指導管理料や在宅自己注射指導管理料(生物学的製剤処方時)など

  • 1. 算定可能期間についてはとくに定められていない
  • 2. 潰瘍の原因となる疾患は限定されていない→◯。糖尿病性足壊疽や閉塞性動脈硬化、強皮症などがある
  • 3. 「下肢」という名称だが、足部・踵より遠位の部分でないと認められないので、下腿伸側中央部だと算定できない
  • 4. J000創傷処置、J001-7爪甲除去(麻酔を要しないもの)およびJ001-8(穿刺排膿後薬液注入)は併せて算定できない
  • 5. 深い潰瘍は腱、筋、骨または関節のいずれかに至るものを指す→◯

選択問題48:解答 2, 4

好酸球性筋膜炎についての出題

好酸球性筋膜炎

壮年男性に後発し、過度の運動などを契機として四肢遠位で対称性の皮膚硬化を生じる

傷害された筋膜に対する自己免疫反応と考えられている

  • 末梢血での好酸球増多やアルドラーゼ上昇が見られる。組織でも好酸球浸潤あり
  • 表在静脈に一致した線状の陥凹(groove sign)や病変部皮膚での腫脹と皺形成によるorange peel-like appearanceが特徴
2025-Orange-peel-likeappearance-groovesign
参考文献 図2より引用

「皮膚硬化」ではあるが全身性強皮症のように四肢末端で所見が強いわけではない。診断上も強皮症の除外が重要

  • 1. Lilac ring:円形〜類円形の硬化病変辺縁に見られる紫紅色の部分。限局性強皮症の一型であるモルフェアの初期で見られる所見
  • 2. Groove sign:表在静脈に沿った皮膚陥凹で、患側を挙上すると観察されやすくなる
  • 3. Nailfold bleeding(爪上皮出血点):膠原病とくに全身性強皮症(lcSSc)や皮膚筋炎で見られる所見で、微小血管の血管炎を反映しているとされる
  • 4. Orange-peel like appearance:好酸球性筋膜炎の特徴的な皮膚所見を「オレンジの皮様外観」と称している
  • 5. Salt-and-pepper skin appearance:全身性強皮症でみられる色素斑と色素脱失の混在を、「塩コショウ様外観」と呼ぶことがある

関連問題

選択問題49:解答 2?

アトピー性皮膚炎患者の爪甲遊離縁でみられる色調変化について

  • 2. 染料:外的刺激により爪甲遠位部が着色する場合がある
  • 3. 血痂:アトピー性皮膚炎では掻爬に伴い血痂が貯留することがある。詳細は後述
  • 4. 緑膿菌:感染が生じると爪甲そのものが緑色に変色する(green nail)が、通常1指のみ
  • 5. 黒色表皮腫:頚部や鼡径部、腋窩で表面黒褐色の局面がみられ、爪甲変形を伴うことがある。胃癌などの内臓悪性腫瘍や糖尿病に合併する
  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p372(4)/298(5)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p858(4)/373(5)
  • 参考:爪 基礎から臨床まで 改訂第2版 p109(2)

この問題ははっきりしない部分が多い。アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2024では下記の記載がある(p2754)

爪を観察し、爪縁内の痂皮や血痂の貯留は掻爬を示唆する所見である。

とはいえ、掻破による症状で2〜4指の同じような症状がでるのか?もう少し不整形になるのでは?という疑問があったため、外から触れるものが原因と筆者は考えた。(第1指や5指になければ掻爬っぽいかなという気はする)

選択問題50:解答 2, 3

白癬に関する出題

  • 1. 頭部白癬では外用治療は悪化する可能性があるため、"内服治療"が原則となる。T. tonsuransだと外用治療のみで治療される場合もあるが例外的
  • 2. Microsporum canisはペット(特にネコ)を介して頭部白癬の原因となる
  • 3. T. rubrumは皮膚糸状菌感染の原因として最多で、T. interdigitale※と併せて原因の90%以上を占める。とくに足白癬の角質増殖型はT. rubrumが原因として多い
  • 4. T. tonsuransは主に頭部白癬の原因となり、柔道やレスリングなどのコンタクトスポーツで集団感染を起こして問題になりやすい
  • 5. 好獣性の糸状菌(M. canisなど)が原因の場合、ヒトでは強い炎症を生じやすい。対照的にヒト好性のT. tonsurans感染症は炎症が軽微な傾向がある

※従来T. mentagrophytesと呼ばれるものの大部分は、現在T. interdigitaleに分類されるようになった。教科書によっては前者で記載されているので注意

関連問題

選択問題51:解答 1

脂漏性角化症で見られるダーモスコピー所見を問う出題

white networkは皮膚線維腫やメラノサイト系病変で見られる所見→1

  • 1. White network:皮膚線維腫では表皮の肥厚や線維化を反映して中心に白色部がみられ、white networkと呼ばれることがある
  • 2. Milia-like cyst(稗粒腫様嚢腫):褐色の病変の中で見られる境界不明瞭な白色点のことで、脂漏性角化症の偽角質嚢腫(pseudohorn cysts)に対応するダーモスコピー所見
  • 3. Comedo-like openings(面疱様開大):境界明瞭な黒褐色点のことで、脂漏性角化症の角栓に対応するダーモスコピー所見
  • 4. Sharp-borders with fat fingers:脂漏性角化症の初期で見られる淡褐色で模様を伴う構造を指紋様構造(fingerprint-like structures)とよび、とくに太くなったものは"fat fingers(太った指)"と称される
  • 5. Hairpin vessels with white halo:ヘアピン様血管は真皮乳頭部の毛細血管のことで、エクリン汗孔腫など様々な疾患でみられる。脂漏性角化症では角化を反映するwhite halo(白い輪)が見られやすいとされる

関連問題

選択問題52:解答 2

爪の病変において、爪母病変を示唆するのは点状凹窩→2

炎症性爪疾患(爪乾癬など)

炎症性爪疾患は、大きく爪母病変と爪床病変とに分けられ、症状や治療方法が異なる

病変の主座爪母爪床
症状点状凹窩(陥凹)爪甲剥離
爪甲縦条爪床変色
治療法爪母直上に位置する近位爪郭に外用+ODT
(皮膚の奥なので外用のみでは浸透しづらい)
剥離爪甲を除去して、爪床の皮膚に外用

乾癬における爪病変は感染性関節炎(関節症性乾癬)の発症リスクが高いとされる(その他頭皮も)

  • 1. 緑色爪:緑膿菌感染による症状で爪甲が緑変する
  • 2. 点状凹窩:爪母病変の代表的な症状。円形脱毛症でも見られることがある
  • 3. 線状出血:爪床病変の一つで、真皮乳頭の拡張した毛細血管からの出血所見と考えられている
  • 4. 爪甲剥離:爪床病変の代表的な症状。慢性炎症により爪床で不全角化が生じることで爪甲が剥がれやすくなる。その他甲状腺機能異常症やカンジダ感染等で生じる場合もある
  • 5. 爪甲下角質増殖:爪床病変の一つ。爪床上皮の過角化で生じ、爪乾癬で頻度の高い症状。真菌症や外傷でも生じる

関連問題

選択問題53:解答 4

凍瘡に関する出題

M型は多形紅斑のような症状が見られる→4

  • 1. デクスラゾキサン(サビーン®)はアントラサイクリン系抗がん剤漏出時に投与する薬剤
  • 2. 基本は学童に好発する(中壮年や高齢者に見られることもある)
  • 3. クリオグロブリン血症も寒冷曝露による紫斑などを生じるが、凍瘡のようなcommon diseaseではない。凍瘡様皮疹を生じる疾患としてはシェーグレン症候群やSLE、中條-西村症候群などの膠原病/自己炎症性疾患がある
  • 4. 全体が腫脹する樽柿型(T型)と、所々が腫れる多形紅斑型(M型)とに分けられる
  • 5. 気温そのものも重要だが、とくに気温変動が大きい時期(初冬・終冬)に多いとされる
  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p222(2・5)/224(1)/182(3)
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p270(2・4・5)/448(3)

関連問題

選択問題54:解答 3

ブレンツキシマブベドチン(アドセトリス®)がCD30をターゲットとする抗体製剤→3

再発又は難治性皮膚T細胞リンパ腫に対して使用される

関連問題

選択問題55:解答 3

遅延性圧蕁麻疹に関する出題

物理性蕁麻疹の中でも圧迫刺激から少し時間が経って出現し、持続時間もやや長いのが特徴

  • 1. 遅延性圧蕁麻疹や機械性蕁麻疹は小児では少ない
  • 2. 遅延性圧蕁麻疹は物理性蕁麻疹の中で唯一経口ステロイドの有効性が知られている
  • 3. 遅延性圧蕁麻疹の皮疹は一度出現すると数時間〜2日間程度持続する→△
  • 4. 圧迫刺激の直後ではなく、1〜12時間後と少し時間が経ってから生じる(遅延性)のが特徴。
  • 5. 遅延性圧蕁麻疹に対して、抗ヒスタミン薬の効果は不十分なことが多い

選択肢3についてはやや微妙で、ガイドラインや教科書では数時間〜数日の持続となっている。「通常24時間以上である」はやや強い表現なので、ここでは誤りと考えられる("24時間以上となることもある"くらいなら正解だろうが)。また選択肢4についても「圧の加わった部位に1〜12時間後に出現」と教科書(あたらしい皮膚科学 第3版)には記載されており、「30分程度」はややズレがある。ただ大きな差ではないこと、論文によっては30分〜数時間後と記載されていることもあるので、相対的に正しい内容(本問では間違い選択肢)と思われる。

関連問題

選択問題56:解答 4

皮膚瘙痒症に関する出題

  • 1. 皮膚そう痒症の原因は皮膚乾燥・薬剤性・基礎疾患(内臓異常など)に大別され、ドライスキンに由来する場合が最も多い
  • 2. オピオイドκ受容体作動薬であるナルフラフィン(レミッチ®)は透析患者や慢性肝疾患患者のそう痒症に対して保険適用となっている
  • 3. 甲状腺機能異常とくに甲状腺機能亢進症(≒Basedow病)は皮膚瘙痒症の原因となる
  • 4. モルヒネはオピオイドμ受容体を刺激する。同受容体は鎮痛効果が強いが、一方でかゆみを誘発する効果もある
  • 5. 皮膚瘙痒症でも末梢性の痒み物質(ヒスタミン等)は関与している。もっともヒスタミン以外の起痒物質(トリプターゼやサブスタンスPなど)も関与していることから、蕁麻疹等と比較して抗ヒスタミン薬は奏功しにくい※

※末梢性のかゆみの対義語が、中枢性のかゆみ = 痒みを誘導するμ受容体と痒み誘導を抑制するκ受容体のバランスで制御されるかゆみ

関連問題

選択問題57:解答 4

外用薬のうちOTC薬の配合成分でないのはクロベタゾールプロピオン酸エステル→4

OTC = over the counter, 薬局で処方箋なしに購入可能ないわゆる市販薬のこと

  • 1. アシクロビル:ビダラビン®, 内服はOTCではない
  • 2. テルビナフィン:ラミシール®, こちらも内服はOTCではない
  • 3. ジフェンヒドラミン:レスタミンコーワクリーム
  • 4. クロベタゾールプロピオン酸エステル:デルモベート®のこと。副作用への懸念もあり、外用ステロイドではStrongクラスまでがOTC対象となっている※
  • 5. プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステル:リドメックス®のこと

※外用ステロイド薬のなかでOTC薬の配合成分は下記の通り

配合成分名商品名ランク
ベタメタゾン吉草酸エステルリンデロン®V
ベトネベート®
ストロング
プレドニゾロン吉草酸エステル酢酸エステルリドメックス®
ヒドロコルチゾン酪酸エステルロコイド®ミディアム/マイルド
トリアムシノロンアセトニドケナコルト®A
ケナログ®

関連問題

選択問題58:解答 4, 5

尋常性白斑の病態に関する出題

  • 1. 発症期では、ケラチノサイトはストレス刺激により"IL-15"を細胞膜上に提示する。IL-8は好中球の遊走に関与するサイトカインで、掌蹠膿疱症の病態に関与する
  • 2. 発症期では、メラノサイトが障害されると"HMGB1"などの抗原が曝露される。TLSPは表皮ケラチノサイトから分泌され、2型炎症誘導に関与する(アトピー性皮膚炎で重要)
  • 3. 進行期では、"IL-15"がNK細胞の分化・維持に寄与し、IFN-γの産生を促す。IL-25はTSLPと同様に表皮ケラチノサイトから分泌され、2型炎症を誘導する
  • 4. 進行期や非進行期/安定期を通じて、病変部や傍病変部での著明なリンパ球浸潤は通常観察されない。初期にはリンパ球や組織球の浸潤が認められる
  • 5. 回復期では、病変部で肥満細胞(ヒスタミンを含有)が増加し辺縁部の色素再生誘導やメラノサイトの増殖・移動を促す

IL-15やIFN-γは円形脱毛症での病変部でも発現亢進が見られるサイトカイン。円形脱毛症の治療薬としてJAK阻害薬が使われるようになったのと同様に、尋常性白斑でも有効性が期待されている(2026年2月時点では日本未承認)

  • ルキソリチニブクリーム:FDA承認 (2022/7)
  • リトレシチニブ(リットフーロ®)内服:日本で第3相試験中

選択問題59:解答 3

神経線維腫症(NF)に関する出題

NF2は"10万人に1人程度"の割合→3

  • 1. NF1の浸透率※はほぼ100%と高い。同一遺伝子の変異でも臨床症状の差が著しい(GenotypeとPhenotypeの相関性が乏しい)
  • 2. NF1はニューロフィブロミンを、NF2はメルリンをコードする遺伝子の異常が原因でいずれも常染色体顕性(優性)遺伝形式を取る
  • 3. NF2は"5〜10万人に1人程度"の割合で発症。ちなみにNF1は10万人あたり30〜40人(≒3,000出生に一人)と10倍以上の頻度
  • 4. NF1では大小さまざまなカフェオレ斑が出生児の95%にみられる。早期診断に重要な所見で、6個以上見られる場合はNF1の可能性が極めて高い(six spot criteria)
  • 5. MEK1/2阻害薬であるセルメチニブ(コセルゴ®)は叢状神経線維腫に対して保険適用となっている

※浸透率 = 原因遺伝子を保有するヒトの中で実際に疾患を発症する割合

  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p391・394
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p570・573
  • 選択肢5の参考:コセルゴ 添付文書

関連問題

選択問題60:解答 4

ハンセン病に関する出題

WHO分類でのPB型では、らい菌に対する細胞性免疫は"強い"→4

ハンセン病 病型分類

Hansen病は菌数によって少菌型(PB)・多菌型(MB)に分けられる

ハンセン病 病型分類少菌型多菌型
らい菌少数/発見しがたい多数
皮疹の数・性状少数・大型多数・小型
皮疹の分布左右非対称左右対称
知覚異常高度軽度/正常
病理所見類上皮細胞性肉芽腫
(変性した組織球)
周囲に多数のリンパ球浸潤
組織球性肉芽腫
リンパ球浸潤は少ない

生体の免疫反応が残っており炎症反応が強いのが少菌型(→菌は除去される)、免疫反応が弱く炎症に乏しいのが多菌型

  • 1. ハンセン病は末梢神経障害をきたすため、紅斑部で知覚異常(感覚低下)が見られるのが特徴
  • 2. 皮膚スメア検査で菌が検出されればMB型に、検出されなければPB型になる
  • 3. 最近の日本での新規患者数は日本人が0〜数名、在日外国人が数人〜10人ほど
  • 4. PB型では宿主の免疫が保たれており、らい菌に対する細胞性免疫は強い→組織でリンパ球浸潤が多く見られ、類上皮細胞性肉芽腫となる
  • 5. 抗酸菌で発育が遅いためリファンピシン(RFP)やダプソン(DDS)、クロファジミンなどによる多剤併用療法が行われる。2型らい反応に対してはサリドマイドも用いられる
  • 参考書籍:あたらしい皮膚科学 第3版 p553
  • 参考書籍:皮膚科学 第11版 p873

関連問題(ハンセン病)

選択問題61〜90は下記

 

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